■大阪大学 石黒浩教授インタビュー
「アンドロイド・サイエンス:Android Science」
ロボット業界キーマンインタビュー (Robot Watch)
「等身大“コピーロボット”で存在感の本質を追求する~大阪大学 石黒 浩 教授」
森山和道氏による非常に興味深いレポート。
コミュニケーションロボット、社会ロボットと呼ばれる、認知科学的な興味をベースとしたロボットや人間そっくりの外観のアンドロイドを製作し、人との関わりを研究している。
人と関わる機械と、機械と関わる人の本質を探求する。それが石黒氏の主張するアンドロイドサイエンスだ。アンドロイドをどう改良していくか。それはそのまま、人間らしさをどのように実装していくかという課題そのものである。現状のアンドロイドでも、2秒程度のごく短い時間だけ見せた場合、7割くらいの人は自分が見たものが人間かアンドロイドかの区別ができないそうだ。しかし、それがどのような理由によるのか、詳しい解析はこれからの課題である。
「どこまで情報を流すと存在感を感じるのか。もともと人間は、すべて思いこみだけで、見られているという情報だけでバーチャルな感覚を作り出してしまっているのかもしれない。だとしたら、単純なことだけでアンドロイドも存在感を持てるかもしれないでしょう」
NHKの藤井綾子アナウンサーアンドロイドの動画があるが、かなりリアル。そして不気味の谷って感じ。人間の認識の不可思議なメカニズムが確かにあぶりだされています。もっとリアルになって、全然見分けが付かなくなった時に人がどう感じるか、これは実際に体感してみたいような、みたくないような、、、。
こういうのって、文学者やSF作家を対象にして、徹底的に自己分析して、それを表現してもらったら、とても面白いレポートになるのではないか。と書いて、最も適任な作家としては、誰もが思い浮かべるのが、フィリップ・K・ディックだろう。既に鬼籍に入って長いこと経っているが、石黒教授も自らのアンドロイドにReplieeという名を付けているので、少なくとも『ブレイド・ランナー』は意識されているようなので、ディックが在命だったらと思われているのかもしれない。
当Blog記事 ■フィリップ・K・ディック アンドロイド・プロジェクト
ディックのアンドロイドは既に存在しているが、これをウェブで観た時に僕が思った不気味さは、まさにこのような認識論的問題に限りなく接近している存在だったからだと思う。
だからディックのアンドロイドを作ったアメリカの企業の能天気な紹介の仕方に、ものすごい違和感を感じたのである。やはりプラグマティズムの国のメンタリティはそんなものなのか、、、ディックって、本当にアメリカではマイナーな存在だったのでしょうね。改めて、その存在に合掌。
◆関連リンク
・大阪大学先導的融合工学講座 知能ロボット学研究室(石黒研究室)
アンドロイドサイエンス 自分と自分の娘さんをモデルとしているのが何ともマッドなイメージを醸し出していますが、この不気味さが研究の本質を表しているということのようです。
全方位カメラ こういうのも興味深い研究ですね。
・Science & Technology at Scientific American.com: Android Science --石黒浩教授インタビュー
・CNNインタビュー - Machines in our image - May 8, 2006
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