■NHK 磯光雄監督 『電脳コイル』スタート
第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ
ima-ima's INFO(磯光雄HP) 監督の言葉
随分と長くかかってしまいましたが、ついにと言うか、とうとう「電脳コイル」が5月12日午後6時半から放送開始です。
最初は深夜枠とかでこそっと放送されるのだろうと思い高をくくっていたのですが、思いがけなくいい枠を頂いてしまい、ちょっとどぎまぎしています。
ついに待望の磯光雄初監督作品『電脳コイル』がはじまりました。
◆第1話 「メガネの子供たち」 (NHK,徳間書店(公式HP))
第一話は、『電脳コイル』の世界がどんなものかを説明しつつ、なかなかいいテンポで、大黒市へ引っ越してきた主人公小此木優子のものがたりをスタート。
ストーリー運びとこれはいったいどんな世界なんだというワクワク感があっていい感じ。ただ子供には、面白い事象があるけど、いったいこの世界は何って感じかも。
◆ミックスドリアリティ
『電脳コイル』が描く世界は、コンピュータの電脳空間(ヴァーチャルリアリティ(VR、仮想現実感))が、メガネ型ディスプレイを通して、現実の街の中に現れるミックスドリアリティ(MR、複合現実感)の世界である。
「メガネの子供たち」というタイトルは、ミックスドリアリティのキーポイントとなる「メガネ」で自由自在にMRな世界を遊び場に楽しんでいる子供たちをズバリと表現している。フィジカルに子供が走り回る現実の街に、ドラえもんの秘密道具と同じに小さなカバンの空間から電脳ツリザオが取り出される世界。
ただの電脳空間でなく、子供が飛び回りつつ不思議なものがいくらでも街の中に現れることのできる世界を(メガネへの投影とたぶん触覚、質量のフィードバックだけどね)、現実の技術の延長で説得力を持って設定できているのが凄く面白い。(ここまで徹底してやってるのって、今までないよね?)
◆ヴァーチャルとフィジカルの共存
だけど面白いのは、第一話でデンスケが古い電脳空間から戻れなくなって、主人公が本気であせったように、ただの投影ではあるけれど、電脳空間の中では投影ではなくまさに実在である、っていうところ。
現実の世界の重みと、電脳世界のヴァーチャルな存在の重みが等価で、登場人物の前に現出するというところが、物語の可能性をいろいろと予感させて、とても楽しみ。現在2007年の世界も、われわれの現実に対して電脳仮想世界のリアリティはどんどん増している。それがもっと進んだ世界で子供たちはどんな冒険をするのか。
フィジカルに走り回る作画の達人たちによる漫画映画の楽しみと、エッジのきいたヴァーチャルなダイナミックさを共存させるのに、とてもいい設定だと思う。アニメータとしての磯光雄の才能を、物語作家としての磯光雄の設定が、うまく活かしてゆける設定。
◆そして現在へ投げかけるもの(なんちって)
もっと突っ込んで書くと、実は電脳がない時代でも、ヒトの現実は脳という仮想世界と共存していたわけで、それがミックスドリアリティという技術で、誰でもが当たり前のものと認識しているのが『電脳コイル』世界である。
現実と仮想(電脳)の関係を、ある程度、正確に認識できる世界で、子供たちがどう賢く動いていくか。これはまだ現実と仮想(人体の脳)の関係があいまいな現代の子供たちに、何らかの行動指針を与えることが出来る設定でもあり、今後の展開が期待される。
街の中に平然と不思議なものが現れる大冒険漫画映画になる期待も大きく、とにかく続きが楽しみ。次週「コイル電脳探偵局」をお楽しみに!!
◆関連リンク 当Blog記事
<電脳コイル>
・アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』
・アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係
・『電脳コイル』 スタッフ公開!
・NHK試写会記者会見リンク
・NHK教育『電脳コイル』 はハイビジョンか?
・『電脳コイル』TAF2007プロモーション映像
・『電脳コイル』その他
<現実と仮想と脳の関係> サブカルよりの話
池谷裕二『進化しすぎた脳』について
感想 1 「脳と無限の猿定理」 感想 2 「無意識の脳活動と芸術家の「半眼」」
感想 3 「脳のトップダウン構造と視覚」
※ミックスドリアリティと関係が強いのは感想3
以下、邪推ですが、ネタばれになりそうな部分を含むので、ご注意を。
上右の映像に出ているいかにも学者的な書物から、ヤサコのおじいの関係者とメガばあがこの先、脳と仮想の関係に関して鍵を握っているのだろう。
『意識の信号化について』『神経医療研究レポート』『臨床4425』とかいうのが気になります。まさかこの世界が全部仮想だなんていうつまらない設定ではないはずだが。
たぶん神経と電脳のインタフェースがなんらかの形で一部実現している。それが「コイル」の意味かも。つまり聴覚,触覚等一部の感覚情報が脳に埋められたコイルに電磁誘導で非接触で伝達されているとか(でないとツリザオに引かれるとかデンスケに手をなめさせるとか不可能)。画像はデータ量が大きいので、メガネによる視覚への入力にとどまっている。ヤサコが電話したときにアップになったメガネの柄がいかにも何かのデバイスを持っているようで気になった。耳の後ろにコイルが埋め込まれているのか。これは現在の少し先にある技術。
当Blog記事
・NHK BS-hi立花隆 『サイボーグ革命 人間とロボットの融合』
・NHKプレミアム・テン 『立花隆が探るサイボーグの衝撃』
河合隼雄 押井守 川人光男
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コメント
Teruさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます。
>>40歳会社員です。
>>オタクではありますが、アニメはあまり見ないほうなんですが、
(略)
>>電脳コイルの総集編見て、はまりました。
そうですよね、このアニメ、なんだか40代がはまります、、、というか視聴の年齢幅が広いような気がします。NHKには年齢層のサーベイしてほしいです。興味がある。
>>舞台設定が近未来ですが、町の空き地とか神社とか、何か郷愁を感じ
>>る舞台設定で、絵もキレイで、ホント気にいりました。
>>これから毎回見ていきたいと思います。
結構、郷愁のために言葉使いを古くしているようにも感じます。「おやびん」とか(^^;)
また、感想のコメント、お寄せください。
投稿: BP | 2007.06.17 23:11
Teruさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます。
>>40歳会社員です。
>>オタクではありますが、アニメはあまり見ないほうなんですが、
(略)
>>電脳コイルの総集編見て、はまりました。
そうですよね、このアニメ、なんだか40代がはまります、、、というか視聴の年齢幅が広いような気がします。NHKには年齢層のサーベイしてほしいです。興味がある。
>>舞台設定が近未来ですが、町の空き地とか神社とか、何か郷愁を感じ
>>る舞台設定で、絵もキレイで、ホント気にいりました。
>>これから毎回見ていきたいと思います。
結構、郷愁のために言葉使いを古くしているようにも感じます。「おやびん」とか(^^;)
また、感想のコメント、お寄せください。
投稿: BP | 2007.06.17 23:10
はじめまして。
40歳会社員です。
オタクではありますが、アニメはあまり見ないほうなんですが、前に、教育テレビで、氷の女王というアニメを偶然見てから、NHK教育のアニメは面白いなーと思い、チェックはしてたのですが、電脳コイルの総集編見て、はまりました。
舞台設定が近未来ですが、町の空き地とか神社とか、何か郷愁を感じる舞台設定で、絵もキレイで、ホント気にいりました。
これから毎回見ていきたいと思います。
デンスケは可愛いですね!!
投稿: Teru | 2007.06.17 10:39
あんまりようさん、こんにちは。コメント、ありがとうございます。
>>予想期待以上に滑らかで心地よい動きに暫し陶酔。
>>久々に1週間後が楽しみな時間が訪れた感じでした。
リアルな動きもよかったですね。『未来少年コナン』第一話の作画と比較すると、段違いに進化しています。(好き嫌いはあるでしょうが、、、。)
>>まあ今春のTVアニメは良作揃いですけど…。
僕も珍しく3本、ちゃんと毎週観ています。でも一番熱いものを感じるのは『グレンガラン』だったり(^^;)。アニメに、けれんみってやはり大事かも。
>>自分達が幼いときにど根性ガエルや未来少年コナンが
>>あったように、今の子供達にこれが原体験になるんだ
>>ろうなあと…マスターピース確定。
おー、マスターピース。そんな表現がピッタリですね。
今の子供たちに『電脳コイル』が受け入れられるのかどうかは、あの『未来少年コナン』のワクワクドキドキとユーモアをこれから提供できるかどうかですね。あんなに毎週楽しみだった番組はなかったからなー。
投稿: BP | 2007.05.13 18:18
自分はタイマー録画で先ほど見ました(笑)。
最近些かHDの調子が悪いので画面に頻出するブロック
ノイズに一瞬どぎまぎしつつ(まあLP録画でなければ
ブロックノイズ殆ど出ませんけど…)。
予想期待以上に滑らかで心地よい動きに暫し陶酔。
久々に1週間後が楽しみな時間が訪れた感じでした。
まあ今春のTVアニメは良作揃いですけど…。
自分達が幼いときにど根性ガエルや未来少年コナンが
あったように、今の子供達にこれが原体験になるんだ
ろうなあと…マスターピース確定。
投稿: あんまりよう | 2007.05.13 00:03
shamonさん、あ さん、こんばんは。
>>はい、私もリアルタイムでしっかり見ました。
>>プロモを見たときの感動が蘇ってきて楽しかったです。
>>どんな大漫画冒険モノになるか楽しみですね。
そうそう、僕は世代的に『未来少年コナン』の再来のような大漫画映画になることを期待してます。
>>なんかジブリ絵でしたね
というわけで、僕にはジブリというより、京子がジムシーに見えてしかたがありませんでした(^^;)。下品だし、、、。
とにかく土曜は『精霊の守り人』と『コイル』で楽しみな日になりました。
投稿: BP | 2007.05.12 23:29
なんかジブリ絵でしたね
投稿: あ | 2007.05.12 20:36
はい、私もリアルタイムでしっかり見ました。
プロモを見たときの感動が蘇ってきて
楽しかったです。
どんな大漫画冒険モノになるか楽しみですね。
投稿: shamon | 2007.05.12 20:26