■リチャード・リンクレイター監督『スキャナー・ダークリー:A Scanner Darkly』
アニメと実写を融合した技法「ロトスコープ」とは
キアヌ・リーブス新作「A Scanner Darkly」
--アニメと実写を融合した技法「ロトスコープ」とは - CNET Japan
「ロトスコープによる作業は、ほとんど拷問に近いような、信じられないくらい複雑な作業だが、作品を見る側が意識することのない裏方仕事だ」とMuszalski氏は説明する。通常は、新人のアニメーション作成者に与えられる類の仕事であり、そうした新人は「ロトスコープモンキー」と呼ばれるのだという。
Linklater氏は、これまでにも「ウェイキング・ライフ」、「Slacker」、「バッド・チューニング」といった作品を手がけているが、今回の映画では、特別なロトスコープソフトウェアである「Rotoshop」を制作に使用した。「Rotoshopを使用すると、ロトスコープによる作業が簡素化される」(Muszalski氏)という。
Rotoshopは、他のロトプログラムが実装する一般的なスプライン指向の基本ロトスコープ機能に、描画ソフトウェア的なインターフェースを組み合わせたものだ。Rotoshopを使うことで、何時間にもわたって点を結ぶという単調な作業の代わりに、ポインティングデバイスをブラシのように動かすだけで明るさ、色合い、透明感を描き出すことができる。
『スキャナー・ダークリー』の製作裏話とRotoshopと呼ばれるロトスコープ用ソフトについて、興味深い話が掲載されている。リチャード・リンクレイター監督『ウェイキング・ライフ(2001)』ファンも必読。ロト・スコープと言えばわれわれオールドファンは、ラルフ・バクシの『指輪物語』をすぐ思い出すのだけれど、製作現場はディジタル技術によって様変わりしているようです。
それにしても、「ロトスコープモンキー」!!
キアヌ・リーブスファンの女性なら毎日楽しい仕事かもしれないけど、なんともアニメの3K職場ぶりを表現した米国らしい表現。
◆関連リンク
・Cartoon Music!さんのロト・スコープの解説
あのマックス・フライシャーが1915年に考案したものらしい。
・Rotoshopの所有権を持つ制作会社Flat Black Films(テキサス州オースチン)
Rotoshopは外販されていない。このスタジオのBob Sabistonとスタッフのみが使用できるらしい。
・同サイトの「A Scanner Darkly」のテストフィルム
・3D-CGのソフトウェアMaya関連のAutodesk Combustion 4というのにもロト・スコーピングを効率的に処理する機能があるらしい。
・当Blog記事 『ウェイキング・ライフ(2001)』紹介
フィリップ・K・ディック 『スキャナー・ダークリー』 "Scanner Darkly"映画化
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