■浦沢直樹著
『プルートウ PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より』
『プルートウ』4巻が出ました。オリジナル誌の立ち読みで見逃してる部分があるので嬉しい(^^;)。(ところで『プルートウ』なのか『プルートゥ』なのか?たぶん表紙のロゴから言うと、前者なのでしょうが、、、)
今回もアクションシーンが迫力。浦沢直樹でこれだけ派手なシーンはなかなかないので、燃えます。漫画ってやっぱこういうシーンが多いと映えますね。紙面の躍動感が素晴らしい。ロボットの対決、凄く漫画になっていて、血沸き肉踊ります。
この手塚と浦沢直樹のコンビネーションは、本当にいい題材をチョイスされたと、プロデューサの長崎尚志氏には感謝したいものです。浦沢作品の中でもダントツに好きかも。(手塚の特別なファンでないのだけど、このカップリングは素晴らしい。)
そして浦沢直樹の闇が登場するロボットの人工知能の本質に迫る天馬博士の言葉。
この作品を単なるロボット対決ものでなく、凄みを持たせているのが、こうした部分である。人の闇にアプローチしてきた作家浦沢直樹の真骨頂がここにある。まだ思わせぶりなアフォリズムの羅列に過ぎないようにも感じるが、ロボットの意識や殺意というものを描く中で、人間のそれを炙り出していこうという作家の目論見が垣間見える。(この意識へのアプローチ、はっきり言っていつも思わせぶりで本質に到達しているような気が全然しない脳科学者 茂木健一郎の著作(『プロセス・アイ』『意識とはなにか―「私」を生成する脳』とか)よりずっとワクワクする。)
今後も天馬博士から眼が離せません。にしてもなんでこの浦沢版天馬博士、碇ゲンドウ司令に似てるんだろう。浦沢のたくらみ??
付録の作者高校二年の作品 星新一作『来訪者』と、西原理恵子「浦沢さんとわたし」もいいです。特に後者、凄い(^^)。
◆関連リンク
・プルートゥー PLUTO 000(ファンサイト)
・Wikipedia『PLUTO』(プルートウ)
・21世紀少年 ~20世紀少年アンオフィシャルファンサイト~
・『20世紀少年 22』(Amazon)
・『 PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より』(Amazon)
通常版 12/26発売予定
・当Blog記事 浦沢直樹×手塚治虫 『PLUTO 01』
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コメント
あんまりようさん、こんばんは。
>>おまけのサイバラ、ちょっとクラっときました(笑)。
>>巻末には誠に相応しくない漫画、やっぱすごいわ…。
本当にすごい「押し」ですね。この漫画読んで、浦沢氏が物語をあまり長くしないで簡潔に描いてくれたら、サイバラ、偉いって感じ。
投稿: BP | 2006.12.23 22:34
こんにちは、自分も4巻漸く入手しました。
中盤のアクションシーン、思いがけない展開に衝撃を受けました。(恐らく実は……なんでしょうが…)
朧げに推察しているゲジヒト夫妻の悲壮な過去に段々に近付いて来る展開が切ないです。
それにしても天馬博士、表紙のポーズからして碇ゲンドウなんですが〜何故??
おまけのサイバラ、ちょっとクラっときました(笑)。巻末には誠に相応しくない漫画、やっぱすごいわ…。
投稿: あんまりよう | 2006.12.23 15:47
shallowさん、raizoさん、はじめまして。
コメント、ありがとうございます。
>>星新一作品の漫画化ならかなり興味あるので(前回の「羅生門」より
>>も)買ってみようかと思います。
今回も手塚タッチですね(坂口尚に近いような気もします)。
おまけとして、パラパラ漫画もついているので、さらに楽しめますよ。
>>話はまだまだ長くなりそうなので、この遅々として進まない連載に
>>時々じれったくも感じますね。
そーですね。このままのペースで20巻とかになったら、あと16年かかるわけで、たいへん!!そんなことになったら、既にロボットによる殺人事件が現実化してたりして。
投稿: BP | 2006.12.21 23:20
トラックバックありがとうございます。
豪華版出たのですね。私は通常版で買っているのでもうしばらくお預けです。
表紙のおじさんは誰だろう?と思っていたのですが、天馬博士でしたか。
話はまだまだ長くなりそうなので、この遅々として進まない連載に
時々じれったくも感じますね。
投稿: raizo | 2006.12.21 20:58
はじめまして。
やっぱ誰でも思いますよね、天馬博士=碇ゲンドウ。ということはアトムはシンジ…。
今回は豪華版購入は一応見送ったのですが、星新一作品の漫画化ならかなり興味あるので(前回の「羅生門」よりも)買ってみようかと思います。
投稿: shallow | 2006.12.21 15:55