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2006.06.20

■フロリアン・クラール個展
  「ソラリス-セカンド・チャンバー」Solaris

S o l a r i s

フロリアン・クラール「ソラリス-セカンド・チャンバー」
6つの主題によるチャンバーオペラより~情景その2
会期 :2006年6月16日(金)~2006年7月14日(土)
会場 :ヴァイスフェルト(レントゲンヴェルケ)
住所 :東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3F
tel / fax :03-3475-0166
ホームページ:http://www.roentgenwerke.com

<展覧会概要>
フロリアン・クラールは、1968年ドイツに生まれ、94年にシュトゥットガルト国立芸術大学大学院を卒業後、武蔵野美術大学の研究員として来日。一時渡米し、数年間メディアアートと彫刻を教えた後再来日。現在は神奈川県にアトリエを構えて活動をしています。
91年以降国内外で数多くの展覧会に参加し、また多数のパブリックアートも手がけてきました。
数学や音楽を制作の根幹に置くクラールは、幾何学的なパターンで構築される彫刻作品で知られ、その技術や思想は、常に注目を集めています。
今回ヴァイスフェルトでは、2002年以来の、久々の個展を開催致します。
展覧会のタイトルである「ソラリス:セカンド・チャンバー」はスタニスワフ・レムのSF小説「ソラリス」にインスピレーションを得て、その概念を導入した作品で、2001年に福岡の三菱地所アルティアムで開催された「'Solaris' a chamberopera」の中で展開されたインスタレーション作品の一部をリメイクしたものです。
自己に眠る記憶や想像といった、無意識が引き起こす、夢想の現実。事象と心象の相互作用。物質と非物質の融合。浮遊する感覚は、内と外の境界線を超越し、規則性を持つ混乱へ、自己の中核へと導かれ…クラールは、美しい独自の公式と、時間を経て変化し続ける彼自身の記憶とに従って、システムを作るようにその世界観を作り出します。暗闇となったギャラリーの空間には、小さな街灯の灯る人工都市が出現します。リズミカルな灯りが照らす、無限のループは、我々に遠い未来の記憶を沸き起こすかのようです。

展覧会初日の6月16日(金)午後7時よりアーティストを囲みましてのオープニングパーティを開催致します。ご多忙とは存じますが、万障お繰り合わせの上、是非ともの御来廊を心よりお待ち申し上げます。

 先ごろ亡くなった巨星スタニスワフ・レム(当Blog関連記事)の『ソラリスの陽のもとに』にインスパイアされた美術展。上記の告知は、mixiのスタニスワフ・レムのコミュニティからの転載(告知された画廊の関係者の方の許可を得て転載)。
 画廊ヴァイスフェルト(レントゲンヴェルケ)の公式HPで宇宙ステーションのエアドックらしき、素晴らしい雰囲気の画像が観えます。

 『ソラリス』と言えば、人間に不可知な存在としての異星生命体を描いたSFなわけで、そのレムの意図がどのように美術作品として昇華されているかが、大きな興味をひきます。

 今、ちょうどレムの『高い城・文学エッセイ』を読んでいるところなのですが、レムの先鋭的な言説に溢れていて素晴らしい。その中のエッセイ(というより評論)の幾つかで触れられているのが、異星生物とのコンタクトについて。
 「メタ・ファンタジア-あるいは未だ見ぬSFのかたち」「H・G・ウェルズ『宇宙戦争』論」、「A&B・ストルガツキー『ストーカー』論」という三本の中の記述で、『ソラリス』を描く時にレムがイマジネーションしていた思弁の一端に触れられる。異質な知的生命の意識へと想いをはせたレムの思索にこの美術展の作品がどういうアプローチで迫っているのか、非常に興味深い。
 遠方で観に行けないので(いつもこれで、全く歯がゆい(^^;))、2001年三菱地所アルティアムで開催された「'Solaris' a chamberopera」について、情報検索してみました。

・'Solaris' a chamberopera 12/08/2001
 フローリアン・クラール個展 -ソラリス-6つのパートからなる室内歌劇
 solaris a chamberopera in 6 parts by Florian Claar
 November 23- December 16, 2001@三菱地所アルティアム

電脳猫屋敷ホームさんの 音楽日記

(略)インスタレーション作品はもちろん素晴らしいものだった。6つの部屋が繋がっている一番奥は、立体物(映画の方の「ソラリス」のラストシーンをどうしても思い浮かべてしまうような)へ、計算されつくしたCGアニメーションを投影した作品だった。全体を眺めていると、アニメーションはとてもゆっくりとした変化として見える。それをしばらく眺め、前の部屋へ移動した。一番奥の部屋との間には小さな覗き窓がある。その覗き窓から見るCGアニメーションは、非常なスピード感をもって変化していた。(略)

◆関連リンク その他Florianclaarフロリアン・クラール氏関連
 SFチックなイメージの作品を作られているようです。これ、観てもやはりワクワク。
Florian Claar - Germany(韓国での展示会。右写真)
金沢21世紀美術館”
 第1回:“アリナのためのクランクフェルト・ナンバー3”(フローリアン・クラール)の巻

Florian CLAAR フローリアン・クラール

1991 ギャラリー・キンター、ゲラットシュテテン/ドイツ
1998 INAXギャラリー、東京
2000 "Ferelich und sehr langsam"、レントゲンクンストラウム、東京
2001 "Sinfonia Antarctica and two other movements"、レントゲンクンスト ラウム、東京
    「ジェネレーション」、レントゲンクンストラウム、東京
    「ソラリス」、三菱地所アルティアム、福岡

TAB イベント ヴァイスフェルト-レントゲンヴェルケの過去イベントのリスト

スタニスワフ・レム 『ソラリス』(Amazon)
『高い城・文学エッセイ』(Amazon)

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