■万博 NHK『スーパーハイビジョンシアター』
Super Hi-Vision|地球の未来を見つめて|公式ページ
昨日のNHKの万博特番「初公開!21世紀の夢テレビ」でスーパーハイビジョンを紹介していた。
NHKの技術情報のページによれば(左図)、IMAX HDより画素数で約1.5倍、あのダグラス・トランブルが映像での究極の臨場感を目指して開発したショースキャンとコマ/秒数で同等という世界一の映像システムとなる。
表示デバイスは下記の通り(技術情報のページより)。
現在、走査線 4000本級を単体で実現できるデバイスはありませんが、日本ビクター(株)の協力を得て、「4K-2K D-ILAプロジェクター」を2機使用VICTORのD-ILAは反射型液晶デバイスですね。しかしこのプロジェクターの名前の4K-2Kは画素数そのまんまでもっと芸はないのか(^^;)
◆映像臨場感の究極の姿
番組で人間の臨場感のためには画角100°が必要でそのためにスーパーハイビジョンの4320本の走査線が必要であると述べられていた。(正確には30°くらいから臨場感が急激に上がっていき、100°あたりでサチュレーションするので100°以上は必要ないというニュアンス)
そこで現在家庭でこの臨場感に近いものを得るためには、どんな環境が必要かを概算してみた。
画角100°を得るためには、ハイビジョンプロジェクタを用いると、140インチで投影して1.3m、120インチで1.1mの視距離で観ることになる。なんとかできないことはないが画素がさすがに荒く見えてしまう。SONY QUALIA等の1080iのフルハイビジョンプロジェクタであっても、この視距離での1画素の水平画角(表最下段)は、スーパーハイビジョンの約4倍ピクセルが大きく見える。万博会場では、是非この視距離5.5mの席で、NHKが言う究極の臨場感を試してみたい。
それにしても、視距離によっては100インチスクリーンでも既に家庭でショースキャンと同等以上の環境が得られていることになるわけで、我々は凄い時代に生きているんだなと、、、かつてダグラス・トランブルの映像研究の話をワクワクして読んだ世代としては感慨。(感慨ということで言えば、少年マガジンのグラビアで有名な映像研究家大伴昌司氏の文章で、スーパーハイビジョンの記事を読みたいのは僕だけではないでしょうね。)
◆関連リンク
・NHK技研公開2004 - 一筋縄でいかない人の知覚と「スーパーハイビジョン」(MYCOM PC WEB)
カリフォルニア工科大学下條信輔教授(計算神経システム専攻)の人間の視覚聴覚の認識についての興味深い話と、スーパーハイビジョン開発者 NHK技研の岡野文男氏の高画素ゆえの課題が掲載されています。
一般に「解像度は高ければ高いほどよい」と思われているのにはそれなりに理由があるということを認めた。ただ一方で、スリット越しに画像の一部を動かした場合に、その断片から脳内で画像の全体像を再構築することができるといった例を紹介して「実際にこれを応用してメモリや電力消費量を節約したディスプレイを発売しているベンチャー企業もあり、この観点からは解像度はむしろあまり高くなくてもよいということになる」と述べ、場合によっては必ずしも高い解像度は必要ないという
・CEATEC ビクター4K2Kスーパーハイビジョン レポート(AV Watch)
・NHK研究年報 2003 3.1.1 超高精細映像メディアの研究
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