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2006.01.14

■山田太一脚本・堀川とんこう演出 『やがて来る日のために』

2005年5月6日(金) 21:00~22:52
フジテレビ スタッフリスト

花山美代(市原悦子)は、訪問看護師として、死を間近に意識した患者たちの自宅療養を支えている。一度倒れて以来、妻が口を聞いてくれなくなったと愚痴る野口重昭(神山繁)。商売が軌道にのったからと手術を拒否して自宅療養を続ける今泉典子(吉田日出子)。そして18歳の秋月恵美(上野樹里)は、どうしても、かつて住んでいた街に行ってみたいと言う。誰もがいつ訪れるかも知れない、間近に迫った死をみつめながらそれでも懸命に生きている。そんな中、美代と同じ看護師の由紀(星野真里)の妊娠が発覚した。

「やがて来る日のために」
――訪問看護ドラマ化の舞台裏(週刊医学界新聞)

山田 どうしても年をとってくると自宅の空気というのは,過去の塊でしょう。汚れやシミも,雨戸のきしみも,細かく私を支えてくれています。その過去から離れて白い壁の病院に行き,そこで死ななければならないというのは,相当さびしいことですね。過去なんかに拘らない人もいるでしょうけれど,おおむねは過去に取り囲まれていたいと思うのではないでしょうか。僕なんかは,自宅の音,気配,他人との距離,本や絵のあるところで死にたいと思いますね。

 元旦に何故か観たのが、録画してあったこの在宅医療のドラマ。何を好き好んで元旦に死がテーマのドラマを観てんでしょうね>>自分。(この、へそまがり)
 訪問看護というものがあるのも実は知らずに観て、まずへぇーって感じでした。家政婦で有名な市原悦子のここでは抑えた演技がなかなか。「訪問」といえば「家政婦」を自然にイメージさせてしまう市原悦子を、180度違う役へ持っていって成功させてしまうところは山田太一のへそまがり度を示すものではないでしょうか。

 死期をまじかにした3人の登場人物の各エピソードが並行して描かれているのですが、一番は上野樹里が主人公の話。
 うえのあらすじにもあるように、死を悟った秋月恵美が最後の希望として挙げたのが、通っていた学校と駅とその近所のコンビニに行くこと。ただそれだけ。
 最近流行の悲劇ドラマ(『世界の中心で、愛をさけぶ』等)の主人公たちが恋愛を中心エピソードにしているのに対して、この主人公の望んだもののちっぽけさを考えると、ただただ泣けてしまいます。山田太一が述べる「過去の塊」、これが当たり前のコンビニで描写される、、、この深さ。ただのコンビニの映像に、グッときてしまいました。山田太一のアンチ恋愛悲劇のへそまがりの手腕にやられたわけです。

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コメント

 あきりんごさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます。古いネタですみません。半年ほど録画の山に眠らせていました。

>>きっとまた上野樹里ちゃんに泣かされてしまうんでしょうね。

 このドラマ、本当に泣けますね。柄にもなく正月から目頭を熱くしてしまいました。

 ネットでこのドラマについて検索すると、山田太一ファンの書き込みはほとんどなくて、だいたい堺雅人ファンの方のブログでした。僕も『新選組!』の山南敬助役はファンでした。シリーズ化は無理にしてももう少し黒川医師の活躍も観てみたいですよね。

 今後ともよろしくお願いします。

投稿: BP | 2006.01.15 22:09

はじめまして、TBありがとうございます。

あのドラマは保存版にしてあるので、今回トラバされたのを機に、また見直してみようかな~と思いました。
きっとまた上野樹里ちゃんに泣かされてしまうんでしょうね。

投稿: あきりんご | 2006.01.15 00:23

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