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2006.01.18

■NHK BS-hi 『サイボーグ革命 人間とロボットの融合』

サイボーグ革命 ロボットと人間の融合

1月18日(水)20:00~21:50/衛星ハイビジョン
1月21日(土)21:00~22:50/衛星第二
ロボット技術とサイボーグ技術。人間が操作できるロボット技術として、「考えることで動かせる」サイボーグ技術は、究極のヒューマンインターフェース技術と言うことができる。ロボット技術はどこへ向かい、人間はどこへ行くのか。その最前線と未来を伝える。健常者がチップを埋めこみ、人類初の「サイボーグ」になったというケビン・ウォーウィック教授のサイボーグ実験など、未来の文明論も登場する。

 立花隆氏の<サイボーグ>関係のドキュメンタリー。以前放映された「”サイボーグ医療の時代”」(◆関連リンク参照)を観てなかったので、今回が初。(しかも残念ながら後半しか観てません)

 脊椎を損傷された方が脳から直接電極を出してコンピュータを操作するシーンから観始めた。こういう技術の映像はネットでちょこちょこ観ていたけれど、ハイビジョンの解像度によるリアリティがなかなか衝撃的。
 その他、夫妻で電極を腕に埋めコミュニケーションしているケビン・ワーウィック博士とか、指令どおりに無線と電極で動くロボットラットとか、米国防総省のDARPAによる無人ロボット兵器との脳-機械インターフェースだとかの紹介がされた。
 スタジオでは筑波大のパワードスーツ開発者の山海教授とATRの川人光男氏が脳インターフェースについて技術的哲学的倫理的(ニューロエミックス)に立花氏と語っていた。

 総じてSFの想像してきた範囲(ジョン・ヴァーリー、ブルース・スターリングや士郎正宗『攻殻機動隊』を思い出す)に全て入っていて、概念や哲学自体はそれほど新味はない。ただそれが現実の映像として提示されていたり、スタジオでそんなSFをまじめに現在の世界の問題として語っていたりすることは、なかなかのインパクト。既にここまで現代がSFの未来に追いついてきたのか、という感慨。

 あと印象的だったのが、2点。

・川人光男氏発言。アメリカが政府主導で主に軍事領域で侵襲型(物理的に差し込むタイプ)の脳インターフェースをやっているのに対して(予算数百億ドル(!))、日本は民生目的の非侵襲脳活動計測技術(電極を差し込まないでfMRI等で非接触にとらえるタイプ)を進めていく、というコンセプト。これ、なかなか象徴的ですね。僕はその技術が安全なら、脳にプラグインするのもやぶさかではありませんが(それで究極の映像体験ができるなら(^^;))、できればヘッドギアをかぶるぐらいですませたいので、是非、アメリカに先行してほしいと思ってしまった。

・ミグエル・ニコレリス教授発言。ロボットから脳への情報伝達を研究。ロボットの感覚を人間にインターフェイスすることで、いずれ火星へロボットを送り込んで、火星表面を体感したい、とコメント。こういう使い方も是非体験したいものです。脳インターフェースを使ったテレイグジスタンスですね。アールキューブ構想に近いコンセプト。高臨場感のヴァーチャルリアリティ機器で体感させるか、プラグインするかの違いです。立花隆は以前はアールキューブ構想が次代の産業として期待できるといっていたけれど、今回それとの関連はコメントなし。すっかりサイボーグビジネスがロボット産業のビジネスモデルだという認識に代わっているようです。

◆関連リンク
・紹介された関係技術のHPへのリンク集を作ろうと思ったら、既に立花隆氏ご本人のサイト「SCI」にて、立花隆の解説文 関連リンク というのがありました。たいへん興味深いです。
・NHKスペシャル「立花隆が探る”サイボーグ医療の時代”」
 再放送 1月19日(木)20:00~21:50/衛星ハイビジョン 
 ハイビジョン特集 立花隆が語る “サイボーグ”の時代 2本まとめて放送。
  第一回 人体と機械の融合 第二回 脳をどこまで変えるのか
・この番組のリンク集
  1章 脳の信号を利用するサイボーグ技術
  2章 脳は機械に合わせて進化する
  3章  脳が機械で調整される
  4章  脳が全ての機械と直結した
NHKスペシャル補遺
・「東大の産学共同研究センターで人間サイボーグの実験台に立つ
 (shamonさんの「ひねもすのたりの日々」経由)
 立花隆が手に電極をさして自ら実験したレポート。この実感からテレイグジスタンスはリアルに可能だと想像できます。僕も体感してみたい。

 人間の言葉はすべて日常感覚の世界のために作られているのだということがよくわかる。いままでの日常生活で体験したことがない感覚におそわれたとき、人間は言葉を失うのである。(略)
 受容野を刺激すると電気信号が生じる部位に、逆に電極から電気信号を入れてやると、受容野のあたりを触覚刺激されたような感覚が生まれるのである。これが人工触覚の基礎原理なのである。(略)
 突然、手先から腕の肘あたりまでの裏側を人の手で大きくなであげられたような、驚くほどリアルな速い動きをともなった肉体感覚(皮膚感覚)がして。(略)

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コメント

 ノースさん、はじめまして。

>>一風変わった脳内構造のホームページがあるのですが、よろしければ、ご批評願えないでしょうか?

 さきほど拝見しました。イラストとアニメーションで独自の説を展開されていて、とても興味深いですね。
 まだ全体を拝見できていません。時間ができたら、じっくり見せていただきたいと思っています。

 今後ともよろしくお願いします。

投稿: BP | 2007.07.21 20:55

一風変わった脳内構造のホームページがあるのですが、よろしければ、ご批評願えないでしょうか?

投稿: ノース | 2007.07.20 13:10

こんばんは~。

> 「2ndGIG総集編」のレビュウの続き、楽しみにしてます。

ようやくブログにアップしました(^^;。長いですがご容赦を~。

投稿: shamon | 2006.02.02 23:41

 shamonさん、こんばんは。
 土日にちょっとした旅行に出てて返事遅れました。

 「2ndGIG総集編」のレビュウの続き、楽しみにしてます。野良犬の塒さんもレビュウされていますが、今回、結構大胆なストーリー運びなんですね。

 NHKスペシャルについてもどんなことが書かれているか、「ひねもすのたりの日々」で紹介いただけると嬉しいです。

投稿: BP | 2006.01.30 23:35

こんばんは^^。

今日届いた「2ndGIG総集編」添付リーフレットにてこの番組のことが触れられています。本編は今鑑賞中。

投稿: shamon | 2006.01.26 20:32

 shamonさん、おはようございます。コメント、ありがとうございます。

 shamonさんの記事にリンク、貼らせていただきました。立花隆は本当にこういうの好きですね。
 このリンク先のレポート、ラストの結論は笑ってしまいました。やはり人間って、感覚の刺激ということではこういう想像へ行ってしまうのですね、立花氏でも。
 産業としての開花は、やはりこういう用途から、、、ビデオと同じですね。
 でも本当はこの技術ってそうしたレベルのものでなく、番組でも語っていたように人間の認識域の拡大という哲学的テーマへ到達するもののはずですね。SFがおこなってきたそうした分野でのシミュレーションっていろいろありますが、それが現実化した時に、たぶん作家の想像を超える事態が当然登場するはずで、その奇想天外なシーンをニュース番組で観てみたいと思うのは僕だけではないはず。
 軍事利用については、アメリカってとことん馬鹿という感想しかないですが、、、感覚の変容という点では僕は生きているうちにこの技術を体感したいという思いが強い。こっちも負けずに馬鹿(^^;)。

投稿: BP | 2006.01.21 09:46

こんばんは、BPさん。TBありがとうございました。

本放送の際に見ましたが、今思い出しても背筋が寒くなるような内容でした。
ここまで進んでる、そしてここまでやっていいの?と。
清水玲子さんの「秘密-トップ・シークレット-」でも「うっ(・・;)。」と思いましたが、それ以上の衝撃でした。
#「秘密」についてはそのうちエントリします。

アメリカではかなり力を入れてるとのこと。あの国のことだから正直怖いです。
サイボーグを軍事に、ってまんま「サイボーグ009」じゃあるまいし^^;。

スターウォーズの公開時、「もうSFは”Science Fiction”じゃなくて”Science Fact"だ。」とおっしゃった方がいました。
ここ十数年のコンピューターの進化はまさにそう。技術の進歩は歓迎しますが、人間がその舵取りを間違えないことを祈ってます。

投稿: shamon | 2006.01.19 21:35

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