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2007年5月

2007.05.31

■Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの

Fling_object03

 またこんなもの掲載すると顰蹙を買いそうですが、どうせフェイクだとわかっていてもワクワクしてしまうのだから仕方がない(^^;)。

Bizarre Thing in Sky(Flickr) rajman1977
(不気味な飛行物体三度現れる, Odd Aerial "Drone"経由) 

 カリフォルニア州カピトラで撮影した人がFlickrに掲載。
 4月と5/8(場所は不明)5/14カリフォルニア州レイクタホに続く3回目の目撃例。少しづつ機体が違うのもフェイクなら凝りまくり。 

 この撮影者の方は、マスコミにも写真を送ったがまだ何の連絡もないとのこと。で、自分でFlickrのアカウントをとったらしい。

 電柱とこの物体の位置関係から大きさを推測できそうですが、せいぜい数mのものなのかも。

Fling_object02
Fling_object04  Blogエルエルさんの記事 謎の物体?によると、「この物体は音はとても静かで非常にスムーズに動き、しかし加速して飛んでいくと瞬きをする間にも消えて見えなくなってしまった」そうです。

 機体に書かれた謎の文字も今回のものは以前のと微妙に違いますね。

 続報を待ちましょう。

 07.6/14追記
 Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの 正体判明

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2007.05.30

■上橋菜穂子『隣のアボリジニ』感想
  & 新刊メモ『ユリイカ』上橋菜穂子〈守り人〉がひらく世界

隣のアボリジニ―小さな町に暮らす先住民

 文化人類学者上橋菜穂子氏がオーストラリアでフィールドワークしたアボリジニのルポルタージュ。

 上橋氏の本は『精霊の守り人』しか読んでいないのだけれど、前半の緻密な情景描写と息詰まるアクションに感動した。そして専門の文化人類学に裏打ちされたであろう新ヨゴ皇国の設定。

 で、なぜか小説の続きを読むよりも、先に文化人類学のレポートを読んでみたくて手にとったのがこの本。200ページという薄い本ながら、白人社会の中でのアボリジニの歴史と今が生々しく伝わってくる本。

上橋菜穂子助教授 研究紹介(川村学園女子大学 観光文化学科)

 オーストラリアの先住民について、様々な角度から研究をしています。オーストラリアという国家の主流社会(アングロ・ケルト系の白人社会の中で、長い年月暮らしてきたマイノリティが、どのような文化変容を被るのか。そして、どんな風に自分たちの文化を創造していくのか……。

 「アングロ・ケルト系の白人社会の中で、長い年月暮らしてきたマイノリティ」としてのアボリジニの文化変容を、知り合った人々の語りを元に丁寧に慎重に描いてある。

 アボリジニというと、どうしてもエアーズロックの近くで管楽器ディジュリドゥを持つ孤高の民族ってイメージを思い出してしまうのだけれど、この本で描かれるのは白人の街で生活している人々なので勝手に思っていたイメージと随分異なる。
 誤解を恐れずに書くと、アメリカの白人社会の中で、歴史として迫害を受け文化的に変容している黒人やインディアン社会に近いものを感じた。

 本ではオーストラリアに白人が入ってきた歴史から紐解かれている。こうした不幸な歴史がアボリジニもあったというのは、全く恥ずかしいことに知らなかった。そして現代の彼らの変容と戸惑い。文化人類学というと、独特の風習であるとか思想を学問的に分析するイメージがあるのだけれど、ここで触れられているのはまさしく生活者としての生身の姿。文化としては呪術的側面や各種風習についても語られてはいるが、圧倒的に人々の生活の姿が興味深い一冊になっている。

『ユリイカ 第39巻第6号』(Amazon) (青土社 公式HP)

Eureka_uehashi_1特集*上橋菜穂子 〈守り人〉がひらく世界
【書き下ろし短篇】ラフラ(賭事師)
 〈守り人シリーズ〉外伝 / 上橋菜穂子

【よみがえる記憶、読書の歓び】
「もう一つの世界」のにおいを求めて / 上橋菜穂子×荻原規子

【更新されるファンタジー】
 小谷真理 安達まみ 天沢退二郎 日和聡子

【世界を読む男、変える女】
 上野俊哉 管啓次郎 長山靖生 永山薫

【はばたくイマージュを追って】
 白井弓子 大庭賢哉 小林エリカ

【ひろがりゆく上橋ワールド】
 藤津亮太 米光一成 榎本秋

【インタビュー】
「現実(リアル)」を問い直すためのファンタジー / 神山健治

 shamonさんにこういう特集本があるのを教えてもらいました。なかなか豪華な執筆陣で楽しみな一冊。『隣のアボリジニ』についても触れられているようです。

◆関連リンク
上橋菜穂子(Wiki) 
民族誌[上橋菜穂子]の講義情報
アボリジニ(Wiki) 
ピーター・ウィアー監督『ザ・ラスト・ウェーブ』(Amazon)
 アボリジニを題材にしたSF映画。ずいぶん前にSF大会で英語版で観た記憶。まったく内容を理解できず、どんな映画か記憶にありません(^^;)。この期に観てみようかな。

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2007.05.29

■NISSAN POWERED SUITS DUALIS
  日産パワードスーツ(というかトランスフォーマー?)デュアリス

日産デュアリス 公式HP
変形メカのパワード・スーツ、銀座に出現(+D Style)
日産:「マクロス」の河森正治デザインのパワード・スーツ公開(まんたんウェブ)

 すでにTV-CMも流れているので、いまさらな話題なのですが、3D-CGトランスフォーマー好きとしては、これは取り上げておきたい。まずはVTRをご覧ください。

 この公式HPの動画、カメラの手ブレ感覚とか、まさに素人が街で遭遇して撮ったという演出がなかなか好み。

 ただ惜しむらくは、変形シーンがはっきりと移っていないところ。唯一変形しているのは、TV-CFで流れているこれ(Youtube)なのだけど、はっきりとどう変形しているかがわからない。そしてパワードスーツとして人間が変形時、どう中で生存して活動しているのか(体がバラバラになりそう(^^;;))。

 河森正治デザインなので、きっと設定されているはずだけれど、是非詳細が見てみたい。日産の公式サイトでは、今後も動画が引き続き、追加公開されるらしいので、楽しみに待ちましょう。

パワードスーツのモックアップ動画

◆究極映像研内 関連記事  
「攻殻機動隊 S.A.C. meets NISSAN」  デザインコラボレーションイベント 
Google Video "transformer" 
自動車トランスフォーマー2題
NIKEが変形しロボットに!

・BMWミニクーパーロボット 日産もここまでやったら凄かったのに。
mini_toy  ・イギリス発のすごいロボット これは凝ったフェイクでした
 ・夫婦の愛が作った!ガソリンエンジン駆動ロボット
 ・あのイギリスのロボットはCG合成なのか?
 ・Dr. Colin Mayhew のメール
 ・Dr.Colin Mayhewのロボット続報

 ・MINIUSA.com ロボットをオーダーメード
 ・ミニチュアが限定販売
  通販ショップこちら。まだ買えるかは不明。

・実写版『トランスフォーマー』Note from Michael Bay
 02/17/06 07:23 PM

産総研認定「HRP-2m Choromet」出渕裕デザイン

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2007.05.28

■幻想植物 栽培日記3 ロマネスコ、フィールドへ

Romanesco070527

 異星の生物のような様態を持つ謎の数学植物(?)ロマネスコ。その栽培日記第3回です。

 いよいよ5cmほどに苗が生育したので、畑へと移植を敢行。50個の種のうち、苗になったのは38本。これだけ生育すれば、りっぱな幻想植物園映像が撮れます。

 このような植物を野に放つのは、いささか危険が伴いますが(^^;)、そうはいっても、いつまでも小さな鉢に入れておくわけにもいきません。太陽の光と養分にとんだ地球の大地で、のびのびと成育していってくれるでしょう。まかり間違っても隣の猫をその栄養分として吸収しないことを祈るのみです。

 「噛まれる!注意!」の看板は、いかに私が近所で変わり者のと思われていても、そこまではやれませんので、ご容赦を。各自、ご注意いただきたいもの。(嘘です、嘘(^^;))

 とこんなことをしつつ、本日、めでたく本Blogのアクセス数が100万に到達しそうです。
 みなさま、いつもご来訪、ありがとうございます。
 100万アクセス目を記録された方は、プロフィール記載の私のアドレスへメールください。ささやかなお礼の気持ちだけですが、ロマネスコ生育のあかつき(10月頃)には、宅急便で贈らせていただきますので、、、。

◆関連リンク 当Blog記事
幻想野菜 ロマネスコ
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき
幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く

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2007.05.27

■グレゴリー・コルベール『ashes and snow』

Gregory Colbert  "Ashes and Snow" (公式HP)
Fuji-tv ART NET:『ashes and snow』

 Nomadic_museum 動物と人間が交流し共存する、永遠の世界-。その究極の瞬間を追求するアーティスト、グレゴリー・コルベールによる50点を超える大型写真作品のほか、60分の映像1本、「haiku(俳句)」と呼ばれる9分のショートフィルム2本を展示公開いたします。

 移動式仮設美術館・ノマディック美術館は世界的に高い評価を得る建築家、坂 茂によって設計されました。(略)外壁に貨物用のコンテナを、屋根と支柱に紙管を用いるなど、(略)革新的な建築のアプローチを体現させました。

 衛星ハイビジョンでこの展覧会と仮設美術館の映像を観た。まず坂茂氏のコンテナと紙の柱で作られた神殿のような空間が素晴らしい。薄い茶色の照明と作品にマッチして、荘厳な空間が構築されている。またしても東京なので行けないのが残念。

 公式HPでノマディック美術館内部の様子とか映像も観られるので、遠方の方はネットで楽しみましょう。映写会場の空間も素晴らしいです。

◆関連リンク

 Gregory Colbert『Ashes and Snow, #2』 
 『Lalitamba 2: An Uplifting Literary Experience』(Amazon)
Gregory Colbert用インクジェット和紙制作 阿波和紙 Awagami Factory
坂 茂『SHIGERU BAN』(Amazon)

 本書は、坂茂本人の協力を得て、作品のテーマを浮き彫りにする紙、木、竹、プレハブ、スキンという素材とテーマごとのセクションに分け、プロジェクトを紹介するもので、坂の先駆的な素材試験を記録する技術的な情報も併蔵している。

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2007.05.23

■シンセサイザー奏者IZANAGI と薔薇園の究極映像

Izanagi  毎年、バラの季節に家族と花フェスタ記念公園というところへ出かけます。ここ、薔薇の種類と本数が日本一で、とにかく百花騒乱、壮観な景色が楽しめます。究極映像方面のネタもいくつかあったので、ご紹介。

IZANAGI 山頂&花園シンセサイザー演奏
  演奏情報 (公式HP)

5月11日(金)~6月18日(月)
花フェスタ記念公園薔薇園

 シンセサイザー奏者のIZANAGI氏がバラ園の中で、生演奏をされています。薔薇園を囲むように置かれたスピーカーから、春の気持ちいい日差しの中に、透明感と立体感のある素晴らしい音楽が流れて、すがすがしい気持ちにひたれます。
 シンセサイザーの屋外演奏というと、冨田勲氏が有名ですが、こうして1ヶ月間、バラの季節に合わせて演奏を続けられるのは素晴らしい試み。(演奏がない日もあるらしいので、花フェスタへTELで要確認)

究極映像方面植物

 品種7千種、6.1万株のバラの中には、こんなものもあります。(昨年も一部紹介)
Rose_dunwich
 左から、ダンウィッチ・ローズ、レイモンド・カーヴァー、オードリー・ヘップバーン。
 特に今年発見したダンウィッチ・ローズは、たぶんラブクラフトの作り出した架空の街ダンウィッチから名づけられたもので、その棘の禍々しさがクトゥルーしてました。(と思ったら、実在の地名ダンウィッチ・ビーチからとられた名前のようです。)

Daimyougin  薔薇ではないけれど、この右の写真も究極映像好みの怪異な植物。ロマネスコに続くヒットです。ユーフォルビア(大明神)という名前の多肉植物(サボテンではないらしい)。
 我々の世代には、『ウルトラQ』を思い出させますね。

◆関連リンク
IZANAGI『光の彼方に』(Amazon)

3千メートル級の山の頂上など,超自然の環境で作曲し演奏をするIZANAGIこと梛川貴史。掲載されている演奏写真は,満天の星の下,雲海の上など確かにすごい場所。音楽もスケールが大きく,おおらかで大自然を前にした感動が聞こえるようだ。

ユーフォルビア(大明神) (楽天)
・当Blog記事 「メッセージ.jp」 冨田勲 立体音響へのチャレンジ

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2007.05.22

■デヴィット・リンチの美術展カタログ
  『The air is on fire, David Lynch』

デビッド・リンチの世界へようこそ、
展覧会「The Air Is On Fire」 - フランス
(AFPBB News)

 「見るものが全てです」リンチは語る。
 「作品が全てを物語っている…でもそのほとんどは、言葉を持ちません。見る者が作品の前に立てば、そこから魔法が始まるのです」

The_air_is_on_fire_david_lynch

 TVブロスの滝本誠氏の連載『Cry Old-Baby Cry』でデヴィット・リンチの絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアーのカタログについて触れられていました。ほしくて堪らなくなり日本での入手方法を探査。

著者: David Lynch
     /Cartier Foundation for Contemporary Art
出版社: THAMES & HUDSON
ハードカバー  443ページ
言語: 英語     付属品: CD (AUDIO) 2枚
ISBN:9782742764969

国内で手軽に入手
『The air is on fire, David Lynch 』(Amazon.co.jp)
 現在、予約受付中\8917。5/30現在 \7157に値下げ。
David Lynch The Air is on Fire (楽天ブックス)
 現在、販売中10290円。なんでこんなに値段が違うんだぁー!

海外から安く入手
David Lynch: The Air Is on Fire (Hardcover) (米国Amazon)
 List Price: $70.00 Price: $44.10

 というわけで僕は、値段も考慮して、楽天をパスして米国Amazonで購入することにしました。送料が希望入手日数で変わりますが、約一週間で届く送料$15コースにしました。締めて、$44+15=$59。$59*120円/$=7080円なり。
 米国Amazonでの購入は初めてなのでちょっとドキドキしますが、一週間後が楽しみ。レビュウをお楽しみに!! 

5/30追記 1週間経っても米Amazonから何も送られてきません。上で修正したように既に日本のAmazonの値段がほぼ同じなので、無茶苦茶悔やみます。失敗ダー

◆関連リンク
タキヤンのよろめき日記 ちょっとラリックス リターンズ
 6月に出版される滝本誠氏リンチ本の原稿仕上がり状態はこちら。5/11現在、300枚のうち、残り30枚らしい。頑張ってください!楽しみにしてます!
The air is on fire, David Lynch - カタログ , BIEF
 翻訳したい方は、こちらで版権を扱っているようです。
・Blog 亡兎観現世さん : David Lynch a la Fondation Cartier
・Blog 50歳のフランス滞在記さん 異形の作家、デヴィッド・リンチ展。

・当Blog記事 デヴィット・リンチの絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー

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2007.05.21

■北尾トロ 杉並北尾堂
  『ヘンな本あります―ぼくはオンライン古本屋のおやじさん2』

杉並北尾堂、Blog オンライン古本屋の日常(公式HP)
『ヘンな本あります―ぼくはオンライン古本屋のおやじさん2』(Amazon)

 著者は、1999年に開店したオンライン古書店・杉並北尾堂店主。本作では、多くのフォロワーを生むことになった前著「ぼくはオンライン古本屋のおやじさん」以降のドタバタを軽妙なタッチで描いた。

 たまたま図書館で手にとった本。オンライン古本屋さんの本を巡るチャレンジの記録。
 北尾トロ氏の本を読んだのは初めて。いいですね、この軽快感と脱力感。肩に力を入れすぎず、楽しみながらいろいろなチャレンジを続けるところがとにかく楽しく読める。

 古本屋としての記録だけでなく、ここを拠点にした地域密着のミニコミ誌の話とか、新刊本をオンデマンド出版するミニ出版社としての試みとか、期間限定のブックカフェとか、とにかく読んでいて次は何が出てくるのかという、ワクワク感がある。本好きにはたまらない記録である。
 なんで本の紹介に、amazonのアフェリエイトのリンクが張られていないのだろう。本をあれだけ出していて、しかも面白い北尾トロ氏のBlogならアクセスの拡大とアフェリエイトの稼ぎも馬鹿にならないだろうに。

北尾 トロ『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』

北尾トロ,高野麻結子『新世紀書店--自分でつくる本屋のカタチ』

 

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2007.05.20

■『電脳コイル』探索<2> 第2話「コイル電脳探偵局」
  ポストンくんと『グラン・ヴァカンス』グラスアイ

Sachi_poston_kunポストンくん 顔郵便マーク (郵政公社)
  情報通信行政

 情報通信省構想は、郵政省(現:総務省)の解体にまつわる議論の中から生まれたものだった。郵政省の郵便業務を郵政公社にするとともに、米国の連邦通信委員会(FCC)のように情報通信行政を政府の外部機関となる独立委員会で取り扱うようにしたいというのが当時の考えだった。
 省庁再編時には情報通信省構想は実現せず、情報通信行政は総務省の管轄となった。

 サッチーの顔に見覚えがあったのでちょっと調べてみたら。ありました郵政省のポストンくん。『電脳コイル』の時代には、ふたたび情報通信行政は郵政関係の管轄に戻っているのかもしれないですね。小泉改革は失敗して郵政はふたたぴ公共機関へ戻るのか??(^^;)

◆第2話「コイル電脳探偵局」

 さて第二話は、物語に謎が提示されるとともに、メガバア(オババ)の登場で快調にドライブ感が上昇してきました。「悪ぁるい子は、いねぇーかー」!!(^^;)。

 音楽まで模倣したような『トトロ』そっくりのシーンが今回も登場、ネットでは批判の的になっていますが、まさに誰でもわかるあの雰囲気、おそらく作り手側はわざと、まさに確信犯でやってますね。
 「うんち」や「デンスケ」の落書きもそうだけれど、このシーンはちぴっことそのお母さんをつかむためのシーンでしょう。ジブリアニメの定番ツールに擬態することで、電脳の敷居の高さを忘れさせて、お茶の間の子供たちとお母さんの心に潜入。
 かつミックスドリアリティや額からビームやミニスカートを活用し、大人のオトモダチも囲い込む全方位掌握戦術と僕はみました。

 そうとうしたたかな戦術だと思うけどなー。もしかしたら、2ch等で『トトロ』シーンが批判にさらされて話題を盛り上げることも織り込み済かと。『電脳コイル』の対象年齢って、ここまでの二話分で、相当の広さを持ってますね。(小学生の男子が少し置いてけぼりか??)

 このまま漫画映画的楽しさとミステリアスなSF的な冒険感を拡大していったら、広い年齢層に次週を待たれる人気を獲得できるのではないでしょうか。僕は「悪ぁるい子は、いねぇーかー」!!でメガバアに心を鷲掴みにされました(^^)。

 古今東西の土俗的仮面を収集、電脳工房でハッキングツールを作り上げ、駄菓子屋ならぬMEGASHI屋を営み、額から青いビームを出して電脳妖怪を追いかける脳神経科学者の妻。この素晴らしくワイドスクリーンバロックなババアに、SFマインドをゲットされない奇想小説ファンはいないでしょう(^^;)。

◆メタバグと硝視体(グラスアイ)

 

 不思議な力を持つ電脳物質メタバグ。今回はメガバアの「精進の賜物」なメタバグの職人的取り扱いシーンが観られたわけだけど、メタバグで思い出したのは、飛浩隆のSF『グラン・ヴァカンス』に出てくる硝視体(グラスアイ)と呼ばれる電脳世界の魔法の宝石。

『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』読書会より

硝視体:シュレッディングされたゲストの情報的似姿の残骸から発生したと思われる存在。区界へとゲストと同等、もしくはそれに近い、イレギュラーな力の奮い方をするためのデバイス。

『グラン・ヴァカンス』登場人物一覧より 

硝視体[グラス・アイ]
〈クリスタル・シャンデリア〉 〈火の親方〉 〈スノースケープ〉 〈ファム・ファタル〉

 ミックスド・リアルな『電脳コイル』の世界と異なり、『グラン・ヴァカンス』は「数値海岸:コスタ・デル・ヌメロ」と呼ばれる完全電脳空間が舞台なのだけど、硝視体と呼ばれる宝石のようなものが町のここかしこで見つかる。そして電脳空間内の超能力ツールとして使用されていて、それを職人的に扱える特殊能力者が登場する。

 硝視体の僕の脳内映像イメージは、まさに『電脳コイル』で映像化されたメタバグそのもの。

 『グラン・ヴァカンス』の硝視体は夏の秘密の海岸でたくさん採れて詩的な響きを伴っていたけれど、『電脳コイル』のメタバグは駄菓子屋で婆ちゃんが売っている。この差が物語りを今後どう推進し、電脳ツールとしてどう活躍するか。駄菓子屋の硝視体にも期待しましょう。

飛 浩隆『グラン・ヴァカンス―廃園の天使<1>』(Amazon)
飛 浩隆『ラギッド・ガール ―廃園の天使<2>』(Amazon)

◆関連リンク

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  ポストンくんと『グラン・ヴァカンス』グラスアイ"

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2007.05.18

■映画メモ アンデルス・ルノウ・クラルン監督
 『STRINGS/木偶迷城 : ストリングス ~愛と絆の旅路~』

Strings
公式HP(予告編) Yahoo!映画 - ストリングス ~愛と絆の旅路~

すべての人間の手足や頭から糸が伸び、天へと伸びているマリオネットの世界があった。ヘバロン王国の国王が、ある日、自らの頭の糸を切って自害し、息子のハル王子に王位を譲ろうとする。

原題 STRINGS/木偶迷城  製作年度 2004年
製作国 デンマーク      上映時間 93分
監督アンデルス・ルノウ・クラルン

 予告編を観ると、この世界設定が凄く面白そう。
 操り人形が生きている世界で、糸を切られると死ぬ、という設定が素晴らしい。人形たちがこのルールを自覚しているというこの世界設定。

 上の引用シーンでは、自らの糸を手繰って一人の人形が山を登っている。予告編ではこれが何の目的であるのかよくわからないが、凄く想像力(奇想力)を刺激する。
 自らの操り人形としての造物主を求めて、天高く消えている自分の糸を手繰る主人公、、、果たしてその先には? と想像するとイマジネーションが広がる。(本当にそんな映画なのかは、まだ観てないのでわかりません。たぶん違うと思う(^^;))

 この予告を観て、イアン・ワトスンの奇想小説「絶壁に暮らす人々」を思い出した。
 「上下左右、どちらを見ても果てしない崖が続く世界。そこに新たな変化が……」という話。SFでいくつかある、超絶的なある特定の状況が当たり前の世界。そこで暮らすしかない住民たちの特異な生活。ここから生まれる奇想(バカSFとも言う(^^))。

 『ストリングス』はそんな映画ではないかもしれないけれど、いたく想像力を刺激する。
 映画は、5mの糸のマリオネット115体を22人の世界中の人形使いが操って撮影されたということだが、チェコ的な映像空間でどんな奇想が描かれているのか、とても気になる。

イアン・ワトスン『スロー・バード』「絶壁に暮らす人々」収録 (Amazon)

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2007.05.17

■『電脳コイル』探索<1>  複合現実と強化/拡張現実
  ミックスドリアリティとオーグメンテッド・リアリティ
  MR(Mixed Reality) & AR(Augmented Reality)

Mixed_reality_augmented_realityMRとARの関係

MR(Mixed Reality)
AR(Augmented Reality)
       (wikipedia)

 『電脳コイル』に関連して、ミックスドリアリティとオーグメンテッド・リアリティについて、調べてみた。
(ややこしい話は不要の方は、下の◆ARの実例 (Youtubeより)へジャンプ。面白い映像有)

 まず上の関係図(ARのリンクより)。これで現実仮想の間に横たわるMR:複合現実AR:強化/拡張現実の位置づけはバッチリわかってもらえると思う(なんと楽チン(^^))。
 『電脳コイル』の世界は、(今のところ)MRのうちのARの技術が町に展開された世界であると捉えることができる。では、ARとは?

AR:強化/拡張現実

コンピュータイメージフロンティア3 「電脳映像空間の進化」
  人工現実感から複合現実感へ 立命館大学 田村 秀行氏

Karma  典型的な例は,シースルー型のHMDをかけて現実世界をメガネ越しに眺め,そこへ仮想世界のCGデータを重畳表示して見るといった用法である。(略)AR研究の初期の著名な例で,コロンビア大学のKARMA:Knowledge-based Augmented Reality for Maintenance Assistanceと名づけられたシステムである。このシステムは,レーザービーム・プリンタの保守作業ガイドを対象とし,プリンタ内部の構造や可動物をワイヤフレームで重畳表示している。(略)利用者の視点位置からシースルー眼鏡をかけて実時間ARを体験させたシステムとして,記念碑的な役割を果たした。

 (略)ARについては,こうした視覚的なシースルーや重畳表示とは違った意味で使われることもある。ゼロックス社パロアルト研究所のM. ワイザーの提唱する「遍在型コンピューティング」(Ubiquitous Computing)もその1つである。

 どうです、まさに「メガネの子供たち」の元祖。
 この田村先生のHPは、解説が非常に充実していて、興味のある方は、じっくり読んでみることをお薦めします。(もともとキャノンのMRシステム開発センター長を勤められていたとか)

ARの実例 (Youtubeより)
Mixed_reality
Virtual face talking - Virtual Stormtrooper(写真左)
 顔の映像にドナルドやストームトゥルーパーが重畳される面白い映像。
Physics and Augmented Reality - Part 2 (写真右)
 車のCGがリアルな物体と干渉するのを物理シミュレーションしたもの。これはリアル。
Physics and Augmented Reality - Part 1
 上のシリーズで、建物にボールが当たって傾きにあわせて転がるシミュレーション。
Augmented Reality Encyclopedia
 こんな百科事典があったら子供は釘付け。「メガネの子供たち」は間違いなく使っている。
2D/3D Helicopter (Augmented Reality) 
 本から3D CGのヘリコプターが飛び出てくる。
ComputerTrend-TV Augmented Reality ARVIKA 1 of 2
 ドイツの研究機関ARVIKAを紹介するTV番組。車のホイールにタグをはってアルミホイールのデザインを確認できる。さすが自動車技術の国、ドイツ。
mobile service design in urban planning(mixed reality)
 2次元のバーコードのようなもので位置を特定してそこにCGのキャラクタや写真を配していく映像。

◆関連リンク

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  ミックスドリアリティとオーグメンテッド・リアリティ
  MR(Mixed Reality) & AR(Augmented Reality)"

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2007.05.14

■Andy Huang監督 『 Doll Face 』

Dall_face YouTube - Doll Face

 たまたまYoutubeで見つけたCG。これ2005年の作品だけど、アヌシーやSIGGRAPHでもセレクトされていたそうです。

 ちょっと不気味だけれど、女性の美への哀愁がただよう作品。

Andy Huang監督 (ROOT FILM)

Doll Faceの詳細 (Anim Watch)

 このAnim Watchには、いろんな作品がリストアップされていて、リンクをたどると面白い作品に出会えそうですが、今日のところは時間がないので、この作品の紹介にとどめます。

 どなたかこれは面白い、というのを見つけたら、コメントに書き込み下さい。ではでは、お休みなさい。

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2007.05.12

■NHK 磯光雄監督 『電脳コイル』スタート
  第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ

ima-ima's INFO(磯光雄HP) 監督の言葉

随分と長くかかってしまいましたが、ついにと言うか、とうとう「電脳コイル」が5月12日午後6時半から放送開始です。

最初は深夜枠とかでこそっと放送されるのだろうと思い高をくくっていたのですが、思いがけなくいい枠を頂いてしまい、ちょっとどぎまぎしています。

 ついに待望の磯光雄初監督作品『電脳コイル』がはじまりました。

◆第1話 「メガネの子供たち」 (NHK,徳間書店(公式HP))

 第一話は、『電脳コイル』の世界がどんなものかを説明しつつ、なかなかいいテンポで、大黒市へ引っ越してきた主人公小此木優子のものがたりをスタート。
 ストーリー運びとこれはいったいどんな世界なんだというワクワク感があっていい感じ。ただ子供には、面白い事象があるけど、いったいこの世界は何って感じかも。

ミックスドリアリティ

Dennou_coil_itodennwa_1  『電脳コイル』が描く世界は、コンピュータの電脳空間(ヴァーチャルリアリティ(VR、仮想現実感))が、メガネ型ディスプレイを通して、現実の街の中に現れるミックスドリアリティ(MR、複合現実感)の世界である。

 「メガネの子供たち」というタイトルは、ミックスドリアリティのキーポイントとなる「メガネ」で自由自在にMRな世界を遊び場に楽しんでいる子供たちをズバリと表現している。フィジカルに子供が走り回る現実の街に、ドラえもんの秘密道具と同じに小さなカバンの空間から電脳ツリザオが取り出される世界。

 ただの電脳空間でなく、子供が飛び回りつつ不思議なものがいくらでも街の中に現れることのできる世界を(メガネへの投影とたぶん触覚、質量のフィードバックだけどね)、現実の技術の延長で説得力を持って設定できているのが凄く面白い。(ここまで徹底してやってるのって、今までないよね?)

ヴァーチャルとフィジカルの共存

 だけど面白いのは、第一話でデンスケが古い電脳空間から戻れなくなって、主人公が本気であせったように、ただの投影ではあるけれど、電脳空間の中では投影ではなくまさに実在である、っていうところ。

 現実の世界の重みと、電脳世界のヴァーチャルな存在の重みが等価で、登場人物の前に現出するというところが、物語の可能性をいろいろと予感させて、とても楽しみ。現在2007年の世界も、われわれの現実に対して電脳仮想世界のリアリティはどんどん増している。それがもっと進んだ世界で子供たちはどんな冒険をするのか。

 フィジカルに走り回る作画の達人たちによる漫画映画の楽しみと、エッジのきいたヴァーチャルなダイナミックさを共存させるのに、とてもいい設定だと思う。アニメータとしての磯光雄の才能を、物語作家としての磯光雄の設定が、うまく活かしてゆける設定。

そして現在へ投げかけるもの(なんちって)

Dennou_coil_book  もっと突っ込んで書くと、実は電脳がない時代でも、ヒトの現実は脳という仮想世界と共存していたわけで、それがミックスドリアリティという技術で、誰でもが当たり前のものと認識しているのが『電脳コイル』世界である。

 現実と仮想(電脳)の関係を、ある程度、正確に認識できる世界で、子供たちがどう賢く動いていくか。これはまだ現実と仮想(人体の脳)の関係があいまいな現代の子供たちに、何らかの行動指針を与えることが出来る設定でもあり、今後の展開が期待される。

 街の中に平然と不思議なものが現れる大冒険漫画映画になる期待も大きく、とにかく続きが楽しみ。次週「コイル電脳探偵局」をお楽しみに!! 

◆関連リンク 当Blog記事

<電脳コイル>
アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』
アニメーター磯光雄と金田伊功と脳の構造の関係
『電脳コイル』 スタッフ公開!  
NHK試写会記者会見リンク
NHK教育『電脳コイル』 はハイビジョンか?
『電脳コイル』TAF2007プロモーション映像 
『電脳コイル』その他

<現実と仮想と脳の関係> サブカルよりの話
 池谷裕二『進化しすぎた脳』について
 感想 1 「脳と無限の猿定理」 感想 2 「無意識の脳活動と芸術家の「半眼」」 
 感想 3 「脳のトップダウン構造と視覚」 
 ※ミックスドリアリティと関係が強いのは感想3

以下、邪推ですが、ネタばれになりそうな部分を含むので、ご注意を

続きを読む "■NHK 磯光雄監督 『電脳コイル』スタート
  第1話 「メガネの子供たち」 と ミックスドリアリティ"

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■朗読ギグ 古川日出男×向井秀徳 放映&ネット配信
  単行本『ハル、ハル、ハル』刊行

古川日出男公式サイト インフォメーション

・KIASMA.vol.18「古川日出男ץ向井秀徳」(5月3日開催)で繰り広げられた古川さんと向井さんのセッションのダイジェストが、スペースシャワーTVの番組「爆音アトモス」内で放映されます。

・7月5日 単行本『ハル、ハル、ハル』が河出書房新社から刊行

Furukawamukai_1爆音アトモス
 (スペースシャワーTV) 
 ライブ:
 古川日出男×向井秀徳

 初回:5/9(水)
  21:00~22:00
 再放送:5/12(土)
  22:00~23:00
 再放送:5/15(火)
  24:00~25:00

 まさかTVで観られるとは思っていなかった。放映されたのは約7分。
 そこには『ベルカ、吠えないのか?』を熱く朗読する作家古川日出男とエレキギターを弾くロックミュージシャン向井秀徳の姿が。茶の間に。

 最初観た時は、朗読のリズムが自分の思っていたイメージと合わず奇異な感じ。
 そして2回目。頭の中に文字を思い浮かべ、手元の『ベルカ、吠えないのか?』をめくりながら観る/聴く。

 放映されたのは、P106「外見のまるで異なる雑種の七頭の子犬たち」~P112「同時に蒼穹を見上げていた」まで。+目次の各章タイトルの熱唱。

 やっと『ベルカ、吠えないのか?』のリズムが/作家の感じているリズムが、頭の中に体の中に染みてくる。向井秀徳の音も素晴らしい響きに。

 クライマックスは、ジャーマンシェパードの母犬シュメールとそのハイブリッドの七頭の子犬が、無重力の空間にいるソ連のライカと視線を合わせる「イヌたちの歴史に残る、あの1957年」のシーン。途中から向井の朗読/ボーカルがかぶる。ここが圧巻。

 素晴らしいギグに拍手を送りたい。

 再放送と、5月下旬からネット配信(http://www2.spaceshowertv.com/DAX/)もあるので、古川日出男を読まない人も彼の文学のイメージを体感できると思う。
 ファンの方は、NHK週刊ブックレビューで朗読する古川日出男を観た人もいると思うけれど、音楽とシャウトであれとはまた別種。

河出書房新社|特集|「ハル、ハル、ハル」刊行記念特設サイト

「この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ」
文学の臨界点に挑み続ける古川日出男の最高傑作。いよいよ7月7日発売決定!

古川さんへの質問を大募集。
いただいた質問、古川さんからの回答は7月7日発売の「文藝」秋号にて一挙掲載!

掲載させていただいた方にはなんと、「ハル、ハル、ハル」刊行記念・古川さん自身による朗読サンプラーCDを差し上げます。締切は6月1日AM0:00。

古川氏メッセージ「生まれながらのフィクション原理主義者として、親にも国家にも担当編集にも嘘をついてきましたが、読者にだけは嘘をつきません。何でも訊いてください。」

 「全部の物語の続編」、こりゃまた凄いチャレンジです。「読むものを狂気に導き歴史さえも覆す一冊『災厄の書』」を宣言して、作中作として描き上げた『アラビアの夜の種族』に続き、途方もない「全部の物語の続編」への古川のチャレンジを瞠目して待ちたい。

 朗読サンプラーCD、絶対ほしい!

◆関連リンク
「古川日出男×向井秀徳 in KYOTO」information
 (KIASMA:キアズマさんの ライブイベント紹介ページより)
ふなさんのblog真昼に見る夢 ■[ライブ]古川日出男×向井秀徳
 詳細にレポートされています。『ベルカ』のセッションがクライマックスだったとのこと。

・当Blog記事 『聖家族』シリーズ 朗読ムービーファイル
『爆笑問題のススメ』 古川日出男の巻 『ロックンロール七部作』 『ボディ・アンド・ソウル』 『ベルカ吠えないのか』  『LOVE』 NHK週刊ブックレビュー 特集 古川日出男『LOVE』を語る

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2007.05.09

■リアル板野サーカス
  航空ショーでの迫力ある赤外線フレア射出シーンの写真

Itano_circuse
惊险刺激的战斗机飞行表演 (赤外線フレア射出シーン)
C-130 Deploying It's "Angel Decoy" (天使の羽根を持つ戦闘機のムービー)
 (航空ショーでの迫力ある赤外線フレア射出シーンの写真 - GIGAZINE経由)

 いつも興味深い話題を提供されているGIGAZINEで見ました。
 まさにアニメータ板野一郎氏の板野サーカス(wikipedia)を地でいく素晴らしい映像。僕が稚拙な文で表現してもこの凄さは伝わらないので、とにかくリンク先を観てください。

ミサイル乱射シーン
ロケット花火遊びが活かされた板野サーカスの代名詞。ロックオンした標的へ一直線ではなく、複雑かつ立体的な軌道で迫る無数のミサイル。糸引く白煙の芸術的な航跡から通称「納豆ミサイル」と呼ばれ、それらを緊急回避する標的機の機動も見所となっている。従来のロボットアニメではサブウェポン扱いだったミサイルに着目し、破壊力よりも「弾数の多さ」でけれん味を演出している。

 中国の歌嘹亮さんという方の引用された写真なので、中国の戦闘機でしょうか。(どなたか詳しい方、コメントください。)

※5/13追記 STB-1さんの情報
 ロシアのスホーイ社製戦闘機Su-27「フランカー」でこれはアクロバットチーム「ロシアンナイツ」(ルスキーエビチャージ)の演技。

◆関連リンク
板野サーカス動画集
第3回 板野サーカスの神髄
(WEBアニメスタイル COLUMN アニメ様の七転八倒 小黒祐一郎氏)

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2007.05.08

■デヴィッド・クローネンバーグ監督『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

History_of_violense ヒストリー・オブ・バイオレンス Trailer (APPLE)
ヒストリー・オブ・バイオレンス - 映画作品紹介 
A History of Violence (公式HP)

 エド・ハリス、ウィリアム・ハートら名優と並んで、素晴らしく深みのある役をヴィゴ・モーテンセンが見事に演じている。

 デヴィッド・クローネンバーグの渋い演出と、このV.モーテンセンの演技で素晴らしい映画になっていると思う。お薦め。

★★★★★★★ネタばれ注意★★★★★★★

 特に良かったのが写真のシーン。
 ここでモーテンセンの眼と体の動きが切り替わる。内面から隠れていたものがウニュっと現れる不気味さが見事に表現されている。
 記事を書くのに、改めてそこだけ見直してみたが、それだけでは凄みはあまり感じられなかった。映画の連続性の中で、微妙な演技の違いで観客に「変わった」と思わせているようだ。このニュアンスのつけ方が素晴らかった。

ジョン・ワグナー, ヴィンス・ロック『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
 (Amazon) 原作コミックの翻訳版。このAmazonのカスタマーレビュウによると、賛否両論だけれども、コミックは映画とずいぶん違う印象のようです。

History_of_violense_comic_1  Vince Lockeの描く主人公はこんな顔。ずいぶん映画と違う顔。

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2007.05.07

■デジスタ 山路直樹作『うんぴつ』
   & 『アニメギガ』オープニング 

Unpitsu_2
アニメギガAnime Giga (NHK) 水曜日 00:00~00:39 [BS2],  18:00~18:39 [BS-hi]

5/30(水) 0:00-0:39 
世界が認めるアニメーション表現の最前線 今敏さん(アニメーション監督)

 という話題ではなく、今回はこの番組のオープニングについて記事にします。
 黒子が二人、ビルの谷間を駆け抜けて、空中に筆で雲の文字を書く(運筆/雲筆)、この印象的な映像について。

 この映像は、デジスタ出身のアーティスト山路直樹氏の作品。で、その元となった作品が『うんぴつ』というデジスタセレクション作品。

Unpitsu_3デジタル・スタジアム(06.10/14,キュレーター:ピエール瀧)

うんぴつ UN-PITSU   山路直樹 Naoki YAMAJI

Mr.中谷
 (略)背景となる写真を撮影します。ちょっとずつカメラの角度を変えながら、何枚も撮っています。撮影した写真をパソコンに取り込み、パノラマ状に配置します。こうすると、あたかも本当に屋上にいるように、自由にカメラアングルを設定できるんです。こうして出来上がった空間にキャラクターを配置して、動きをつけて行きます。(略)
 背景に写真を使って、更にあたかも実際に撮影したような手ブレを加えたことで、3DCGのバーチャルな世界にリアリティーを与えているんです。

 この作品、残念ながらグランプリには選ばれなかったのだけれど、僕はこの日の放映の中では一番と思った。リンク先でメイキングの詳細が述べられている。技法も良かったが、なにしろ映像のセンス 街の中の雲のCGのリアリティと立体感が素晴らしかった。

 アニメギガのオープニングは、この作品のさわりをエッセンスとして取り出しているだけで、『うんぴつ』全体が持つ独特の良さは出ていない。『うんぴつ』では、ビルだけでなく、街のアチコチが舞台になり、車といっしょに黒子が走るところとか、失踪感が素晴らしい。そして書き出される文字のメッセージ性。

 ラストの重いイメージについては、キュレータのピエール瀧は否定的だったけれど、僕はそこも含めて作品として好きだった。くっきりしたCGのシーンにかぶる荒れた画像のおそらく現実を暗示する暗ーいシーン。ここと黒子の爽快感の落差が素晴らしかった。
 (実は06.10月の放映後、記事を一度書いたのだけれどトラブルで全部消えてしまったので、アニメギガを機会に今回改めて書いてみた。)

 山路直樹さん、サラリーマン生活との両立は大変かと思いますが、今後もいろいろな作品を見せてほしいものです。影ながら応援してます!

◆関連リンク
山路直樹氏HP
・東京国際アニメフェアTAF2007
 Outstanding Animated Work (General Category) UNPITSU (うんぴつ) YAMAJI NAOKI(山路直樹)
 山路直樹 クリエーターズワールド

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2007.05.06

■幻想植物 栽培日記2 ロマネスコ、芽吹く

Romanesco070505mebuku

 まるで異星の生物のような様態を持つ謎の植物(?)ロマネスコ。その栽培日記2です。

 右の写真の青○の中が芽です。4/28にポットに種まきした55個の種のうち、現在28個芽吹いています。最初に芽が出たのが5/3、そこから一気に増えてきています。
 生育はなかなか順調。この調子でいくつの芽が幻想植物となるまで生育するのか、楽しみです。

Romanesco070505me_1  今のところ、種と同じく芽も特に他の植物と異なる特徴はありません。いつから変態するか楽しみです。

 芽のアップは左。ふつうでしょ。

◆関連リンク
幻想植物 栽培日記1 ロマネスコの種まき

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2007.05.05

■新刊メモ他 奇想コレクション 『失われた探険家』
  タカラトミー 二足歩行ロボットおもちゃ 『Omnibot2007 I-SOBOT』

Ushinawareta_tankentaiパトリック・マグラア, 宮脇孝雄訳『失われた探険家』(Amazon)
   (河出書房新社公式HP)

12歳の少女が庭で見つけた、行方不明の探検家――現代のポーと激賞される異色作家が綴る、グロテスクで官能的な世界。SF寓話からゴシックホラーまで全19篇。待望の全短編集。

 デヴィッド・クローネンバーグ監督『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』 の原作兼脚本家 パトリック・マグラアの短編集。『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』は渋くて良かったので、この短編集も読むのが楽しみ。

◆松尾たいこ<奇想コレクション原画展>開催 河出書房新社

松尾たいこ<奇想コレクション原画展>
期間:4月23日(月)~5月6日(日)  会場:丸善丸の内本店3F 

 ミステリ、ファンタジー、ホラー、現代文学のジャンルを超えて、「すこし不思議な物語」の名作を集めたアンソロジー・シリーズ「奇想コレクション」。松尾たいこさんは、この不思議な世界を、カバーのわずかな面積で 毎回表現しています。その貴重な原画を今回、一挙に初公開!この機会に、松尾たいこさんが描き出す<奇想ワールド>をご堪能ください。

 紹介記事を書くのが遅れて、すでに今日が最終日です。最近SFの表紙にどんどん進出している松尾たいこ氏の原画。近くなら覗いてみたかったのですが、、、。何故海外SFの表紙にこの方のイラストが増えているのか、ご存知の方、教えてください。イラストとしては嫌いでないのですが、奇想コレクションに合うとは僕にはなかなか思えないので、、、。

タカラ『Omnibot2007 I-SOBOT』(Amazon)
 タカラトミー、31,290円の二足歩行ロボット「Omnibot2007 i-SOBOT」正式発表.

商品名    :『Omnibot2007 i-SOBOT(オムニボット 2007 アイソボット)』
価格     :31,290 円(税別価格 29,800 円、税 5%:予価)
商品サイズ :(W)96×(H)165×(D)67 ㎜(ロボット本体)
商品重量  :約 350g(バッテリー含む)
発売日   :平成 19年7月予定
年間販売目標 :5 万個

 この手の2足歩行ロボットとしてはお手ごろな値段。どのくらい遊べそうか、まずはおもちゃ屋でいじってから検討ですかね。Amazonの取り扱いはスタートしたけれど、店頭にはいつから並ぶんだろう。

◆関連リンク
・パトリック・マグラア, 富永和子訳『スパイダー』(Amazon)
パトリック・マグラア脚本,デヴィッド・クローネンバーグ監督
        『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』
(Amazon)
・松尾たいこ氏公式HP、Blog a piece of life

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2007.05.04

■刈谷市美術館『チェコ絵本とアニメーションの世界』感想

Czech_illustration_animation
 刈谷市美術館 『チェコ絵本とアニメーションの世界』(当Blog紹介記事)
 
 チェコ絵本・アート本のネットショップ クリチカさんから招待券をいただいて行ってきました(クリチカさん、本当にありがとうございました)。

 刈谷の駅を降りると、駅のコンコースにはこの展示会の大きな垂れ幕があります。そして歩いて10分ほどの美術館には上のような看板。以前のトゥルンカ展の時もそうですが、こうしたチェコの大きな文字とその独特の作品の一部が街の中に現れると、それだけでなんだか浮き浮きと嬉しくなってしまいます。

美術展の全体

Czech_illustration_animation_table  展示は美術館の一階と二階のほぼ全体を使っており、絵の展示が二会場、プロジェクタによる大画面での絵本映像とアニメの映写が一会場、そしてモニタによるアニメ紹介が4箇所。他に茶室での展示に関係したお菓子の茶会と、手にとって絵本や美術書を見られるコーナー(シュヴァンクマイエルの本やチェコ総合情報誌 CUKRも置かれていました)。右が映写会場のプログラム(クリックで拡大表示)。絵本映像というのがなかなか良かったです。これはこの展示会のために作られた映像で、子供が絵本をめくっていく映像を収めたもの。絵本をめくる手の動きから、子供のワクワク感がどっか伝わってきて、いい感じに出来上がっていました。

作品メモ

 実はチェコアートと言っても僕が知っているのは、ヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻、そしてイジー・バルタ、トゥルンカ、ブジェティスラフ・ボヤールといった一部のアニメーションアーティストのみ。絵本の世界は、時々目には触れているけれども実はその作家の名前も良く知らない、という素人。

 以下、作家の名前を意識しながら作品を見たのは実は初めてというような素人の感想ですが、興味を持った作品についてメモします。

オンジェイ・セコラ:Ondrej Sekora 『アリのフェルダ』 (Googleイメージ検索)
  『ミッキー・マウス』の誕生から数年後、チェコで生まれた秀逸なキャラクタ。絵のタッチがとても柔らかくて、そしてキャラクタが活き活きとして味わい深い。
 会場では人形アニメ版を上映していたが、僕はこの作家のタッチのままでセルアニメになったものが観てみたかった。

エヴァ・ベドナージョヴァー:Eva Bednarova 『チューリップ大尉とボルドーのお姫さま』 (Googleイメージ検索)
 図録を見ながら描いていますが、やはり原画が圧倒的に良かった。こちらはセコラと違って絵画的なタッチ。重厚で幻想的なイメージがよかった。モノクロ調の『レニと呼ばれた私』も好きです。

エヴァ・シェディヴァー:Eva Sediva 『パシャダイ王子をルツカがどうやって助けたか』
 淡い透明感のある水彩の絵。これは絵が不思議なイメージでストーリーを是非知りたくなった。大きな目玉の赤い鳥はいったい何なのだろう。

ヴラスタ・バラーンコヴァー:Vlasta Barankova 『Nの街から』 (Googleイメージ検索)
 時計塔の中でテーブルを囲む3人の男と、時計にとまる襟巻きをした大きなカラス。ぐりぐりと力強いイメージが絵から立ち上がってきた迫力のある1枚。

ペトゥル・シュマレッツ:Petr S'malec 『シュマレッツのアルファベット』
 残念ながらネットにはこの方の絵が見つからない。ディジタル彩色でくっきりきっちりとした絵だけれど、なんだかぬぼっーとした感じがとてもいい。セコラのフェルダが絵の一角に登場しているのも楽しい。

ペトゥル・シース:Petr Sis  :Hlavy
 これは上映されていたアニメーションの一本。ジョゼッペ・アルチンボルトにインスパイアされた作品。これは今展示会の映像作品の中で一番刺激的だった。 

刈谷とチェコアートの関係

 クレジットを見ると図録の「編集」は、刈谷市美術館学芸員 松本育子氏と株式会社イデッフ 柴田勢津子氏となっている。図録の中には松本育子氏氏による「ハヴリーチクーフ・フロト美術館を訪ねて」というエッセイが収録されている。ハヴリーチクーフ・フロト美術館は絵本のイラストレーションを専門にコレクションしているチェコの美術館で、多数の所蔵作品を今回の美術展に提供されているが、エッセイでは2005年にこの企画展のための調査で、松本氏がチェコのここを訪問されたことが綴られている。

 ここから判断すると(明確には書かれていないので私の推測)、この展示会を企画されたのは刈谷市美術館の松本育子氏ということになるかと思う。(以前の『イジー・トゥルンカ展』でも図録の編集に同じく松本育子氏と柴田勢津子氏の名前がある。)

 我が愛知県刈谷市に、こうしたチェコアートへのアプローチを続けている美術館のキュレータの方がいらっしゃるのは大変嬉しい。もともとトヨタがチェコに工場を持っていることから(プラハにはトヨタがネーミングライツを持った「レトナスタジアム」というサッカー場がある)、三河地域とチェコとは産業的な交流が多くなっているので、こうした取組みで文化的な交流が進むのはとてもいいことだと思う。(というか自分の好きなものが街の美術館に飾られるのが単純に個人的に嬉しいだけですが、、、。)

 あと調べてみると、株式会社イデッフは、2005年の神奈川県立近代美術館で開催された『造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展幻想の古都プラハから』でも企画協力。さらにI.D.F.Incの名で『トゥルンカ展』とか『ブックデザインの源流を探して』『フランスコミック・アート展』といった展示の企画協力をされている。

 なんか気になって調べていくうちに、この部分の記述が増えてしまったけれども、今回の展示を楽しませていただいて、このお二方のご尽力に感謝します。今後もこうした企画を続けていただけることをチェコアートのファンの一人とし願ってやみません。

ミュージアム・ショップ
 絵本とか本を中心にポストカードやらトゥルンカのバッグ、箱、マッチ、ピンバッチ等々、チェコ絵本関連のグッズがたくさん並んでいた。どれも自分ちに飾れたらいいなーと思いつつ、結局図録のみ購入。
『チェコ絵本とアニメーションの世界』(Amazon)
 本展示会図録(上のリンク先はその書籍版)。全150ページにわたる展示作品と関係各位のエッセイ等が楽しめます。なぜかアニメーションのところはイジー・バルタへのインタビューでこれも嬉しかった。

・ほしかったのだけれど、随分収録作品に他の本とダブりがありそうで購入しなかったのが、イタリアのサン・ルドヴィツォ画廊(パルマ)で開催されたヤン・シュヴァンクマイエルとエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー夫妻の『記憶のアニメーション-アニメーションの記憶』展図録\6300。中身は残念ながら見られませんでした。
展示会詳細(.doc) Mostre Palazzo Pigorini インタヴューの音声
Parma. Palazzo Pigorini e Galleria San Ludovico 19.10.2003 – 4.1.2004

◆関連リンク
チェコ絵本[古本]のネットショップ【kulička-クリチカ-】さんのBlog記事
 【チェコ絵本・チェコアニメ】 - 【チェコ絵本とアニメーションの世界展】目黒区美術館
・当Blog記事 「イジー・トゥルンカ展 見学

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2007.05.03

■中国 北京石景山游来園 : Shijingshan Amusement Park
  国営遊園地で○ィズニー,キティ,ドラえもん他ニセモノ跋扈

Shijingshan_amusement_park

Disneyland in China (Youtube)
北京石景山游来園(公式HP)

 せっかくの春だというのに、昨日骸骨ネタにしてしまったので、今日はGWらしいネタ(^^;)。TVニュースを見てたら、中国の行楽地の紹介がありました。

 詳細はリンク先のYoutubeニュース番組引用を観てもらうとして、この中国国営の北京石景山遊園地、入場口にはってあるキャッチコピーが「ディズ○ーに行くのは遠いので石景山遊園地へ行こう !」(^^)。
 んで、中にはミッ○ーやドナ△ドや○ンデレラ城。21年前にオープンした遊園地らしいがいつからこんな状態なのか、、、??

 社長はインタビューで、あれはネズミではなく耳の大きなただの猫ですと答え、従業員はミッ○ーやドラえもんであると断言、「香港のデ○ズニーランドで勉強してきました。技術や踊りなどはディ△ニーに少し劣ってますが、ほぼ同じです」と自信満々で答える。たしかに公式HPには耳の大きい猫のオリジナルキャラクターが出てますが、、、。

 まさにバチモンランドという言葉がぴったり、素晴らしく面白いランドになっているようです!!従業員の力の抜け方も素晴らしい。
 ゴールデンウィークには、古今東西の有名キャラが一堂に会したこんな夢のような場所に是非行ってみたいものです。

 北京は遠いので、大阪でいっそバチモンランドというのを作ったら受けるかも。
 うまい棒のあのキャラクタや、その他もろもろ、著作権ギリのキャラクタだけ集めたら壮観かも。キャラクタが全員大阪弁で話し、ぬいぐるみの頭は脱ぎ放題。脱テーマパークな究極のキャラクタランドというのは魅力的かも(子供は連れて行けません(^^;))。、、、でも石景山遊園地のこの"ホンモノ"の面白さには勝てないかも。

※追記
・3/4のTVで日本にいる中国人留学生にインタビューしていたけれど、彼らも特に違法であるという認識は持っていないような発言だった。「もともとかわいらしいものを子供たちに伝えてあげたいからキャラクタは生まれた」、なのでそれを広めるのはむしろいいことでは、とコメントする女子学生。やはり中国は筋金入りの"ホンモノ"だ。

◆関連リンク
FAKE Disney Land IN china 偽ディズニーランド (Youtube)
DisneyLand in China? (Youtube)
国営アミューズメント・パークで、ディズニー模倣
 - 中国 AFP BB News - BETA -

中国“国営”遊園地の暴挙にアメリカ政府も激怒
 まあ一企業の都合で著作権法自体を変更してしまう国ですから、、、。
 →・アメリカの著作権延長法について(バーチャルネット法律娘)

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2007.05.02

■Kris Kuksi : クリス・クゥクシ 骸骨による戦争アート

Kuksi_lust_and_self_abuse_1 Kuksi_parasite_and_host_1
    Lust and Self Abuse             Parasite and Host
kuksi.com (GIGAZINE経由)

ガイコツや戦争をモチーフにしたようなアートで、ちょっとグロテスクな印象を受けるオブジェの数々です。

 Kris Kuksiというアメリカの34歳のアーティストの作品群。これはインパクトがあります。上の写真はオブジェの全体像。ガイコツと戦争を全体のフォルムとして、ディテールにこだわった偏執狂的とも言える作り込みが素晴らしい。

Kuksi_culture_cleansing_machine Kuksi_the_mouth_of_hades
   Culture Cleansing Machine       The Mouth of Hades
 ディテールを拡大したのがこちら。
 兵士と兵器とゴシック風の建築。右の写真のようにヤノベケンジ的なサバイバルな雰囲気の彫像もあります。

 これらで思い出すのが、H・R・ギーガーとシュヴァンクマイエルの撮ったチェコのクトナー・ホラにある墓地教会コストニツェ(kostnice)。特に後者のイメージとの近似が顕著。(コストニツェについてはununさんの素晴らしい写真館を参照ください)
 Kris Kuksi:クリス・クゥクシ氏は、コストニツェ他の骸骨礼拝堂を知っているのだろうか。全く影響なくこのイメージが独自に産みだされているとしたら凄い。

Kuksi_propaganda_ambush_machine_2_1   あと右のような政治的メッセージを持った作品もある。タイトルは"Propaganda Am-Bush Machine 2"。現在のアメリカの状況を考えれば、アーティストとしてこうしたアプローチが出てくるのは当然なのかもしれない。複雑なのだが、どんどんこうした強烈なアプローチは出てきてほしい気もする。

 その他、公式HPで紹介されている絵画作品、特に精緻なポートレイトとかなかなか素晴らしいのでお薦め。

◆関連リンク
・チェコのクトナー・ホラにある墓地教会コストニツェ(公式HP)
kuksi's deviantART Gallery アーティスト本人についてはここが詳しい
Kris Kuksi(グーグルイメージ検索) 
www.myspace.com/Kris Kuksi
deviantART Shop: Propaganda Am-Bush Machine 2
 ここのショップで写真が購入できます。
『ヤン・シュヴァンクマイエル 「ドン・ファン」その他の短編』(Amazon)
 短編「コストニツェ」はこのDVDに収録。

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