■実相寺昭雄監督 「胡蝶の夢」
ウルトラマンマックス公式HP 「胡蝶の夢」夢幻神獣 魔デウス登場
TV番組「ウルトラマンマックス」の脚本家である蓮沼は、もう何日も不可解な夢を見ていた。自分とカイトが一体化している夢だ。夢の中で蓮沼はカイトとして考え、行動する。そしてその夢には決まって不気味な女が現れるのだ。
蓮沼はその夢を脚本に書き始める。
昨夜の夢の続きを見た。例の女が粘土をこねている。形作られているのは不気味な怪獣。女はカイトである蓮沼に、素晴らしい怪獣を生み出すため相談にのって欲しいと頼む。女の作った怪獣の名は「魔デウス」。夢から醒めた蓮沼は、この夢をそのまま脚本として完成させていく。監督:実相寺 昭雄 / 特技監督:菊地 雄一 / 脚本:小林 雄次
先週予告編を観た時から、とんでもない話になるのではないかと心配してましたが(^^;)、やってくれました実相寺。子供たち全ての期待をぶっちぎる不条理劇全開。
何しろ怪獣の名前は、「デウス・エキス・マキナ」から「魔デウス」。脚本家の夢とカイトの夢の錯綜。ウルトラマンマックスを作るスタッフの会議シーンと、外からパチンコ屋のネオンの光と喧騒が飛び込んでくる汚い下宿で脚本家がうなりながらマックスの脚本を書いているシーン。そして極めつけは、粘土で怪獣を作る女/カウンターバーで胡蝶の夢を語る女/会議に現われるスタッフの女の不気味な笑い。この女の微笑みで悪夢にうなされる子供達が日本中で1万人は発生するでしょう。
粘土で怪獣をこしらえる女と怪獣のアイディアを出すカイトという秀逸なネタも、全て不条理劇とともに勢いでクライマックスでうやむやになってしまう後半は残念な出来だったけれど、なかなか楽しめました。小ネタでは「怪獣の名前からイメージするのは、金城哲夫っぽいですね」というセリフが良かった。それにしても、「胡蝶」に「デウス・エキス・マキナ」とは、ベタでしたねー。
公式ページの「メッセージボード」にこんな書き込みがありました。やっぱ子供は泣きますよ、あの怖さ。
毎週3歳の子供と楽しくみています。話も分かりやすくていいと思います。
でも26日放送の分は、子供も話が理解できず、
出演している女の人が怖かったみたいで泣き出しました。
見ていて不快でした。こどもが見る内容じゃないと思いました。
僕らは子供の頃、ウルトラQの「悪魔っ子」とかで強烈なインパクトを受けたのだけれど、この作品を観た子供達もきっと後年その不可思議な印象について語るのでしょうね。10年後の実相寺マニアをまた大量に産みだしたのかも。
◆12/3追記
12/10の第24話も実相寺監督らしい。予告ではメトロン星人が茶の間でカイトと向かい合ってしゃべって、その後、夕日をバックにマックスと対峙。『ウルトラセブン』のセルフパロディですか?また子供を置いてきぼりにするのか、実相寺!
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