■次世代DVD(Blu-ray,HD DVD) v.s. ハードディスク
PC処世術 - 雑感:次世代DVDの規格争いはビデオテープの再現か
テラバイト級HDDが安価に売られ、PCへの搭載が常識となる頃のことだ。その時代における30~50GBのメディアのインパクトというのはどんなものだろうか。それは、かつてHDDが1GB程度だった頃のフロプティカルディスクとMD-DATAの中間くらいの容量に相当する。
興味深い定量的な分析をされている「PC処世術」さんのサイトを読みながら、次世代ハイビジョン光ディスクについて考えていたのですが、以下グラフで分析してみました。
僕が次世代DVDを買うとしたら、それはPCで録画したハイビジョン番組をメディアにムーブして保存するか、ハイビジョンハンディカムで撮ったHDムービを保存する用途だ。動画以外にこれだけの大容量メディアを必要とする用途は存在しない。
んで、当然対抗馬はハードディスクになるわけで、その比較をしてみた。
まず最近のハードディスクと次世代DVD(データ記録用)の比較。それぞれの値段はグラフに記した。
なんと今の値段ではハードディスクが安くって、ハイビジョン映画(25GB/本と仮定)を何本保存しようが、ついぞランニングコストは逆転しない。もし仮にハードディスクの方が耐久性が心配で(プロテクトの関係で可能かどうかはわからないが)、常に2台にバックアップしたとしても92本以上の映画を残さないと逆転しない。
ではそれぞれの価格が安くなる2010年を想定しよう。
ハードディスクのコスト低減は劇的だ。1994年から比べると、およそ10年で3桁値段が下がっている。上左のグラフは縦軸がLOGスケールなのだけれど、ほぼ直線近似で低下している。少し最近落ち方がゆるくなっているので、2010年を甘めに30円/GBとする。
で、次世代光ディスクをハード5万円、ディスク500円(20円/GB)と仮定する。
結局これでも約200本まで逆転しない。バックアップをとるとして42本でやっと逆転である。(次世代光ディスクの値段の仮定が高すぎるかも。)
次世代光ディスクメーカは、目先の自分の利益だけ考えて、ユーザ無視で方式の統合を決別したけど、そんなうちわもめをしている場合でなく、ハードディスクにどう勝っていくかをいっしょに考えないといけなかったのでは?
オーディオと同じくMDがいつの間にか駆逐されたように、ビジュアルもHDの時代へ移行してしまうのではないか。
とにかく我々ユーザは、それぞれの価格を見ながら、買い時を狙いましょう。
■参考データ
・HD値段推移 スタパ斎藤氏のコラム(ハードディスク総合サイト)より
・価格.com 250GB外付けハードディスク価格 最安 約12000円
・ITmedia D Shopping:HD DVD/Blu-ray Discメディア 価格 最安 約1500円
■関連リンク
・PC処世術 - ハードディスク [HDD] コストパフォーマンス 市販されているHDDの賞味期限
・当Blog記事 CeBIT 2006他 ハイビジョン光ディスク関係リンク
AV Watch次世代DVD関連
・Blu-rayドライブをAV的に活用してみる
・エプソンダイレクト、Blu-rayドライブが選択可能なPC
・ロジテック、PC用内蔵/外付けBlu-rayドライブ4モデル
・アイ・オー、PC用内蔵/外付けBlu-rayドライブ2機種
・松下、PC用Blu-ray Discドライブを6月10日発売
・TDK、ベアタイプの記録型Blu-ray Discを発売
・Blu-ray/HD DVDソフト 発売日一覧
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コメント
もとさん、はじめまして。
>>私のBlogを見ていただければ判るのですが、放送用ストリームはゴミが満載です。
>>(CMはもちろん;-) 文字多重放送等のデータは結構ばかにならない)
>>これをカットすれば、民放(1440×1080コンテンツ)であれば45分はモー
>>ションメニュー込みでDVD5(4.7GB)メディア1枚に収録可能です。
その手がありましたか。Blog拝見しました。現行DVDに入れてしまうんですね!!
ただ残念ながら、この手法がとれるのは、コピーワンス適用以前のHD番組だけなのですね。私はハイビジョン用のREC-POTを買ったのが、コピーワンスになってからなので、ハードディスクを占有させておくしかないようです、、、。
投稿: BP | 2006.06.04 22:41
こんばんは
ハイビジョン・コンテンツをデジタルtoデジタルで処理してHD-DVD化する実験を行ってます。
私のBlogを見ていただければ判るのですが、放送用ストリームはゴミが満載です。
(CMはもちろん;-) 文字多重放送等のデータは結構ばかにならない)
これをカットすれば、民放(1440×1080コンテンツ)であれば45分はモーションメニュー込みでDVD5(4.7GB)メディア1枚に収録可能です。
(NHK-hiやWOWOWでは35分程度)
これはHD-DVD9という仕様なのですが東芝のHD-DVDプレーヤーで再生可能です。(そのまま掛かる!)
再エンコードの必要はないので虚しいエンコード時間が掛からないのが最大のメリットです。
HDDベースだとPC上の再生に限定されるのが最大のデメリットではないでしょうか?
また、今やDVDは40円/枚を切る最もビット単価の安いメディアである事が最大のポイントです。
投稿: もと | 2006.06.03 20:52
なっぱくん、ご無沙汰です。
このネタ、無駄に労力をかけて作ったので、コメント、感謝です(^^;)。
>>ハイヴィジョンキャプチャーボード PC3を購入してPCにハイヴィジョン映像を保存する予定です。
>>(5/28PM9:00の予約受付でGETできれば)
これって、アースソフトのPV3のことだよね?
やはりこういう飛び道具に頼らないといけないのかな?でもディジタル→ディジタルでなく、このボードのようにディジタル→アナログ→ディジタルで録画した時って、画質はどうなんでしょ?
ピクセラの自デジパソコン「PIX-DP010-PW0」とかの方が無難な気はしますが、、、。でもパソコンごと買うのは予算がかさみますね。
投稿: BP | 2006.05.23 00:07
おっしゃる通りハードディスクに保存するのが良いと思います。現在は、DVDデータだけですが、ハイヴィジョンキャプチャーボード PC3を購入してPCにハイヴィジョン映像を保存する予定です。(5/28PM9:00の予約受付でGETできれば)
投稿: なっぱ | 2006.05.22 16:50