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  『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』
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2006.10.21

■cinra magazine vol.11
  特集:ヤン・シュヴァンクマイエル

cinra magazine vol.11 特集:ヤン・シュヴァンクマイエル

Lunacy・新作、「LUNACY」を観よ!
・インタビュー:
 チェコカルチャーの仕掛人
 くまがいマキ氏
   (配給会社チェスキー・ケー)
 田中廉也氏
   (レン・コーポレーション)
・ヤン・シュヴァンクマイエル作品、徹底解剖!
・Who is ヤン・シュヴァンクマイエル
「芸術新潮」06.7、「CGWORLD」06.7、「TONE」05.11の三誌からインタビュー転載

 私の作品の基礎は、世界を≪類推的に≫受け入れることです。≪類推≫は最も繊細な言語で、人間の感情の繊細な震えさえも捕らえることができます。一方でアイデンティティの上に建てられた実用的な文明が生んだのは道理にかなった言語です。繊細な言語をヨーロッパの文明はルネサンス期にどこかで捨ててしまいました。もう一度ヨーロッパが、かつて(マニエリスム、ロマン主義、シュルレアリスム)の時代に短期間戻ったとしても、大陸文明の主流を昔に戻すことはできません。日本では<古代の>自然や人間、時間への魔術的な知覚がまだ生きています。

 シュヴァンクマイエルの発言でこの部分がクローズアップして紹介されているが、素晴らしい言葉だと噛みしめて読んだ。
 近代が科学を根拠にして工業社会を立ち上げたことで世界が得たものは大きい。だけれどもそこから抜け落ちてしまった人間の言語≪類推≫(とシュヴァンクマイエルは名づけている)。

 エンジニアリングの世界でメシを喰っている身として、工学のロジックと言語で、不可思議なヒトの感情の動きが整理されて、いろんな物事がある意味、公平に決まっていくことの便利さは日々実感しているのだけれど、一方でそこで殺されていく≪類推≫の悲鳴も自分の中で痛感している。(特に今週、つらかったし、、、(^^;))

 まさにその実感にこれほどピッタリの言葉に今日行き当たったことで、シュヴァンクマイエルの作品の持つ自分への印象の意味に、また一つ強く気づかされたという感じ。

 あとくまがいマキさんのチェスキー・ケーの成り立ちと今後の配給したい作品はイジー・バルタとか、面白いインタビューが読めます。読ませる特集です。

◆関連リンク
cinra magazine
『Lunacy ルナシー』作品情報@CINEMA COMIN'SOON
・ 『ルナシー』(レン・コーポレーション)11/18日本公開にあわせて、各種のイベントが紹介されています!ドキュメンタリーが一番、観たい!! 
 ・『オールアバウト・シュヴァンクマイエル』
  エスクァイア マガジン ジャパンより刊行  
 ・シュヴァンクマイエル作品回顧上映
 12月、新宿 K’s cinema
 ・『シュヴァンクマイエルのアリス』展 
  チェコセンター 11/1(水)~12/4(月)
 ・『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』(イメージフォーラム)
  シュヴァンクマイエル氏とエヴァ夫人についてのドキュメンタリー作品。
  日本版宣伝チラシのデザインを担当されたゆさかずや氏の紹介文

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受信: 2006.11.18 02:24

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