■メタ・マテリアルによる透明マント
Meta-Material Invisible mantle
光学迷彩:Optical Camouflageでは東大の舘研が有名ですが、こんなニュースがありました。(右図はこのニュースそのものの図ではありません。最下段の理研の「負の屈折率」説明図より引用)
◆CNN.co.jp : ハリポタの「透明マント」、理論上は可能と 英米研究者 ? - サイエンス
電磁波の方向を変えることができる人工的につくり出された素材、「メタマテリアル:Meta-Material」を使った理論。ペンドリー教授によると、可視光線を含む電磁波を自由自在に操る素材が実現できれば、その素材を使って、ハリーが持つような透明マントも可能になるという。 (略)電磁波の中でも波長の短いマイクロ波を操作する初期段階の素材は、約2年以内に開発されるのではないか、と述べている。
『サイエンス』のページでは有料で登録しないと記事の情報が読めません。(PHYSICS: High-Tech Materials Could Render Objects Invisible -- Cho 312 (5777): 1120a -- Science)
そこで、「メタマテリアル:Meta-Material」で検索したら、出てきました。
◆理研ナノフォトニクスシンポジウム
このジョン・ペンドリー教授は日本へも講演に来たことがあるみたい。ナノフォトニクスってなんかかっこいいぞ。
計測自動制御学会第10回センシングフォトニクス部会講演会
RIKEN Symposium 2003 左手系マテリアルとナノフォトニクス
1999年~2000 年に英国 Imperial College の J. B. Pendry 氏は、負屈折率(左手系)媒質の実現のために必要となる負透磁率を示す媒質の実現可能な構造と、負屈折率媒質が近接場光を含む完全像形成 (perfect lens) を行える可能性の提案を行った。
◆Imperial College インペリアル・カレッジの公式HP
ついに教授の言葉がありました。記事では子供受けを狙って、ハリー・ポッターを引き合いに出していますが、こちらはブラックホール。
What this device would really do is a bit like making a black hole" said Sir John,"There would be no communication between the object that is cloaked and the outside world." (この装置が実現することはブラックホールを作るのに少し似ている。着ていられる物と外の世界の間には、どんなコミュニケーションもないでしょう)
こっちの方が数段かっこいい。究極のディスコミュニケーション。
透明人間って、とっても孤独なんですよね。
この技術って、イメージ的にはナノテクを使った新素材(ファイバーみたいなもの?)で、身にまとった衣服表面で光をまげて、後ろの光景を前に投影することで、光学迷彩を実現しているということでしょうか。舘研の前面からのプロジェクタによる投影とはずいぶん違います。
衣類単独で成立させられるところはこちらの方が凄い。
この原理のものは、たしかバリントン・ベイリーの何かの長編に出てきたような気がします。あれ、なんだっけ??
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