■『怪獣のあけぼの』造形家・高山良策を追った実相寺昭雄監修番組
『怪獣のあけぼの』 (ナゴヤ エレキング ブログさん経由)
(SF研つながりのエレキングさん、ご無沙汰してます。)
USENのGYAOでこんな番組が放映されているのですね。全12回。毎週土曜正午新作一本更新。一週間に過去のは三本づつしか観えないので見逃さないようにしないと、、、。今週は第7回「地求人は宇宙の敵」。過去の分は、第4回 「怪獣無法地帯」 第5回 「宇宙人襲来」 第6回 「怪獣日記」が観えます。クレジットの「協力」に池田憲章氏の名前もあります。
ウルトラ怪獣の産みの親、造形家・高山良策を追った実相寺昭雄監修による番組である。全12回(1回20分)の内容はかなり濃い。ウルトラに関わった監督・脚本家・制作者をはじめとする関係者や評論家へのインタビューを中心に、貴重な映像がたっぷり見ることが出来る。
僕は第6回を観ましたが、ガッツ星人が型からはずされるシーンの8mmフィルム映像とか、高山氏の家の8mm、庭での怪獣の映像とか、ホームムービーの貴重な映像が満載でファンには堪らないものがあります。『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のなんか手作りな特撮には、こうしたちゃぶ台の横で作られた感覚が息づいてんですね。
製作過程について、高山氏の日記(1966年のメモと絵)で克明に語られる。『ウルトラセブン』の池谷仙克氏デザイン+高山良策氏の造形(工房アトリエ・メイ)。人間がどうぬいぐるみの中に入るか中身の絵とか興味深い。
当時の怪獣制作関係者は、この方々のように前衛芸術家だったりするのですね。我々世代の美術感覚はこうしたところから、形作られているんでしょう。どうして円谷プロがそうした人に任せたのか、寡聞にして知りませんが、なんか感謝。
あと飯島監督が語るきぐるみ特撮の危うさの感覚とか、現場からのメッセージとして面白い。確かに後年は糸が見えないかとか、ハラハラして観た記憶もありますね。
僕は物心付いた時に一番鮮明に印象に残っているのが『ウルトラセブン』なので、当時放映前に紹介の特集が載っていた『ぼくらマガジン』(?)とかの誌面の手触りまで懐かしく思い出してしまいます。自分のセンス・オブ・ワンダーの原点にこれらの映像があったりするわけですが、この番組ってその原点の舞台裏をみせてくれるので、どっか怖いものみたさの感覚もありますね。
◆蛇足
GYAOってはじめて観たけれど、CM部分を飛ばせないようになっている。TV録画で観る時にCM飛ばしが一般的になってるので、これはもしかしたら宣伝としてはTVより良いかも。今後、勢力を伸ばしそうですね。
◆関連リンク
・高山良策氏の前衛絵画
・Art Yuranさんの2001年練馬区立美術館「高山良策の世界展」記事
練馬区立美術館の高山作品の所蔵品リスト
・amazonで「高山良策」を検索すると、斎藤 環『フレーム憑き―視ることと症候』のなか見!検索で記述が読めます。
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コメント
特撮ベーシストさん、はじめまして。
コメントとトラックバック、ありがとうございます。
東宝のスタジオの写真等、貴重な映像を載せられていて、楽しく拝見しています。
今後とも、よろしくお願いします。
投稿: BP | 2005.12.18 21:50
「怪獣オタ日記」のmomoです。
興味深いブログですね。
私のページに、(初の!)トラック・バックありがとうございました。よろしかったら、BBSかコメントにも書き込みして下さい。
今後ともよろしくお願いいたします。敬具。
投稿: 特撮ベーシスト | 2005.12.17 17:40