■新刊メモ『ゴシックハート』 『凶鳥の黒影』
『バトル・オブ・エクソシスト』
『絵コンテの宇宙―イメージの誕生』
ひさびさに名古屋の紀伊国屋書店に行ったら、面白そうな本がいろいろあったので、紹介。旧刊もあります。お手軽な紹介ですみませぬ。でもみんな面白そう。表紙をこうして並べると禍禍しいです。
◆『ゴシックハート』高原 英理
ゴシックにちょっと興味がわいているので、こんな本をまずチェックしてみました。著者の高原英理氏のホームページはこちら。『オトラント城綺譚』についても触れられているようです。
死と暗黒、耽美と残酷に彩られたゴシック世界の全貌を、澁澤龍彦・中井英夫の後継が描く初の本格[ゴシック]評論。
1 ゴシックの精神 ゴシック・ロマンス ゴシック・ロック 「ゴス」
2 人外中井英夫 江戸川乱歩 「フランケンシュタイン」 「吸血鬼」
3 怪奇と恐怖「アッシャー家の崩壊」 ホラー小説
4 様式美三島由紀夫 澁澤龍彦 建石修志 村上芳正 ウィトキン シジスモンディ
5 残酷「責苦の庭」 大蘇芳年 サド
6 身体「攻殻機動隊」 「銃夢」 「ヘルター・スケルター」
7 猟奇E・A・ポオ 海野十三 S・キング
8 異形楳図かずお 「のろいの館」 「みにくい悪魔」 「おそれ」
9 両性具有マリリン・マンソン 浅田彰 「ポルポリーノ」
10 人形ベルメール 四谷シモン 三浦悦子 マリオ・A
11 廃墟と終末フリードリヒ グラック 稲垣足穂 「デビルマン」 「新世紀エヴァンゲリオン」
12 幻想キャリントン バロ
◆『凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ』
執筆陣は以下。『虚無への供物』へのオマージュ小説やエッセイの書き下ろし。公式サイトでいくつかの作品の冒頭が紹介されていて、読めます。あと『凶鳥の黒影』監修者本多正一氏への東雅夫氏のインタビュー。
赤江 瀑, 有栖川 有栖, 嶽本 野ばら, 恩田 陸, 笠井 潔, 菊地 秀行, 北村 薫, 北森 鴻 , 倉阪 鬼一郎, 竹本 健治, 津原 泰水, 鶴見 俊輔, 中井 英夫, 長野 まゆみ, 三浦 しをん, 皆川 博子, 森 真沙子, 山田 正紀, 本多 正一
◆『バトル・オブ・エクソシスト──悪夢の25年間』マーク・カーモード著, 上岡 雅史訳
原作者(プロデューサー)対監督の仁義なき戦いの本だとか。(こちらのBlogより)。このタイトルは、テリー・ギリアムの『バトル・オブ・ブラジル』からでしょうね。あれ、この本、Amazonでも扱ってない。すでに絶版なのでしょうね。版元のダゲレオ出版にも出ていない。傑作だったのに。
カーモード,マーク
映画評論家・研究家。雑誌『サイト・アンド・サウンド』や『インディペンデント』などに常連寄稿。テレビのBBC2チャンネル「ニュース・ナイト・レビュー」やBBCラジオに映画紹介者として出演。名作についての制作ドキュメンタリー構成作家としても知られ、代表作にBBCに提供した「神への畏敬/エクソシストを巡る四半世紀」「ボーキブシー・シャッフル/映画『フレンチ・コネクション』を追い詰めて」などがある。『エクソシスト』については、小学5年生の時に衝撃を受けて以来、インタビューや取材を続け、何種類にも及ぶ公開バージョンの誕生に関与。それらの違いについての克明なレポートを発表している
東京都写真美術館で催された2つのアニメーション関連展示「絵コンテの宇宙―イメージの誕生」「わざとこころ―日本式・アニメーションの探検」から生まれた図録。
中島信也の「hungry?日清カップヌードル」や「サントリーDakara」などヒットCM誕生に至るまでの圧倒的な量のコンテ、山村浩二「頭山」(アヌシー2003グランプリ)の6年の制作の変遷を語るアート的コンテ、松浦季里「ビブリボン」キャラクター誕生プロセスなど、日常目にする完成された作品では見られない”発想プロセス”や“作家の脳内宇宙”が本で再現されている。
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