■新刊メモ 『森のバロック』 『ひとりっ子』
『最後のウィネベーゴ』
南方熊楠の思想に内蔵された未来的可能性。
森の中に、粘菌の生態の奥に、直感される「流れるもの」。自然・民俗研究の末織り上げられた南方マンダラとは? 後継者を持たない思想が孕む怪物的子供の正体。
後継者のいない南方熊楠の思想、「旧石器的」な思考の中に、著者は未来の怪物的な子供を見出す。対称性理論への出発点となった記念碑的著作。
長いこと単行本しか出ていなかったこの本が文庫化されたので御紹介。
今年読んだ本の中で最も刺激的だった本(下記リンク参照)。熊楠本人の一次資料にはまだあたったことがないので、どこからが中沢新一の考え方でどこからが熊楠のものか、僕には知る由はないのだが、ものごとの全体的なとらえ方とか、もの凄く考えさせられる論考。センス・オブ・ワンダーを味わいたい方には必読と言っておきましょう。
<当Blog記事>
・中沢新一『森のバロック』 総論 ・第一章, 第二章
本当は第三章以降も続けて書くはずだったのだけれど、ここで止まってます(^^;)。
グレッグ・イーガン/山岸 真訳『ひとりっ子』 (早川書房HP)
イーガンの日本オリジナル短編集第三弾。いままでの2冊が素晴らしかったので、これも期待。長編も好きだけど、短編もいい味出してるので。
次のイーガンは、奇想コレクションの『TAP』ですね。ということで、これも紹介↓
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