■池田宏監督『空飛ぶゆうれい船』
小黒祐一郎氏「懐かしの『空飛ぶゆうれい船』」(アニメスタイル)
前編 ~社会派アニメとボアジュース~
後編 ~リアルなメカ描写と「まんが映画」~
クライマックスまでリアリズムで話が進み、最後の最後で、この世の本当の悪は、とらえどころない存在だという事が分かる構成になっている。
本作のリアルなタッチについては、ゼロックスの積極的な使用に負うところも大きい。ゼロックスは『ホルス』でも使われた技術だ。それまでの作品では、動画の線をハンドトレスでなぞっていたわけだが、ゼロックスの導入で鉛筆の線をそのままセル画にコピーできるようになった。そのため、ハンドトレスではほぼ不可能だった機械の堅い線の描写や、緻密な描き込みが可能になったのだ。
小学2年の時、学校の講堂で観た時のワクワクを久々に思い出しながらこのエッセイを読みました。『空飛ぶゆうれい船』は、僕の究極映像体験の原点近くに位置する作品(^^;)。
もっとも小学生の時は、ボアジュースの耳につくCMの楽しさと、ハヤトの体験する冒険にワクワクしたのであって、宮崎駿の戦車の原画やボアとの決戦シーンに胸躍らせ、海の端正な作画に感心するのは、後年のことなのですが、、、。
ところでアニメの評論について一言。これだけブロードバンドが進んできたので、アニメ評論で動画の引用というのは実現しないのだろうか。アニメスタイルの評論やインタビューがすごく良いので、ここにムービーで名シーンの引用があったら良いのにと思ってしまうのだけれど、、、。特に今回の『空飛ぶゆうれい船』のは、長文の評論でひとつの作品のレベルになっているので、戦車シーンの動画掲載くらいは、引用の範囲内で著作権的にOKのように思うけど、どうなんでしょ。自分でやってみるというのも有ですかねーー?(どうせゲリラだし(^^;))
◆関連リンク
・DVD 『空飛ぶゆうれい船』(Amazon)
・我が家のレーザーディスク 空飛ぶゆうれい船
| 固定リンク
コメント