■テリー・ギリアム監督『ブラザーズ・グリム』
The Brothers Grimm
テリー・ギリアム監督、ひさびさの新作『ブラザーズ・グリム』を観た。この映画、今、結構ヒットしているのですね。ギリアムの映画がベストテンのランクに入るのって、あまり記憶にない。これで作りやすい環境になると良いですね。
行った映画館は地元のいなかのシネコンなのだけれど、ティム・バートン『チャーリーとチョコレート工場』と『コープス・ブライド』もいっしょに上映されている。ギリアム1本とバートン2本のラインアップは、とにかく凄い。いい時代になりました。
で、『ブラザーズ・グリム』。なかなか前半好きです。グリム兄弟の設定も妖しくて良いし、村の雰囲気とか中世っぽい幻想的な雰囲気が○。このロケってプラハで行われたらしいですね。まだこういう風景が東欧にはいっぱいあるのでしょう。
ジョナサン・プライスの将軍もよかったけど、なんといっても気を吐くピーター・ストーメアのカヴァルディという役。この人の怪演が見ものです。
後半は失速。あまりにハリウッド的なストーリーに幻滅でした。プロデューサの圧力が強かった(「バトル・オブ・グリム」?)のか、最近映画がこけているギリアムが次回作のために日よったのか?ちょっと残念なラストでした。もっと幻想的に幻惑するクライマックスをみせてほしかった。
◆関連リンク
・公式ページのギリアムインタビュー
グリム童話は、私が初めて読んだ本の中の一冊であるのは間違いないです。また自分の世界の見方を形作ってくれたものでもあります。非常にパワフルな力を持っていますし、未だにグリムの世界観から抜け出せていないようなところもあります。
「ドン・キホーテ」という作品が頓挫してしまった後、自分がずっと温めていた企画が3、4本あり、これを映画化しようと頑張っていたのですが、残念ながら製作費が集まりませんでした。ちょうどその時に『ブラザーズ・グリム』に巡り会えたのです。これで、また仕事ができると思い、とてもホッとしました。自分が題材を集めて、映画化しようと思って企画を作っていくよりも、元々スタジオ側、製作会社が作りたいと思っている企画の方が、もちろん製作は容易なわけで、今回はそのようなパターンでした。
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コメント
tonaeさん、こんばんは。めっきり寒くなりましたが、お元気ですか?
>>結局本国では興行成績振るわず,次回作どころ
>>か同時進行の新作の公開すら目処立たない有様
>>な訳で…嗚呼…。
あれ、本国ではそんな状況なのですね。同時進行の新作って、"Tideland"のことですね。あーなんていうことでしょう。こっちの方が期待していたのですが、、、。日本で『ブラザーズ・グリム』が当たったのだから、日本のみでも公開してほしいものです。
投稿: BP | 2005.12.10 19:37
都内では軒並み今週いっぱい明日迄なので今日
慌てて観て来ました。錦糸町シネマ、平日昼間
なので何時ものパターンで5人くらい…。小さ
いですが小奇麗な映画館でした。
僕は逆に、冒頭の魔女騒動から後、塔に辿り着
く迄が退屈で…モニカ・ベルッチの登場が遅い
なあと何度も時計を確認してしまいました。
まあその後の展開はバロンとかと同じだから…
各場面色々見所は多い映画なので及第点ではあ
りますけどね。ラプンツェールとかオフィーリア
とかのイメージは心魅かれました。
結局本国では興行成績振るわず,次回作どころ
か同時進行の新作の公開すら目処立たない有様
な訳で…嗚呼…。
投稿: tonae | 2005.12.08 21:12