■脈動する磁性流体アート
Magnetic Fluid Art Project "Protrude, Flow"
『日経サイエンス 2007年 03月号』
脈動する磁性流体アート 児玉幸子氏
(電気通信大学人間コミュニケーション学科助教授,メディアアーティスト)
黒い液体の正体は磁性流体という先端材料だ。磁力を感じて流動する。米航空宇宙局(NASA)のアポロ計画で生み出され,コンピューター関連機器やAV(音響・映像)機器,医療などに利用されている。私は磁場によって磁性流体を操り,それを作品として提示する活動を2000年から続けている。
私の作品については「従来のアートの概念とは大きくかけ離れた存在だ。アートと言えるのだろうか」との声がある。
磁性流体というのは、NASAの宇宙開発のスピンオフ材料。宇宙関係では、真空と大気の密閉シールに使用されていたりする。乱暴に言うと、蹉跌が流体になったようなものをイメージすると近い。詳しくは→ここ。
◆磁性流体のアートプロジェクト「突き出す、流れる」(Magnetic Fluid Art Project "Protrude, Flow")
児玉幸子氏の磁性流体アートプロジェクトを紹介
こちらのサイトに作品の紹介が多数。どれも観ていて飽きません。
・『Protrude, Flow』(ムービー有)
この映像絶品です。後半、音に合わせて動くインタラクティブな作品も素晴らしい。
・『Breathing Chaos』(ムービー有)
流体が生きているように蠢く様が絶品。
◆関連リンク
・児玉幸子 Sachiko Kodama's Home Page ギャラリー 磁性流体関係
・2007/1/21~2/4国立新美術館 文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」
『モルフォタワー』が展示されている。
・米Delphi,磁性流体サスペンション「MagneRide」を米GMの2車種に提供
たぶん民生品で最も磁性流体をたくさん使っているプロダクト。
・当Blog記事 IVRC2004 第12回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト 「Spike Tree」
僕もこのプロジェクトから生まれた作品を一度観ました。実物も素晴らしい。
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コメント
レントゲン池内さん、お久しぶりです。コメント、ありがとうございます。
>>これはビデオ作品としてはダメですね。CGに見えちゃう。現物を目前にしないと、
>>製作者の意思は伝わらないだろうなぁ。
電通大の学生さんの作品は実物で観ましたが、やっぱビデオより迫力でした。
>>しかし微妙だな、と思うのはどうしても素材主導であると思われる事。素材に
>>甘えてる気がする。美しいだけに、なんというか・・・惜しい。メディアアート
>>だから、でいいのかな?
プロの厳しいお言葉(^^;)。でも僕もそんな感想を若干持ちました。
自分でも磁性流体のサンプルで遊んだことがあるのですが、磁石と磁性流体さえあれば、このアート作品と少し近い感動は、実は誰でも目の前に得られます。
光やレストランの皿に盛ったり、まわりの何かでアート的に深めようという工夫をされています。さらにこの素材の旨味を引き出せる芸術的な仕掛けが生み出される時が、楽しみです。(黒い磁性流体でなく着色された何色かの流体ができたら、その混合でもっと凄いものになるような気がします。技術的にはお金をかければできそうなので、(株)フェローテックあたりとのコラボを期待!)
投稿: BP | 2007.01.31 00:17
これはビデオ作品としてはダメですね。CGに見えちゃう。現物を目前にしないと、製作者の意思は伝わらないだろうなぁ。
しかし微妙だな、と思うのはどうしても素材主導であると思われる事。素材に甘えてる気がする。美しいだけに、なんというか・・・惜しい。メディアアートだから、でいいのかな?
投稿: レントゲン池内 | 2007.01.30 08:45