■Wendy Apple
"The Cutting Edge: The Magic of Movie Editing" (2004)
The Cutting Edge: The Magic of Movie Editing (2004)
NHK BS-hi 『カッティング・エッジ 映画編集技術の歴史』
NHKがBBC,STARZと共同で制作したハイビジョン番組を観ました。歴代の映画編集者が登場し、映画編集の秘密を語る貴重な証言の記録。セオドア・ローザック『フリッカー、あるいは映画の魔』を読んだすぐ後に観たので、思わずマックス・キャッスルについて触れられないかと期待してしまったのですが、、、、。
内容は、グリフィスの『国民の創生』、エイゼンシュタインのモンタージュ、ロシア革命をプロパガンダ『これがロシアだ』(政治的映画編集の利用)、ヒットラーを神として表現したレニ・リーフェンシュタイン『意思の勝利』、スピルバーグ『シンドラーのリスト』、タランティーノ『パルプフィクション』等々。名シーンを紹介しながら編集者が直接語る。
登場する編集者を列挙すると、ヴァーナ・フィールズ(『ジョーズ』)、コンラッド・パフ(『ターミネータ』)、ウォルター・マーチ(『コールド・マウンテン』)、クレイブ・マッケイ(『羊たちの沈黙』)、ウォルター・マーチ(『コールド・マウンテン』)、ピエトロ・スカリア(『ブラックホークダウン』)、フランク・エリオステ(『氷の微笑み』)、リチャード・チュウ(『カッコーの巣の上で』)、ティディ・アレン(『俺たちに明日はない』)、ポール・ハーシュ(『スター・ウォーズ』)、アン・コーツ(『アウト・オブ・サイト』)、ザック・スタインバーグ(『バウンス』)、、、、。貴方は何人知っていますか?私は実はゼロ(^^;)。なんて薄い映画ファンなのだろう !
有名な逸話もあれば、初めて聞く(僕だけ?)興味深いエピソードもあった。たとえば、『パルプフィクション』では、冗長だったタランティーノのフィルム(デートのシーン)を編集者サリー・メンケがつまんで今のあの斬新な映像になったらしい。
1920-30年代のサイレントの時代には編集は裁縫などと同じに手先の丁寧な女性の仕事であったという。それがトーキーで音声の編集が加わったことから、より専門性が問われるようになり、編集のプロが登場してきた。
初の映画編集者と呼ばれるのが、MGMのマーガレット・ブース。感覚で編集していくことを編集主任として若手に教えていたらしい。
40-50年代編集は、車から降りる→ドアを開ける→部屋に入ると、一連の動作を順に描いていた。それを型破りした『勝手にしやがれ』のジャンプ・カット。
以下、面白かった映画編集者の言葉。編集って仕事でありながら病みつきになるものらしいです。
『レイダース』のマイケル・カーン
「操作し現実をねじまげる、これが我々の仕事』
『白いドレスの女』のキャサリン・リトルトン
「エロティシズムは見えない所から創造される。編集者は心理学者である。」
◆関連リンク
・監督のWendy Apple
・DVD 05.9/6発売予定(アメリカ??)らしいがリンクはなしです。
・Amazon.co.jp: 洋書: The Magic of Film Editing.(番組との関係は不明)
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