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2006.07.24

■NHK週刊ブックレビュー 特集 古川日出男『LOVE』を語る

Love_1 NHK週刊ブックレビュー 2006年07月23日
特集 古川日出男 「LOVE」を語る

 <爆笑問題のススメ>に続き、TVで約30分、自作について語っていました。この番組でも発想と視点が自由奔放にぶっとび、太田光がいない分、古川の語りが炸裂し、こちらの方が突き抜けていたと言ってもいいでしょう。

 『LOVE』の一節の自作朗読も、「詩のボクシング」みたいでいかしてました! 古川氏自身の文体のテンポが直接聴け、貴重なワンシーン。文体と同様に非常に音楽的なイメージ。
 『LOVE』について語っている中で印象に残ったのは、神の視点での鳥瞰と猫の視点で見上げるその中間に人間を置くということで、なかば無意識に作品にバランスを持たせた、というところ。まさにそこにこの「巨大な短編」の醍醐味があり、無意識にそのバランス感覚を導入するという古川的手法が興味深い。

 「何者としても定義されたくない」という意味のことを何度か口にしていたけれど、その気分、すごくよくわかります。ここの共感が古川小説に一番惹かれる自分の理由かも、とぼんやりと感じていたことを認識。

 もひとつ、小説について語ったところで印象的だったのは、「すでに物語は書きつくされた」といって頭を抱えてうなっている現代文学への挑発。「何を言っているんだ、その抱えた頭で頭突きをくらわせば、壁は壊せるじゃないか」と激しくいう古川。おぉー、やっぱ、そういう感覚で書いてんだ。いいぞ、いけいけって、なんだか嬉しくなりました。

 どうしてあのような文体の小説が書けるのか? これは古川氏の語りを聴くと、とても納得できてしまいます。世界を新鮮な視点できりぬき、そしてそれをまるごと提示する小説。古川日出男の小説の冒険に同時代でつきあえるのが、なんともエキサイティング。(時々、着いて行けんくなるけど、、、(^^;))

◆関連リンク
当Blog記事 ■『LOVE』
■『中国行きスローボート』 ■『gift』  ■『ボディ・アンド・ソウル』
■新刊メモ 『ベルカ、吠えないのか?』 ■新刊メモ 『LOVE』 

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