■『ロシアの映像詩人・ノルシュテイン 日本を行く』
ununさんのゆらゆら大陸で知り、NHK『ロシアの映像詩人・ノルシュテイン 日本を行く』の再放送を観ました。(危うくまた見逃すところでした、ununさん、ありがとう!)
番組内で一部(約5分くらいか?)紹介された製作中の『外套』の素晴らしさには眼を見張った。たんなるセルロイドに描かれた切り絵のパーツの寄せ集めである主人公アカーキー・アカーキェヴィッチが、全パーツ一体となってとてもやわらかい立体感のある質感を醸し出すところが素晴らしい。特に外から帰ったアカーキーが襟巻きをはずすところ、神がノルシュテインに描かせた奇跡の映像としか言えない凄さ。ゾクゾクします。
その映像が観えただけでも大満足なのだけれど、あとは蛇足をひとつ。
それにしても番組の演出上、しかたがないのかもしれないけど、ノルシュテインが若い日本の映像作家の卵へ苦言する部分が随分クローズアップされていた。後輩の指導ということなのだろうけれど、僕はいただけなかった。これは同じ芸術家としては、きっと他の芸術を尊重しているはずなのだろうけれど、どうも批判的な面ばかりが番組ではクローズアップ。僕にはノルシュテインが説教くさい親父に見えてしまった。んで、その後、あろうことか、24年かかっても半分しか映像化で来ていない『外套』のテーマを一言で語ってしまう。、、、、あれっ、なんか間違ってませんか。
僕は、他のシーンにあった俳句を語って一茶が蛙の句を詠んだ場所で蛙の物まねをしたり、モスクワのスタジオの近所で毎朝寒中水泳をしたりするノルシュテインをもっと観ていたかった。(以上、蛇足!)
◆関連リンク
・Laputa Animation Festival 2004 ノルシュテイン大賞
・おかだえみこさんの文章 ロシアへ行ったらテレビに注目! ノルシュテイン、CMに挑む。CM『ロシア砂糖』とノルシュテインが「外套」にこだわるわけ
・ノルシュテイン(Amazon)、番組で映っていた本『ユーリー・ノルシュテインの仕事』・・・これを買って『外套』の支援になるなら、僕も買おうっと!!
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