■『電脳コイル』探索<2> 第2話「コイル電脳探偵局」
ポストンくんと『グラン・ヴァカンス』グラスアイ
情報通信省構想は、郵政省(現:総務省)の解体にまつわる議論の中から生まれたものだった。郵政省の郵便業務を郵政公社にするとともに、米国の連邦通信委員会(FCC)のように情報通信行政を政府の外部機関となる独立委員会で取り扱うようにしたいというのが当時の考えだった。
省庁再編時には情報通信省構想は実現せず、情報通信行政は総務省の管轄となった。
サッチーの顔に見覚えがあったのでちょっと調べてみたら。ありました郵政省のポストンくん。『電脳コイル』の時代には、ふたたび情報通信行政は郵政関係の管轄に戻っているのかもしれないですね。小泉改革は失敗して郵政はふたたぴ公共機関へ戻るのか??(^^;)
◆第2話「コイル電脳探偵局」
さて第二話は、物語に謎が提示されるとともに、メガバア(オババ)の登場で快調にドライブ感が上昇してきました。「悪ぁるい子は、いねぇーかー」!!(^^;)。
音楽まで模倣したような『トトロ』そっくりのシーンが今回も登場、ネットでは批判の的になっていますが、まさに誰でもわかるあの雰囲気、おそらく作り手側はわざと、まさに確信犯でやってますね。
「うんち」や「デンスケ」の落書きもそうだけれど、このシーンはちぴっことそのお母さんをつかむためのシーンでしょう。ジブリアニメの定番ツールに擬態することで、電脳の敷居の高さを忘れさせて、お茶の間の子供たちとお母さんの心に潜入。
かつミックスドリアリティや額からビームやミニスカートを活用し、大人のオトモダチも囲い込む全方位掌握戦術と僕はみました。
そうとうしたたかな戦術だと思うけどなー。もしかしたら、2ch等で『トトロ』シーンが批判にさらされて話題を盛り上げることも織り込み済かと。『電脳コイル』の対象年齢って、ここまでの二話分で、相当の広さを持ってますね。(小学生の男子が少し置いてけぼりか??)
このまま漫画映画的楽しさとミステリアスなSF的な冒険感を拡大していったら、広い年齢層に次週を待たれる人気を獲得できるのではないでしょうか。僕は「悪ぁるい子は、いねぇーかー」!!でメガバアに心を鷲掴みにされました(^^)。
古今東西の土俗的仮面を収集、電脳工房でハッキングツールを作り上げ、駄菓子屋ならぬMEGASHI屋を営み、額から青いビームを出して電脳妖怪を追いかける脳神経科学者の妻。この素晴らしくワイドスクリーンバロックなババアに、SFマインドをゲットされない奇想小説ファンはいないでしょう(^^;)。
◆メタバグと硝視体(グラスアイ)
不思議な力を持つ電脳物質メタバグ。今回はメガバアの「精進の賜物」なメタバグの職人的取り扱いシーンが観られたわけだけど、メタバグで思い出したのは、飛浩隆のSF『グラン・ヴァカンス』に出てくる硝視体(グラスアイ)と呼ばれる電脳世界の魔法の宝石。
硝視体:シュレッディングされたゲストの情報的似姿の残骸から発生したと思われる存在。区界へとゲストと同等、もしくはそれに近い、イレギュラーな力の奮い方をするためのデバイス。
硝視体[グラス・アイ]
〈クリスタル・シャンデリア〉 〈火の親方〉 〈スノースケープ〉 〈ファム・ファタル〉
ミックスド・リアルな『電脳コイル』の世界と異なり、『グラン・ヴァカンス』は「数値海岸:コスタ・デル・ヌメロ」と呼ばれる完全電脳空間が舞台なのだけど、硝視体と呼ばれる宝石のようなものが町のここかしこで見つかる。そして電脳空間内の超能力ツールとして使用されていて、それを職人的に扱える特殊能力者が登場する。
硝視体の僕の脳内映像イメージは、まさに『電脳コイル』で映像化されたメタバグそのもの。
『グラン・ヴァカンス』の硝視体は夏の秘密の海岸でたくさん採れて詩的な響きを伴っていたけれど、『電脳コイル』のメタバグは駄菓子屋で婆ちゃんが売っている。この差が物語りを今後どう推進し、電脳ツールとしてどう活躍するか。駄菓子屋の硝視体にも期待しましょう。
・飛 浩隆『グラン・ヴァカンス―廃園の天使<1>』(Amazon)
・飛 浩隆『ラギッド・ガール ―廃園の天使<2>』(Amazon)
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コメント
shamonさん、こんばんは。
>>作監は1、2話とも本田雄、井上俊之は原画ですが、
>>このパターンで行くんでしょうか。
本田雄氏は最近エヴァ劇場版の方へ抜けたというネットの噂です。第何話まで制作にたずさわれたのか?
>>意外だったのはサッチーの声です。
>>てっきり女性だと思ってのに(笑)。
>>TAFでは実物大の模型があり楽しかったです。
「僕、サッチー」という可愛さが名前とアンマッチな感じだけど良かったですよね。
>>>素晴らしくワイドスクリーンバロックなババア
>>座布団5枚(^^)/□□□□□。
トロガイ師と並ぶ今年のNHKアニメ老婆対決、どちらが強烈で知的か今後も目が離せません。
投稿: BP | 2007.05.22 20:52
こんばんは^^。
2話もウキウキしながら観てました。
TAFのプロモは完全に1話、2話を組み合わせたものですね。
「ジブリに似ている」部分は私も確信犯だと思います。
あえて似せて自分達のペースに観客を持ってくる。
それを狙っているのでしょう。
作監は1、2話とも本田雄、井上俊之は原画ですが、
このパターンで行くんでしょうか。
意外だったのはサッチーの声です。
てっきり女性だと思ってのに(笑)。
TAFでは実物大の模型があり楽しかったです。
>素晴らしくワイドスクリーンバロックなババア
座布団5枚(^^)/□□□□□。
投稿: shamon | 2007.05.20 22:39
あんまりようさん、こんばんは。
コイル、ワクワクしますね。
>>自分たちの世代だとデンスケ(もっと前だとまた別の
>>エンターティナーですが)というネーミングがまた
>>妙なノスタルジー感を誘発してくれます。
たしかに「デンスケ」と言えば、アレですね。僕には高嶺の花でしたが、、、。
>>京子が足の指を使ってクレヨンを取るシーンもまんま
>>コナンだし、殆ど挑発に近い引用ですよねー。
やはり漫画映画のキャラクタは足の指を器用に使わないと、ね(^^;)。
>>2話は引きもうまいですしねーああ、もう終わりかあと…
>>TVを見ててこんな気持ちに浸るのも本当に久し振りです…。
高校の時の『未来少年コナン』を思い出します。
これからどんなアクションや不可思議なシーンが観られるか、楽しみ。この話だとギガントのような派手なシーンは期待できないのかなー?やっぱ磯大アクションシーンも観たいけどなー。(今から大団円の想像は早すぎる!)
投稿: BP | 2007.05.20 21:50
自分たちの世代だとデンスケ(もっと前だとまた別の
エンターティナーですが)というネーミングがまた
妙なノスタルジー感を誘発してくれます。
http://plaza.harmonix.ne.jp/~ita/8884/TC3000SD.htm
京子が足の指を使ってクレヨンを取るシーンもまんま
コナンだし、殆ど挑発に近い引用ですよねー。メガバアは4℃っぽいキャラクターだし面白いと思うけどなー。
お父さんが一番トトロっぽかったかな(笑)。
2話は引きもうまいですしねーああ、もう終わりかあと…TVを見ててこんな気持ちに浸るのも本当に久し振りです…。
投稿: あんまりよう | 2007.05.20 16:49