■森田修平監督 片山一良絵コンテ・演出 『FREEDOM 1』
オープニング by 神風動画 が素晴らしい
Yahoo!動画 - FREEDOM 1
本編無料配信
06.11/17 12:00 - 11/20 11:59限定。
企画・原案:高松聡
シリーズ構成:
佐藤大、千葉克彦
世界観設定:渡部隆、曽野由大、青木智由紀
エフェクトアニメーション:橋本敬史
CGI監督:佐藤広大 美術監督:市倉敬
絵コンテ・演出 片山一良
監督:森田修平
shamonさんのTBで教えてもらいました。さっそく観てみると、なかなか好調な滑り出しで映像がいい。特にオープニングと後半の背景の雰囲気は傑作。
shamonさんのひねもすのたりの日々 「FREEDOM」スタート
作品の顔であるOPは、手描きアニメ、CG、実写にプラスして大友氏のマンガ的ショットが入れてあり目を惹きます。もしかしてこれって初めての試み?
こんな映像は観たことないですね。特に大友克洋マンガ的ショットをインサートするアイディア。(大友漫画のような文字とカット割りとスクリーントーンな背景。)
実写部分の工場萌えな雰囲気、アニメ部分の疾走感。そして宇多田ヒカルの「This Is Love」との融合で素晴らしいオープニングになっている。
O.P.映像を制作した 神風動画社長 水崎順平氏インタビュー。
OP映像は賛否両論が出るかと思いますが実写も組み込んだ構成にし「アニメファン層以外の興味もキャッチ」をコンセプトにしました。
もしこれがテレビ放送枠だったとして、こんなOPが流れていたらアニメファン以外の層もそのまま本編も見てくれるだろう、というのを狙いとしています。
狙いはともかく、僕が感じたのは、大友漫画のクールな感覚が初めて映像になったような快感。実は『AKIRA』とか『スチーム・ボーイ』とか、大友自身が作るものは凄いことは凄いのだけれど、なんか映像としては大友漫画のシャープさ、クールさをうまく移し得ていないのではないかと思っていた。カット割がどっか古い映画のように感じられるのがその理由。(詳細解析はしてませんが、観終った時の全体の雰囲気が、、、。)
それがこのオープニングでは、見事に大友漫画的感覚を獲得していて、素晴らしい。オープニングだけでも一見の価値があります。
あと印象的だったのが、後半の背景画。これも大友漫画的。水彩インクというのかな、大友がカラー絵で好んで使う素材の色合いがこのアニメではうまく背景に活かしてある。本作はキャラとメカのデザインのみが大友克洋だけれど、映像としてはかかわっていないらしい。本人の映像作品ではなく、きっと大友漫画が大好きだった本作スタッフたちにより、大友漫画の映像への移植が進んだことに何よりカンドーした一本でした。続きも楽しみにしたい。
◆関連リンク
・東京国際映画祭「3Dアニメの現在形」森田修平監督(WEBアニメスタイル)
僕はずっとデジタルでやってきたので、デジタルの弱いところは本当によく知ってた。(略)
僕の方は、例えば『なるべくレイアウトは手で描いてくれ』とか『CGは使わないでくれ』とか、要は作画に頼ってる部分が大きいんです。なぜかというと、CGから入った人間はアニメの基礎を知らないんですよ。なんでコマ数が減っていったのか、それによってどんな面白い表現が生まれたかとか、そういう事を知らない人達が現場に入ってきてやっている。日本のアニメはデジタルの導入で進歩しているように見えて、実は質が落ちていってる気がしていた。だったら僕としては、スタッフにまずアニメの基礎からやらせようと。
・ 『FREEDOM 1』
・ 『FREEDOM previsited』(Amazon)
・YAMATO WORKS ・フロッグネーション
・当Blog記事
大友克洋のアニメCM カップヌードル FREEDOM-PROJECT.JP
「広告批評」[特集 FREEDOM] 大友克洋
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コメント
mitakaさん、はじめまして。
>こんな映像は観たことないですね。特に大友克洋マンガ的ショット
>をインサートするアイディア。(大友漫画のような文字とカット割
>りとスクリーントーンな背景。)
>>マンガインサート手法は特に目新しい物ではありませんな。
あ、どんなものがありましたっけ? 最近のアニメ、ちゃんと観てないのが露呈しました(^^;)?? 大友漫画風の文字とカット割を既に実現した映像があったのですね。
>>上手く言えませんが、格好良く見せようとしているのが見て取れ
>>る感じ。
>>広告アニメなのでキャッチーさが最重要なんでしょうが個人的に
>>はもう一押し欲しいOPでした。
なんとなく言われることはわかります。好みがわかれる映像かも。特に実写の写真とか結構あざといといえばあざとい感じ。僕はツボにはまって好きですが、、、。
こういう会話ができると、とても楽しいです。また今後ともコメントいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
投稿: BP | 2006.11.20 23:30
マンガインサート手法は特に目新しい物ではありませんな。
自分はこのOPはかなりチープな気がしました。
見た目は格好良いんですが中身がないというかなんというか。
上手く言えませんが、格好良く見せようとしているのが見て取れる感じ。
いつも通りの神風動画だなー、と。
広告アニメなのでキャッチーさが最重要なんでしょうが
個人的にはもう一押し欲しいOPでした。
ただ大友アニメに足りなかった物が入ってる気はしました。
投稿: mitaka | 2006.11.20 03:00
shamonさん、こんばんは。まいど、です。
>>大友氏へのリスペクト溢れたいいシリーズになりそうですね。
大友漫画へのリスペクトであると大変楽しみ。
大友アニメのちょっと冗長なカット割りではなく、大友漫画から受けるあのエッジの効いた映像を本作で見せてほしいものです。『AKIRA』とか好きなのだけど、テーマに対してどーも映像感覚が古臭い感じで、昔から「傑作」とは呼びがたいと思っているので、、、。なまじ大友漫画のシャープさに心酔していたのでそう感じるのでしょうね。
投稿: BP | 2006.11.19 23:57
TB返し、感謝です^^。
OPだけでも映像作品として勝負できるのではないでしょうか。
CGのチューブが手書きの絵に変わっていく部分に鳥肌が立つほどの興奮を覚えます。
短い時間での世界観描写も秀逸でしょう。
廃墟と未来都市、対極にあるようでリンクするこの二つを出すことで地球とEDENの関係を浮き上がらせている。
「アニメーションノート03」によると
森田監督は
『元々は「ブレードランナー」を観て「AKIRA」を観て、
作り手になりたいと思った人間なんで、(P94)』
とあります。
大友氏へのリスペクト溢れたいいシリーズになりそうですね。
投稿: shamon | 2006.11.18 13:25