■紅葉の森林に佇む彫刻群
札幌芸術の森 野外美術館・1
ようこそさっぽろ「野外美術館を歩く」(各彫刻作品の紹介ページ。動画もあり)
北海道の札幌芸術の森へ行ってきた。一日しか自由時間がなかったのだけれど、観光ガイドブックで選んだここが大正解。特に素晴らしかった野外美術館をまずはご紹介。
この日は天気も良く、10月末にしては気温は高く、気持ちのいい秋らしい一日。
何が素晴らしいかというと、紅葉の北国の森林の中に彫刻作品が佇む、その様が圧巻。寒さがしのびよる10月の北海道の澄んだ空気と眼に鮮やかな紅葉、そしてそんな自然の中に、突如現われる非現実的な建造物。
何故だか週末なのに閑散とした空間。自然の山野を一人、秋の異空間をさまようような体験が得がたいものになった。
右の写真には、白樺は写っていないが、紅葉と白樺の山の中を進んでいくと、異世界からやってきた人造物が現われ、とにかく心躍らせた。以前に箱根の「彫刻の森美術館」は行ったことがあるが、あそことは空気感が全く違う。原野に近い山の中をさまよう感覚が圧巻。
美術館の人と話すと、春はうっすら桜も咲き、また別種の良さがあるという。冬はカンジキを貸し出し雪の中で作品に出会えるらしい。またいつか違う季節にも訪れてみたい。
◆異空間に出現した作品群・1
目の城 '90 新妻 實 作 1990年
上の写真の作品。この穴から覗く紅葉が良い。同じ作者の「目の城'86」というのが、碧南市役所にあるらしい。
隠された庭への道 Way to the Hidden Garden
ダニ・カラヴァン 作 1992-99年
まず森のはじまりにこの全長300mの作品が登場する。青空を突く円錐が素晴らしい。左の写真では、四角の穴がインディアンのテントのような印象を作り出してしまっているが、後ろから観た右の情景の方がインパクトがある。どうせならこの開口部はやめた方が良かったのではないか。
建造した日本仮設株式会社の特殊型枠施工事例に図面と建造風景がある。
日本ではほとんど前例のない"ホワイトコンクリート"での作品制作は、カラヴァン氏の求める高い精度のフォルムを実現させるために試行錯誤を繰り返し、困難を極めたものでした。
シャフトII アントニー・ゴームリー 作 1990年
縦横に入った溶接の線が猟奇的雰囲気を感じてさせてしまう作品。この彫像がみつづける風景の寂しさがなんだか身に沁みてくる作品。
Antony Gormleyの他のオブジェ。同様のモチーフが感じられる。
長くなりそうなので、札幌芸術の森 野外美術館・2に続く。
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