■ハイビジョン レポート KENJI YANOBE 1969-2005
ヤノベケンジ作品集出版記念イベント@豊田市美術館
ヤノベケンジ初の本格的作品集『ヤノベケンジ 1969 - 2005』(楽天)を記念したイベントが今日7/30、豊田でありました。僕は昼からサイン会までハイビジョンハンディカムHDR-HC1を片手に参加しました。
◆アーティストトーク「ヤノベケンジ自作を語る」
+フィルム上映 PM 1:00 - 2:30@講堂
1時間半きっちり、ヤノベケンジが幼少の大阪万博会場での「未来の廃墟」体験から、今回のキンダガルテンまでを映像を交えて語った。会場はほぼ満員の盛況。2~300人というところか。
ヤノベファンにはお馴染みの話が多かったけれど、生ヤノベの口から語られると、実感としてアーティストの内面が浮き出てくるようで興味深かった。
知らなかったトピックとしては、愛知万博での「マンモス・プロジェクト」が某新聞社の他社配慮でつぶれた後、身長20mのジャイアント・トらやん(G.-T.R.Y)を「夢みる山」の前に展示する企画があったらしい。これも「とある理由」で頓挫。今回の展示のジャイアントトらやんは7m。この3倍の巨大ロボットが万博に出現していたら、、、。私、頓挫させた理由と人を恨みそうな程、観てみたかった。
ここで流されたフィルムは、3F展示場でほぼ観えるものばかり。「メガロマニアオープニング」「Tower of Life」と「ジャイアント・トらやんのひみつ」。3つ目のは展示場のと違うバージョンでトらやんCGが入っていた。あとロシアへ万博のマンモス発掘プロジェクトをスパイに行くヤノベのムービー。アストンマーチンに乗り、007ばりに氷原を走るヤノベの映像がかっこいい。
◆「AWAYA」サウンドパフォーマンス
+トらやんファイヤー PM 2:45 - 3:15@展示室 1 あわ屋という男女2人のユニットによる演奏と歌、そしてヤノベ自身の解説による作品のパフォーマンス。
あわ屋の曲は、邦楽的な響きの静かな曲でヤノベの雰囲気に少し合ってました。そして圧巻は、「美術館の歴史はじまって以来の歴史的瞬間」(ヤノベ氏談)館内での火炎放射。金沢21世紀美術館ではトらやんは屋外で火をふいたらしいが、今回は約10mの天井の美術館2F(3Fへ吹き抜け)室内。
火炎は5回+2回、わずか10秒ほどの一瞬。右の写真は、HDVの映像から切り出したもの(クリックすると幅500ピクセルで観えます)。火炎は5~6mはあり、床近くまで伸びて凄い迫力だった。この火炎の先にも観客が居たわけで、機器の信頼性を全面的に信じた勇気あるパフォーマンスですね。正面に居た人は恐怖を覚えたかも。
ハイビジョンハンディカムの実力は、オートで露出が火炎の明るさに合わせてダイナミックに変化しているのがわかってもらえると思う。これは3~4コマごとに切り出しています。露出の追従はあまり良くないのかな?動画で観てても特に違和感は感じませんが。
まるで怪獣映画のワンシーンの解析のように、なかなかの迫力画が撮れました。このような切り出しがムービー観ながらHD1のハンディカムのフォトボタンを押すだけでできるのが、皆さん書いているけれど凄い便利。あと炎の端が切れてますが、こういうのを撮る時にテレコンバージョンレンズが欲しくなる。
もうひとつ、ヤノベのトヨタハイエースを改造したロッキングマンモスのディーゼルエンジンの咆哮を聴くことができました。写真のようにヤノベ氏自らが頭に跨りエンジン始動 ! 白いディーゼルの排煙がうしろへ噴き上がっているのが確認できます。動作は鼻を手回しのレバーで動かしていました。幻の万博アート企画「マンモス・プロジェクト」が実現していたら、この迫力の数百倍のイメージだったかと思うと、これも残念。
◆ヤノベケンジ作品集出版記念サイン会
PM 3:30 - 4:30@展示室 1手前カウンター
1冊づつ丁寧にイラスト入りでサイン。僕のはアトムスーツのヘルメット。サイン会は計100人くらい?? 女性が多かったですね。ヤノベファンって、大阪万博ファンとある程度重なっていると思ったのだけれど、その世代はあまり人数的に目立たず(この年代は一般的観光っぽい子連れ客でした)、若い人が多かった。現代美術の視点からなのでしょうね。
◆「AWAYA」映像&サウンドパフォーマンス
+トらやんファイヤー PM 6:30 - 7:00@展示室 1
これは未参加。昼のパフォーマンスに映像が追加されたらしいですが、どなたかご覧になった方、コメントいただければ幸いです。
★追記 パフォーマンスされたご本人Tomokichi@あわ屋さんにコメントで教えていただいた映像はここで観えます。
◆関連リンク
・Tomokichi@あわ屋さんの日々五里霧中
G.-T.R.Yや虹の要塞の制作にかかわられたレポートが読めます。
子供都市計画「御開祭祀」オヒラキマツリのページとムービーも必見。
・ARTZONE Mammoth Project Office KINDERGARTANムービー
・子供都市計画のショートムービー 炎をふくG.-T.R.Yが動画で観える
・MEGAROMANIA メガロマニア展のできるまで
・AERAのマンモスプロジェクト記事 産廃マンモスのし歩く
・AWAYAの曲がここで聴けます
AWAYA : 邦楽器や声などのアナログ音と、電子音を用いた実験的音響ユニット
・青幻舎blog:新刊予告Blog
・ 7/30 ヤノベケンジ1969-2005 刊行記念イベント(豊田市美術館)
・8/6 ヤノベケンジ自作を語る+フィルム上映(東京 青山ブックセンター本店)
・当Blog記事 幻の万博 YANOBE KENJI 『KINDER GARTEN』
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
わださん、こんにちは。コメント、ありがとうございます。
>>フォトボタンでの切り出しは、ほんと便利です!切り出しまくって、自分のパ
>>ソコンは静止画写真ファイルだけですごい枚数になってしまいましたが。。。
おんなじです。で、今まで持ってたデジカメを全然使わなくなってしまったという、、、(^^;)。
先日、遅まきながらHDV編集ソフトを購入。なかなかいじれる時間がとれないのですが、遊んでいきたいと思います。
投稿: BP | 2005.09.17 23:10
TBありがとうございます!
ついこの間こちらの記事を読ませてもらった気がするのですが、もう先々月のことなんですね。時間が経つのが早すぎて愕然としてしまいます。
フォトボタンでの切り出しは、ほんと便利です!切り出しまくって、自分のパソコンは静止画写真ファイルだけですごい枚数になってしまいましたが。。。
投稿: わだ | 2005.09.16 01:41
ART遊覧さん、はじめまして。いつも美術館の情報等、楽しみに拝見しております。
TB、2度付けてしまったようで、申し訳ありませんでした。
>>以下に金沢で火を噴いた写真があります。
金沢21世紀美術館の「子供都市—虹の要塞 最終披露展」、是非行きたかったです。ヤノベ作品と子供たちって似合いますよね。豊田の会場でも火をふくトらやんに一番感動していたのは、子供たちだったと思います。
投稿: BP | 2005.08.11 04:03
TBありがとうございました。
同じ記事に2つ付いていたので、1つに整理させていただきましたのでご了承ください。連続写真でいいですねぇ。
以下に金沢で火を噴いた写真があります。
http://www.art-yuran.jp/2005/02/21.html
投稿: ART遊覧 | 2005.08.07 20:56
Tomokichi@あわ屋さん、はじめまして。
コメント、ありがとうございます。さっそくムービー、拝見しました。かっこいいですね。特に最後のG.-T.R.Y.のアップにしびれました。夕方のイベントも観てから帰るのだったと、後悔しきりです。
他の作品をひきあいに出すのは失礼なのですが、羽根と海と建築の映像から、押井守の万博映像「百禽HYAKKIN(ひゃっきん)」(https://bp.cocolog-nifty.com/bp/2005/05/hyakkin_3212.html)を思い出しました。
Blog「日々五里霧中」、拝見しました。ジャイアント・トらやんの制作にもかかわられたのですね。このように巨大で素晴らしいものを見せていただき、本当に感謝感激です。
http://homepage.mac.com/nutmegnet/tomokichi/column/index.html
投稿: BP | 2005.08.06 00:11
AWAYAパフォーマンス夕方の部で使われた映像のイメージが下のURLから見れます。これは金沢21世紀美術館でのライブ予告用のムービーですが、中で使用されているCGは豊田市美で使用したものと素材が同じですので、雰囲気は伝わると思います。
「子供都市・虹の要塞」 ライブ予告用映像
Windows Media Player用(2.2MB)
制作 AWAYA
Copyright 2005"KenjiYANOBE"and"AWAYA".
http://homepage.mac.com/nutmegnet/ohiraki_movie/ohiraki_win.wmv
投稿: Tomokichi | 2005.08.04 18:15