■スターウォーズを立体映画にする技術 In-Three Dimensionalization®
In-Three Inc. Dimensionalization®
アメリカのイン-スリー社の2D映像を3Dへ変換する技術。3月に開催されたShoWest 2005という映画のコンベンションで、『スター・ウォーズ』の一部がこの技術で立体映画として上映されたようです。写真はイン-スリー社のTOPページにある映画監督たちの立体眼鏡の姿。なかなかいいですね、この映像。3D映画の時代が来ます!って感じ。
で、上記リンクのイン-スリー社のHPに下記のような記事があります。自社の良さをアピールするためのプレス・リリースですから、割り引いて読むべきですが、それにしても各監督とも凄い絶賛。これから過去のいろんな映画の3D版が製作される計画もあるようですが、楽しみなことです。(上映は先日の『チキン・リトル』3-Dの記事で紹介したDLPプロジェクタが使われるようです。右図のCHRISTIE CP2000 DIGITAL CINEMA PROJECTOR )
このイン-スリー社のHPは、あまりにそっけない内容で、どういうアルゴリズムで立体化するのか、よくわかりません(図解がないのでわからない。ちゃんと全部読めばわかるのかも)。どういう仕組みでやるのか、是非知りたいものです。(一応ここに書いてあるが、オリジナルを右目の映像として使用し、左目側を計算によって作り出しているようだ。)
映像の動きで奥ゆきをディジタル的に解析して、画素をそれに基づきズラしていくのだろうか、、、。ディジタルの恩恵がこんなところでも発揮されるのかも。
もしどんな2D映画も3Dへ変換できるのなら、是非、日本のアニメも立体化してほしいものである。(あ、でも所詮セルの引き速度で奥ゆきを計算するだけになりそうだから、書割的な立体感しか出ないのかも、、、。)でも、『イノセンス』の択捉シーンは、3D-CGなので、立体映画化できますね。うわー、絶対観たい!!
◆Testimonials to In-Three (フィルムメーカーたちの証言)
イン-スリー社のHPに、各フィルムメーカーのコメントが載っています。以下に概略訳します(超訳??)。
ジョージ・ルーカス
最初にIn3DimensionalizationRの過程を見たとき、本当に、私は驚いてしまいました。その3Dは、私が以前に経験したものよりも良いクオリティでした。Dimensionalization®は、どんな映画のリアリズムもかなり高めるでしょう。このテストフッテージを観る時、ショッキングに良さを体感するでしょう。
リック・マッカラム(『スターウォーズ』プロデューサー)
これには気絶するほど驚いた。彼らが作成することができたリアリズムは私が観たことがあったもののいずれとも、異なっていた。我々は多くの3Dを見たが、In-Threeは唯一無二だ。
ピーター・ジャクソン
長い間の映画の歴史のなかで、最もエキサイティングな開発の1つであると思う。それらは明るく、シャープでクリアである。どんな濁りも二重イメージもない。
ジェームス・キャメロン
私は3Dの写真が好きであるが、In-Threeによって提供される技術的ソリューションは我々のステレオ映画制作ツールのパレットにとって、有益だ。これを使うことで、2Dで撮ってきた映像が違和感なく、3Dで撮った映像に融合する。
ランダル・クレイザー 『グリース』監督
3Dでスター・ウォーズを観るのは十分驚くべきものであったが、ジョン・トラボルタが3Dで「グリースを塗るシーン」を見た時、私は撃ち殺されました。それはまさしくセットに戻っているような感覚でした。
◆関連リンク
・「スター・ウォーズ」3Dバージョンが公開へ(eiga.com)
ジョージ・ルーカスが、「スター・ウォーズ」シリーズ全作品を、テキサス・インスツルメンツ社と共に3D映画としてリマスターし、再上映すると発表した。映画配給会社と興行主向けに毎年ラスベガスで行われるイベント、ショーウエストで、デジタル3D映画のプロモーションに参加したルーカスは、30周年を記念して、07年に「スター・ウォーズ」(エピソード4)の3Dリマスター版を公開し、その後、毎年1作ずつ3D版をリリースしていく予定だという。
・CHRISTIE CP2000 DIGITAL CINEMA PROJECTOR HELPS LAUNCH FUTURE OF 3D TECHNOLOGY AT SHOWEST 2005
・クリスティ・デジタル(日本)
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コメント
関係各位
下記のような研究会を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
関係者の方々にも、ご紹介頂ければ幸甚です。
宜しくお願い致します。
羽倉弘之
三次元映像のフォーラム
東京大学 大学院 情報学環
記
三次元映像のフォーラム
第80回研究会・総会
画期的な最新の三次元映像ソフトやハードの数々をご紹介!
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日時:2007年6月9日(土) 9:30~18:00 併設展示・デモ:10:00~18:30
場所:東京大学(駒場)総合研究実験棟(An棟) コンベンションホール、ホワイエ
目黒区駒場4-6-1 駒場Ⅱキャンパス (井の頭線駒場東大前下車)
地図:www.iis.u-tokyo.ac.jp/map/index.htmlのキャンパス内配置図中央1A棟
入場:無料 定員:200名(予約不要) 特典:参加者全員に超立体映像ホログラムをご提供
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[プログラム]
【論文発表】
09:00~09:25 『多視点フォトメトリックステレオを用いた全体形状と反射パラメータの同時推定』 肥後智昭 他 (東京大学)
09:25~09:50 『ロダン彫刻「カレーの市民」3次元デジタルアーカイブ』鎌倉 真音 他 (東京大学・生産技術研究所)
09:50~10:15 『奥行き知覚による空間の見えの変化』山田 祐司 他 (電気通信大学)
10:15~11:40 『音による3次元運動の知覚変化』横山 一規 他 (電気通信大学)
10:40~11:05 『立体通信システムにおける眼精疲労の軽減』シェラ・ラファエル(和歌山大学)他
【3D映像:基礎】
11:05~11:30 『3D映像から映像における大きさの問題を考える』鏡 惟史
11:30~12:00 総会
11:30~13:00 昼休/展示・デモ
【最新3Dソフト】
13:00~13:35 『「CG世界遺産」制作のための3DCGの一部始終』後藤 克典
13:35~14:10 『動画映像の3次元化技術とその応用』 鶴瀬 隆一郎 (岩根研究所)
14:10~14:45 『3次元リアルタイムVR、UC-win/Road』 伊藤 裕二 (フォーラムエイト)
14:45~15:00 休憩/展示・デモ
【最新3Dハード】
15:00~15:35 『360度立体映像システム Cheoptics(キオプティクス)360XL』大河原 尚隆 (丸紅ソリューション)
15:35~16:10 『ポータブル3Dプロジェクタ“DepthQ”』河村 英之 (日商エレクトリニクス)
16:10~16:45 『モニター用ステレオスコープ“HOLOBLADE”』 松本 和実 (ヒットデザイン)
16:45~17:20 『デジカメで3D撮影を!』 佐藤晶司
【最新海外情報】
17:20~17:55 『最近の米国の動向:NAB Digital Cinema Summitに参加して』 大口 孝之 (映像クリエータ/ジャーナリスト)
17:55~18:30 展示・デモ
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www.hi.is.uec.ac.jp/3Dforum/にて本プログラムが掲載されていますので、関係者にもご紹介頂ければ幸甚です。
また貴サイトにてリンクを張って頂けますよう宜しくお願い致します。
『三次元映像のフォーラム』 事務局: 羽倉弘之 (hagura@hyper.ocn.ne.jp)
【新刊紹介】
1.「ホログラフィー材料・応用便覧」エヌ・ティー・エス
http://www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/buturi/20070611_34.html
本書は、ホログラフィー応用技術と材料とを簡潔に整理し,技術者および研究者そして一般の学生が両者のつながりを理解でき,
ホログラフィーに興味を深め身近に考えられる契機となること、ホログラフィー技術を応用して新しい分野を切り開こうとする研究開発者・技術者、
ホログラフィーを実現するための材料の研究開発者・技術者両者ををつなぐことにより,技術発展に寄与すること、そして、
ホログラフィー技術とその材料を関連づけ,本書を通じてホログラフィーの幅広い可能性を広く知らしめることを主な目的として刊行された書である。
監修:辻内 順平 東京工業大学名誉教授 編集委員長:久保田敏弘
編集委員:岩田藤郎、植田健治(大日本印刷)、佐藤甲癸(湘南工科大学)、羽倉弘之(東京大学)、
橋本信幸(シチズン)、吉川浩(日本大学)、執筆者他36名
2.「3次元映像ハンドブック」朝倉書店
http://www.asakura.co.jp/G_12.php?isbn=ISBN4-254-20121-4
尾上守夫・池内克史・羽倉弘之編著 執筆者他53名
3次元映像は各種性能の向上により応用分野で急速な実用化が進んでいる。本書はべストメンバーの執筆者による,3次元映像に関心のある
学生・研究者・技術者に向けた座右の書。〔内容〕3次元映像の歩み/3次元映像の入出力(センサ,デバイス,幾何学的処理,光学的処理,
モデリング,ホログラフィ,VR,AR,人工生命)/広がる3次元映像の世界(MRI,ホログラム,映画,ゲーム,インターネット,文化遺産)/
人間の感覚としての3次元映像(視覚知覚,3次元錯視,感性情報工学)
投稿: 羽倉 弘之 | 2007.05.29 19:14
小野マトペさん、はじめまして。
いろいろと情報、ありがとうございます。
「立体Expo」の記事、面白いですね。デジタルモーション㈱の2D-3D変換技術というのが、In-Three Dimensionalizationとどう違うのか/違わないのか、知りたいところですね。2社ともアルゴリズムが全く書いていないので、残念。
でもURLを書いていただいた『家なき子』の「ステレオクローム方式」と考え方は同様で、たぶんパンの速度で距離を認識するということなのでしょうね。あとはデジタル処理の進化でそれをステレオ画像変換に使用できるようになったということではないでしょうか。『家なき子』のは当時面白い技術だと、眼を皿のようにして観てました。メガネもどこかでもらった記憶。自分で8mmビデオでパンの多い映像(実景)を撮ってきてそのメガネで見ると、ちゃんと立体感が出ていました。
あと、松下電工が展示していた「距離画像センサ EKL3101」というのも可能性が無限にありそうですね(3Dマニア的に(^^;))。これ、今度、記事にさせてもらいます(^^;)。
マトペさんの作られた「平面男」、拝見しました。今はデジタルでこういう合成もやれちゃうわけですね。ビルの屋上からの俯瞰とか、対決シーンのスピード感とか、とてもいいですね。
今後ともよろしくお願いします。
投稿: BP | 2005.12.24 07:22
はじめまして。
世界のトップ監督がここまで絶賛する立体技術となると、観てみたいですね。
もうご存知かもしれませんが、こちら(http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0512/08/news058.html)
でアニメの立体視化が実験されていたみたいです。これでAKIRAやスプリガンなどの空間を活かしたアニメを観てみたいですね。
でも、一番観たいのはAvalonのレイヤー爆発だったりします(笑)。
立体アニメといえば、ちょっと違う気がしますがこんなものも。
http://www.tms-e.com/library/tokushu/ienakiko/index04.html
自分はまったく知らずに再放送を見てしまったので、やけにパンばかり使うアニメだなあといぶかしんでしまいました。
投稿: 小野マトペ | 2005.12.22 04:29