■新刊メモ <骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書> 古川日出男『僕たちは歩かない』
「骰子の7の目」日本語版刊行に寄せて 画家の明証――瀧口修造
人は絶えず何ものかに賭ける。しかも、6の目の骰子を振りながら、その実は7の目をもとめているのではなかろうか。画家もまた例外ではない。
絵画は人間のもっとも古い発見のひとつとして、その平らな面の表現の世界は、人に寄り添う影のように消えることを知らない。それは無重力の宇宙を遊泳しながらも、必死に地上へ帰着、ふたたび二次元の床の上に身をよこたえるようなものか。だが、夢はふたたびあらぬ彼方の次元を飛ぶだろう。(略)
こうして絵画は鏡の向うのn次元の明証となるだろう。
1973年に刊行されたものの一部復刊。「こんどの重版は、共同出版のパートナーであるフランスの出版社が無断で版権・原版を放棄してしまい、奇跡に近い復刊といってもよい」とのことで貴重な出版。
復刊されなかったものは、下記リンク先によれば次の6点。
・So-net blog:カイエ:骰子の7の目 シュルレアリスムと画家叢書
レイモン・シャルメ『クロヴィス・トルイユ』(種村季弘訳)
カタリン・デ・ヴァルタースキリヒェン『パウル・クレー』(矢川澄子訳)
ダニエル・マルシュソー『イヴ・タンギー』(飯島耕一訳)
ラドヴァン・イヴシュク『トワイヤン』(巌谷国士訳)
ジェラール・ズリゲーラ『ウィフレード・ラム』(与謝野文子訳)
マックス・ワルター・スワーンベリ『別巻』(澁澤龍彦訳)
「僕たちは歩かない。その終電に乗ったら、歩かない。」
雪の夜、東京で、レストランで、山手線で。やわらかな緊張感に包まれながら、僕たちは時間のひずみにはいってゆく。一夜の奇跡の物語を、挿絵入りで。
11月刊行予定の古川日出男の新作。
今度も東京の街の物語。表紙絵が素晴らしいので、本文の挿絵も楽しみです。古川日出男の本で挿絵が入るのは初めてではないか。
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