■爆笑問題のススメ 「古川日出男 想像散歩のススメ」
当地方では2/15(水)深夜に放映。しっかり観ました。まずは太田光が興奮しながら「日本の表現をリードする」作家として古川を紹介。(絶賛のし過ぎ?いつもこんななのかな、この番組)
そして番組のサブタイトルは、「古川日出男 想像散歩のススメ」。人から「あなたは想像をしながら歩いている。妄想の中を歩いている」と言われる古川の散歩を、番組がロケして、どんな風に街に触発されて作家の想像力が爆発(?)するかを映し出していた。
一番印象的だったのは、その想像の中身よりも、歩きながら自分の頭の中を語る古川のマシンガントーク(○C真鍋かをり)。スタジオでの発言もハイテンションで留まるところを知らないって感じ。もう少し落ち着いたイメージかと思っていたけれど、最近の作品のイメージに近く、ポップに、はじけた方でした。(あと極個人的に著者近影のイメージと違い動く古川日出男が同僚の某O君とそっくりで吃驚。他人にはわからなくてすみません。これでいつでも贋古川日出男が撮れる(^^;))
◆以下 名言集:採録というか趣旨のメモ。テンションの高さを感じてください。
・(高速道路の高架下の秘密のスペースを語ったシーンで)
家出したら絶対ここに住む。いろんな場所へ向けて走っていく車の下で、誰にも見つからず俺は寝てるぜ。こんな凄い秘密の場所をみんなに教えていいのかと、心臓バクバク。(本当に無邪気に大興奮してました)
・部屋にこもって書いていると(テンションが)落ちてくる。そこで散歩をすると書きたくなる気持ちが盛り上がってくる。仕事して疲れきった野良猫が散歩で、猿になり、二足歩行になり、ボンボン、頭、回転してきて、人間になって仕事場に帰ってくる。
・(公園のミッキーマウス型すべり台を見て)
すべり台戦争ってネタ。(ふたつあるすべり台の)こっちをすべらないと世の中悪くなる。そこから始まって、いずれ文京区を巻き込んだ一大戦争になる。
・東京から話の種を蒔いてもらってます。僕は蒔かれている土です。
・(アイディアは)おれはふつふつとは沸いてこない。ドバー、とか、ピャーとか出てきますね。
・目の前にいっぱい選択肢があるってことを実際身をもって誰でも知れる。散歩に出ちゃうと、迷う。磁石はない。その人生がいいっね。
◆蛇足
街の見方、ということで僕が思いだすのは、大友克洋の街の描写。
古川の見方とは随分違うのだけれど、大友の漫画を読んだ後に、あの精密な街の描写を可能にする漫画家の観察の仕方はどのようなものなのか、と想像しながら街を歩いてみる。
きっと大友の場合、街のディテイルをみるのが好きでたまらないのではないか。細部をじっと楽しんで見つめることだけからはじめてみえてくる街の面白さ。街のディテイルを作家が発見しながら、それを記憶して絵を起こしているのが大友リアリズムの正体と想像してます。
さあ、明日は古川の視点で街を歩いてみよう。そこから見えてくるのは、古川作品のコア、かもしれない。
◆関連リンク
・今までに登場した人のリストを見ると、なんとテリー・ギリアムも。これは観たかった!
・爆笑問題のススメ 古川日出男サイン本プレゼント
締切りは、2月27日。メールやウェブ(このリンク)からも申し込めます。、、、ってこんなところに書いて、ライバルを増やしてどうする!?>>自分。
・当Blog記事 『爆笑問題のススメ』 古川日出男の巻 『ロックンロール七部作』 『ボディ・アンド・ソウル』 『ベルカ吠えないのか』 『LOVE』
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コメント
fufuさん、はじめまして、こんばんは。
>>古川さんの「会社に行きたくないから家にいる、なんて単純過ぎる。行きたくないから
>>会社まで歩いてみる、とか選択肢はいろいろあるんだ~」という強引な語り口に引き
>>込まれました。
行きたくないのに会社に(歩いて)行くという強引な発想にはインパクトを受けますね。ほんと強引(^^;)。でもこの発想の切り替えから元気が涌いてくる、というのは何となくわかってしまう。
>>落ち込んだ時は散歩に行く、という選択肢が自分の中で生まれたことが新たな発見
>>でした。
古川流の妄想散歩はいいですね。最近、重い仕事で会社への道のりがつらい時は、無理やり古川流妄想を脳内で展開させようとしていますが、たいがい仕事に占拠されてうまく行きません。
達人の域にはとうてい達しません。もっと古川作品に浸かって、想像散歩力を付けねば(^^;)。
投稿: BP | 2006.03.14 00:17
はじめまして。番組の途中から見たので、全体の内容を紹介している所を調べているうちに辿り着きました。古川さんの「会社に行きたくないから家にいる、なんて単純過ぎる。行きたくないから会社まで歩いてみる、とか選択肢はいろいろあるんだ~」という強引な語り口に引き込まれました。落ち込んだ時は散歩に行く、という選択肢が自分の中で生まれたことが新たな発見でした。
投稿: fufu | 2006.03.12 00:29