■『秘密の動物誌』 ジョアン・フォンクベルタ著, ペレ・フォルミゲーラ著
管 啓次郎訳, 荒俣宏監修
『秘密の動物誌』(Amazon)
Joan Fontcuberta/Pere Formiguera ”FAUNA SECRETA”
「世界各地に生息する珍獣・幻獣を多数採取し、膨大な観察記録を残したのち謎の失踪を遂げた動物学者、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の資料が発見された!」との設定で、空飛ぶ象・多足蛇・火を吐くトカゲなどを紹介したキワモノ本。博士の生い立ちや学術的な記述等、リアルな設定がなされていたことから、その真贋を含め発売当時話題を呼んだ。
1991.12刊、有名な本なのでいまさらですが、古本屋で見つけて、面白そうだったので購入。
不思議な動物の博物的記録の本なのですが、中身は確信犯のフェイク。二人の作者のあとがきにはしっかり書かれています。その内容がふるっている。写真自体は少し凄いのもあるけれど、今の眼で見ると、実はその空想度合いはちょいと稚拙。この二人の言葉の方が出てくる生物の写真より面白いところがちょっと残念。今、このコンセプトで凝りに凝って画像処理を重ねて作ったら、もっと凄いことになるんじゃ、って気がする。、、、現実にネットのどこかには既にあるかもしれない、、、。誰か知りませんか?
「真実は、あれこれのメディアに整形手術をほどこしつつ、それをわれわれにむかって証拠として提出する。写真は中でも最もよく利用されるメディアであり、写真からの敷衍によって、われわれは現実を直接記録する視覚技術-レンズ-によって図像メッセージを生成するあらゆるシステムについて語ることができる。ところがこうした映像メディアは-いまやだれもが気づいているとおり-どれも容易に操作されうるものばかりだ。」
◆関連リンク
・本の冒頭は写真と合わせて、ここに掲載。
・本文に出てくる動物たちも、ここに主要画像を掲載。(公式サイト?)
・Joan Fontcubertaの他の作品 Frottograms。
・別の人の作品 Leena Krohn & Susanna Helke: Mustia eläimiä ja muita faabeleita
・Googleイメージ検索
→Joan Fontcuberta(お薦めはこっち) Pere Formiguera(ここはほとんどない)
・荒俣宏1900年代の活動
(「秘密の動物誌『FAUNA SECRETA』」展92年9月8日~10月7日@パルコギャラリー等の情報が書かれています。)
・2ch 【マジ?】秘密の動物誌しってますか?【うそ?】
・ジョアン・フォンクベルタ インタビュー
写真とテクノロジーは真実に奉仕する?---現実も真実ももはや存在しない,ただ視点や解釈だけが存在する---
| 固定リンク
« ■NMAO:国立国際美術館 『転換期の作法
- ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術 -』 |
トップページ
| ■新刊メモ『モーダルな事象』『『ゆめのチカラ』『眼の冒険 デザインの道具箱』他 »
コメント
こんばんは^^、BPさん。
「めざめの方舟」のDVD届きました^^。近日中に観る予定です。
「アフターマン」ですが、昔出ていた大判の本のほうがよいです^^;。小さな本ではイラストがちょっと・・・(TT)。
そうそう夏休みの宿題対策向けか(笑)、丸善では恐竜のフィギュアが売られていました。”水で戻す恐竜フィギュア”があり(ペットボトルに水と一緒に入れると3日かけて6倍になる)、しげしげ眺めちゃいました。
投稿: shamon | 2005.08.23 23:21
shamonさん、こんばんは。
>>いかにも本物らしい写真に、コナン・ドイルが撮った妖精の写真話を
>>思い出しちゃいましたよ
ロマンがあって良いですね、あの妖精の話。
今、検索したら本もありますね。
『妖精の出現―コティングリー妖精事件』(Amazon)
実は「アフターマン」や「フューチャー・イズ・ワイルド」、まだまともに見てません(^^;)。
投稿: BP | 2005.08.22 23:15
こんばんは^^、BPさん。
記事及び関連サイトを拝見いたしました。
いかにも本物らしい写真に、コナン・ドイルが撮った妖精の写真話を思い出しちゃいましたよ(これもフェイクらしいですけど)。
想像上の動物ならドゥーガル・ディクソンの「アフターマン」や「新恐竜」のほうが好みかな(笑)。「フューチャー・イズ・ワイルド」のCG画像もなかなかのものでした。
投稿: shamon | 2005.08.18 21:32