■プレステ3は映像処理スーパーコンピューターになれるか?
PLAY BEYOND SuperComputer PS3
プレイステーション3が普通にうちの近所の家電屋でも在庫がある。60GBモデルで59,800円。楽天とか価格.comでみてみると最安価格はまだ6万円台だったりするけど、街では既に通常の価格体系。(楽天では20GBモデル31,500円という値段も)
発売からまだそんなに経っていないクリスマス前でこの状態ということは、つまり端的に売れていない、ということなのだろう。となりでWiiは抽選販売の行列。
大丈夫か?久夛良木健!CELLのコンセプトにはワクワク感を感じるので、スーパーコンピュータと比較して、少しだけPS3を応援してみます。
左の図は、浮動小数点演算能力をスーパーコンピュータと比較したもの。単純にこれだけで性能は云々できないのだけど、それでも90年代後半のスーパーコンピュータと同等レベルのFLAPSのCPUが家庭へ簡単に導入できる現実というのはもの凄い。(ちなみに下記のリンク情報では、インテルは現在CELLの1/20の速度。2011年にCELLに追いつく計画らしい)
CGの演算や物理シミュレーションで抜群の威力を発揮するこの速度は、高精細なゲームに当然有利なわけだけれど、PCとして使っても画像や動画、3D-CG処理に優れているわけで、Linuxで立ち上げて各種映像関係のソフトをビュンビュン動かせる環境ができるといいですが、、、(今Linuxは下のリンク先のような感じで動くようです)。
ブルーレイともども、安価なスーパー映像マシンとしても使えるようになれば売り上げに貢献するか? (かなり限定的なユーザ対象か、、、ハイビジョンハンディカムのノンリニア映像編集機能+ブルーレイ録画マシンというのがコンシューマ向けのソリューションかもね)。
しかし近所の家電屋で無造作かつ乱雑にプレステ3が床に放置され、横を客が見向きもしないで通り過ぎる光景を見て、本気で僕はソニーが心配になった。家電屋の床にスーパーコンピュータ放置してていいのかよ! って。CELLの5000億円に及ぶ投資をどう回収するか、きっと思案し続けるSONY社員はクリスマスイブでも休日出勤しているのだろう、、、頑張れ。
☆追記 次の日には全て売り切れていました。それなりに売れているようです。ただ同じ店でWiiは10倍の競争率で抽選してたからなー。
・Playstation3でLinuxを起動させる様子のムービー - GIGAZINE
・ Fedora Core 5 on Playstation3(+cpuinfo meminfo)
ブラウザがさくさく動いている映像
・Open Platform for PLAYSTATION3 ダウンロードはこちら
・ソフトウェアリストには現在ゲーム以外アプリは挙がっていない
・PS3でYouTubeは見れました。インターネットブラウザ編
・久夛良木健さんインタビュー(HiVi web[ハイヴィ ウェブ])
リンク先に詳細は書いていないが、今月のHiVi誌でスーパーオーディオとしてのPS3が語られている。
◆関連リンク 当BLOG記事
・MAC OS on CELL
・PS3は映像を熟成する究極映像装置か?!
以下、ネットの関連記事(長文)
・立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 ソニーはどこへ向かうのか PS3の可能性と不透明な未来
・SCEI 久夛良木社長インタビュー(2) 「PS 3のHDDにフル機能Linuxを搭載」
例えば、HD映像を編集するソフトウェアって、基本的には放送局でやっているノンリニアの編集システムと同じ。PS3の上でやろうとしているのは、そのレベルのソフト。ノンリニアの編集システムってすごいけど、あれCellの上に持ってきたら、もっとすごいことになる。PCの上でもなんとかできるけど、PS3の上ならスパンとできるといった風に、違いが見えてくる。
いわゆる「RMS」つまり、「Recognition(認識)」、「Mining(マイニング)」、「Synthesis(合成)」といった分野のアプリケーションは、Cellが最も得意とするだろう。また、自然発生的にソフトウェアが産まれていき、エコシステムが拡大していけば、SCEIが想定していないようなアプリケーションがどんどん出てくる可能性もある。
・3DゲームファンのためのPS3の“真意”講座
「PS3は“ゲーム機”ではなくコンピュータとして訴求されるべきである」(GameWatch)
HDVカメラなどで撮影したHD動画像を編集したり、H.264にトランスコードしたり……といった処理は現在のWindowsベースのPCでも相当ハイスペックなマシンでないと時間が掛かるやっかいな作業だ。PS3であれば、CELLプロセッサのパワーを活用することで、かなりこうした処理を効率よく実行できそうに思える。実際、そういう活用が見出せたときには、6~7万円という本体価格は決して高くないようにも思えてくる。
・後藤弘茂のWeekly海外ニュース PS3はHDDを前提としたLinuxマシーンに(PCWatch)
・インテル、4コアプロセッサ11月投入を発表--80コア試作品も公開(Yahoo)
サンフランシスコ発--Intelが、80コアを搭載し、毎秒1兆回の浮動小数点演算をこなすプロセッサの試作品を公開した。 (略)同社は、5年以内にこれらのチップを生産ラインに載せたい考えだ。
・スペシャルインタビュー 〈特別寄稿〉久夛良木健氏からの手紙
「PS3が創るリアルタイム・コンピューティングの未来」(ITpro)
高度にリンクされたネットワーク上の巨大な地図データベース、これを仮にGMS(グローバル・マップ・システム)とでも呼ぼう。GMSを基本に、多くの人が一定ルールに従いながら、情報を次々とアップデートしていくのではないだろうか。建造物の詳細な情報や、そこに実在する店舗やレストランの情報、果ては娯楽施設や秘密の隠れ家に至るまで、現実の姿を反映したGMSができあがることだろう。
これらの端末として身近な「プレイステーション 3」が利用されるなら、多くの人々がブログを書く手軽さで、草の根的に身の回りの景色をアップロードするのではないかと期待する。「プレイステーション 3」によって、自宅にいながらにして、GMSの世界を自由自在に飛び回ることができるとしたら、それは「どこでもドア」を実現できたことになるかもしれない。
ソニー・コンピュータエンタテイメントも、アルツハイマー病などの難病の遺伝子を世界中に散在するコンピュータの計算余力を活用してネットワーク経由で並列演算することで問題解決を図る共同プロジェクト「Folding@Home」に「プレイステーション 3」で参画する実験を進めている。
・PS3が病気を治す? 「発症メカニズム」解明に活用(ZAKZAK)
米スタンフォード大では現在、病気の発症や進行にかかわるタンパク質の構造の解明をプロジェクトとして行っている。その構造解明のためのデータ処理に、一般の人たちが持っているPS3の処理能力を拝借しようというわけだ。
PS3の「セル」と呼ばれるCPU(中央演算処理装置)は、毎秒2180億回の計算ができる性能を持っている。これは一般的なスーパーコンピューターの100分の1程度で、高性能パソコンの20倍程度の性能にあたる。
今回のPS3については「開始時期など具体的なことはまだ決まっていない」(SCE)段階だが、自宅のPS3が生命化学などの深えんを解明する一翼を担うかもしれないと考えると、大きな夢が広がる。
・IBM、Cell BE搭載ブレードサーバの販売を開始 - CNET Japan.
IBMは同システムを、ニューメキシコにあるロスアラモス国立研究所(LANL)に納入する契約を結んでいる。同研究所が2007年に完成させる予定の巨大スーパーコンピュータには、少なくとも1万6000個のCellプロセッサが搭載されることになっている。
・ITmedia News:IBM、Cell搭載の「ペタFLOP」スーパーコンピュータ構築へ.
米IBMは9月6日、「Cell Broaband Engine(Cell BE)」プロセッサを採用した初のスーパーコンピュータの設計・構築を米エネルギー省国家核安全保障省から受注したと発表した。このシステムは1秒間に1000兆回の演算――ペタ(P)FLOPS――の処理能力を目指す。
・世界が待ち望んだPS3ソフトウェア開発者を直撃!/Tech総研
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント 畑田敬志氏
PS3は大きな夢のすべてを最初からオープンにしたわけではありません。まだまだもっと大きな夢がこれから語られていくことになります。まだ明かすことはできませんが、いずれ新しい機能がどんどんオープンになっていきます。
ゲームとインターネットが融合、ゲームの中からネットブラウザに飛ぶことができるんです。このネットブラウザの絵を描くのは、システムソフトウェア側なんですね。これまで、テレビ画面に絵を描くのはゲームの制作側に限られていた。このゲームに絵を差し込むシステムサービスの設計には深く携わることができましたが、この設計により、ゲームの中に我々のサービスがどんどん飛び込んでいけるようになりました。
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