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2007年6月

2007.06.30

■BSアニメ夜話 細田守『時をかける少女』
  筒井康隆、アニメにおける文学の可能性を毒とともに語る

BSアニメ夜話 第8弾 『時をかける少女』6/27
 出演 筒井康隆、江川達也、岡田斗司夫、渡辺隆史、氷川竜介、加藤夏希、里匠

アニメ夜話に筒井康隆登場

 今回の見どころはなんといっても筒井康隆御大の登場。
 ベティとか往年のスラプスティックアニメについては、数々エッセイのある筒井だが、ジャパニメーションについて語ったのは見たことがない。
 辛らつであるが、他の誰よりも深く『時かけ』を語る筒井の姿に、アニメ夜話のいつもの温いファンの集い的雰囲気が引き締まった見事なパネルディスカッションであった。

Tokikkake_tsutsui タイムリープによる時間移動の整合性について、隣に座る渡辺隆史プロデューサーに、自分の原作ではきっちりと辻褄を合わせているのに、映画は合わせていない。「突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めるんですよ。自転車くらい、ちゃんと修正しとけよ」と凄む筒井。右の写真の眼が怖い(^^)。本気でなく演技ですが、、、。

 「筒井さん、タイムリープできるとしたら、どこへ行きたいですか?未来だったらいつですか?」と江川達也にぬるい質問をされて、「未来は死ぬんだよ、俺は」。

 「これがあるから『時かけ』。ここをはずしてたら『時かけ』でなくなるという部分はどこですか?」というありきたりの質問にも、「別にそんなもの(『時かけ』で)なくなってもいいよ。タイトルと僕の名前が出てればいい。この本は孝行娘です、この子が一番稼いでくれる。渡してしまったら、後はどうなろうと知ったこっちゃない。

 SF作家としてのタイムトラベルものへのこだわりと、星、小松ら第一世代の作家のバカ話を髣髴とさせる往年の気概に溢れていて感動。
 まわりがおじいちゃん作家として扱おうとしているのを、毒のある笑いで突破していくところが観ていて気持ちいい。

『時かけ』の文学性 ゲーム的リアリズムについて

 東浩紀氏の「ゲーム的リアリズム」をひきながら、主人公 真琴がタイムリープでリセットしてカラオケを続けるシーンに文学をみる筒井。まさか筒井がアニメ『時かけ』で先端文学を語るとは思っていなかったので、なかなか刺激的。

 リセットして生きかえることが可能で、ゲームには本当の死というものが存在しないのに、それが文学に成り得るか、という命題がある。しかしそこに逆に文学性あるとするのが「ゲーム的リアリズム」らしい。

 死に対面する機会の少ない現代、逆にゲームでは自分の死を何度も体験している。リセットによるある意味小さな死に頻繁に出会い、ショックを受けているはずである、という言説らしい。

 そして『時かけ』でも、繰り返しシーンを描いているのが文学的な部分であると語っている。死を描いているわけでないカラオケシーンがどう文学なのか、これについての突っ込みはなかったのがちょっと残念。
 自転車のシーンで映画全体に横たわる死の存在を指していたのかもしれない。

◆さらに先端へ。真琴の世界の外部

 岡田斗司夫が『時かけ』を「世界系」として語ったところに筒井が反応している。

 岡田「恋愛ドラマとして物凄いと思う。恋愛感情が心の水面に浮かんでくる寸前を描いている。しかしそれを描いているかわりに世界が狭い、未来の世界が出てこない。真琴の世界観でギリギリのメンタルなところを描かなきゃいけないから、破綻させないためにルールが多い。それにより大きなリアリティをはずしてしまった」

 筒井「(恋愛感情ギリギリというテーマは)今まで文学で描けなかったことをアニメでできたことを良しとする」「これは文学でも一番難しいところ。うまくまとまりすぎていて、そっから先を書くと文学になるのに破綻するのが怖くて踏み込めない。こっから先できません。何故できないかを描けていたら(文学になる)、完全にメタフィクションですよ

 恋愛未満、そのギリギリのメンタルな部分を描いていることが、細田版『時かけ』のメインテーマなのは間違いのないところだろうけど、それが「物凄い」、「今まで文学で描けなかった」とまで表現するのはどうかな、と僕は思う(少なくとも映画やドラマではこの作品と並ぶ/超えるものはあると思う)。

 でも凄いなー、「こっから先、何故できないか」をアニメが描く。このイマジネーションに痺れました。どんなものか具体的には思い浮かばないけれど、なんとなく手触りは伝わってくる。
 細田版がもしそこへトライするとしたら、その手がかりは未来の世界をかすかにイメージさせている「アノニマス 逸名の名画」展の『白梅ニ椿菊図』のシーンがキーポイントになるだろう。

 未来から千昭が来た理由は、世界の滅亡/死と深いつながりがあるように描かれている。ここをもっと深く構成して、恋愛未満の感情が水面下から浮上し千昭との関係が結晶化する瞬間を描きつつ、同時に圧倒的な未来の絶望的現実/死に遭遇するように描く。
 「ゲーム的リアリズム」という閉じた「世界系」から、外部/本当の死へと越境していく、そんな文学がそこに現出していたかもしれない。

 さらにそこで作家/読者視点が物語に導入され、何故飛び出せなかったかを『白梅ニ椿菊図』をテコにして、芸術作品と現実の滅亡の関係を俯瞰できるメタフィクションとして成立するアニメーションの誕生。、、、、なんちゃって(^^;)。

 そんな超絶ストーリーを持ったもうひとつの『時かけ』を夢想させてくれたアニメ夜話/筒井康隆に感謝。(でもそんなアニメーションになってたら、『時かけ』のさわやかな青空のイメージは崩壊、破綻してたでしょうね。物語の中で、夢想させるきっかけを提示するくらいがたぶん正解なのでしょう)

◆関連リンク

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  筒井康隆、アニメにおける文学の可能性を毒とともに語る"

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2007.06.26

■名古屋モード学園スパイラルタワーズ と バベルの塔

Nagoya_spiral_tower_backスパイラルタワーズ公式リリース
           (三井不動産) 
 
 名古屋駅前の高層ビル建築ラッシュ(と言っても3棟だけど)、その中でも建築デザインとして眼を引くのがこのビル。特に隣にある地味なトヨタのミッドランドスクエアビルの、言葉通り直角な味気ない姿と比べると、異彩を放つ。

 ひさびさに名古屋へ出て、ビルの間にこの異様な風体が現れ、なかなか壮大な景観だったのでパチリ。

 むき出しの鉄骨とガラスのモダンさのコントラストがまずは素晴らしい。

 そしてどこかバベルの塔を想起させるようなたたずまい。
 バベルの塔と自分の撮ってきた写真のアングルが偶然似ていたので、並べてみた。
Nagoya_spiral_tower_babel

 特に建築中の各階むき出しの鉄骨が塔の螺旋を思わせる。これは完成後よりも現在の姿の方がゴシック的で見ごろかもしれない。今後も時々観にいってみよっと。

 遠方の方は、下記のサイトが定点観測されていて充実してますので、そちらでご覧あれ。

◆建築記録サイト
スパイラルタワーズのできるまで (その弐)
ビル成長記録

◆関連リンク
バベルの塔絵画集
名古屋駅前 モード学園スパイラルタワーズ(名古屋市・超高層ビルデータベース)

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2007.06.25

■緊急のお知らせ! 滝本誠さん出版記念トークショー
  『滝本誠さんとLOWでリンチコーヒーをいかが?』

David_lynch_coffee_1 大阪のbooks&cafe LOW(大阪市中央区瓦屋町1-6-2)のlittlewonderさんからご連絡いただきました。
My favorite one : 滝本誠さん出版記念トークショー

滝本誠さんの新刊が6/25(月)に発売されます。

『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』(洋泉社/1700円)

オープニングの時、「新刊が出たらまたきます」と皆さんと約束してくださったとおりホントに来てくださることになりました!(略)

会場;books&cafe LOW
日時;7月1日(日)午後2時~5時
会費;1drink(リンチコーヒー)付き1000円

『滝本誠さんとLOWでリンチコーヒーをいかが?』

リンチコーヒーは滝本さん私物のため人数に限りがありますm(--)m 
参加ご希望の方は鍵かけコメント、あるいはbooks&cafe LOWにお電話(06-6763-2088)お願いいたします。

 詳細は追って、リンク先のbooks&cafe LOWのBlog My favorite oneに掲載される予定とのこと。参加希望の方は参加人数把握のため、上記までご連絡してください。

 リンチコーヒーを滝本氏と味わえる企画、こんなチャンスは二度とありません。

◆関連リンク
滝本 誠『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』(amazon)
デヴィッド・リンチサイン入りグルメ・コーヒー 当Blog記事

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■ヤン・シュヴァンクマイエル挿画 江戸川乱歩『人間椅子』
  & 『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』限定発売

8月中旬発売予定 書籍『人間椅子』!

 チェコ絵本のネットショップ クリチカさんから、先日のヤン・シュヴァンクマイエル展情報に引き続き、新しい本の情報をいただきました。

著作 江戸川乱歩/挿画 ヤン・シュヴァンクマイエル 
B5判/パラパラ漫画、ケース付き 
予価:2,100円/発行 エスクァイア マガジン ジャパン

 確かに『人間椅子』って、触覚をテーマにしたシュールレアリスムそのものって感じなので、ヤン・シュヴァンクマイエルにぴったりですね。こういう本が日本オリジナルで出版されるというのは素晴らしいことですね。

 葉山の造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展も若いファンで溢れていました。日本とチェコが芸術の深層でリンクしている。この源流を探るとか、面白いかもしれないですね。

シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX 全世界で913部限定の貴重な美術作品

 上記リンクからたどったらこんな限定記念コレクションの発売が予定されていました!

DVD/VIDEO 2007/08/22 Release XT-2485-6 ¥18,900(税込)

Svank_finegraph《鬼才》ヤン・シュヴァンクマイエル-----世界的なクリエイターの、都内初の大規模な個展を祝して発売される、価値ある限定記念コレクション。
全世界で913部限定の貴重な美術作品2部作封入!

全国のDVDショップ・インターネット通販等で予約受付中。

【商品内容】
■ ファイングラフ 2部作 (右図)
ヤン・シュヴァンクマイエルが本企画のために「ルナシー」をテーマに描いた珠玉の2部作。このプレミアム・ボックスでしか入手できない珠玉の美術作品。
(ファイングラフ…日本の伝統工芸である越前和紙を使用し、特殊美術技法を駆使して、1点づつ制作される版画。)
△ 2作品同一の制作番号入り
△ 画寸:各約29×21センチ

■ DVD 『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』

■ DVD 『ルナシー』
2006年劇場公開の最新作。メイキング、予告編など特典映像収録。

■ “13の体罰”シールシート
ヤン・シュヴァンクマイエルの妻であり、制作上のパートナーでもあったエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー。彼女が描いた、『ルナシー』に登場する“13の体罰”カードをモチーフにしたシールシート。

 値段が値段だけに考えてしまいますが、たぶんこれを逃すと、シュヴァンクマイエル美術作品を手元におけるチャンスは二度とないのでしょうね。悩むけれど、、、。

◆関連リンク
シュヴァンクマイエル氏と語ろう(チェコブログさん)

前回の来日イベントでは、次回作(?)は江戸川乱歩の"人間椅子"も考えているというようなお話でしたが。 (かなりぴったり!!!!)

シュヴァンクマイエル!(koringo帳さん)

特に触覚に強いこだわりをみせるシュヴァンクマイエル、乱歩の「人間椅子」を映画化してみたいとか。

 前回の来日時、講演で『人間椅子』について語られていたようです。

『シュヴァンクマイエル PREMIUM BOX』 ¥18,900 ¥14,175 (amazon)
単品DVD『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』 ¥3,990¥ 2,993 (amazon)
単品DVD『ルナシー』 ¥4,935¥3,701 (amazon)

◆当Blog記事 関連リンク
ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう

シュヴァンクマイエル監督『ルナシー:Lunacy』 感想
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2007.06.24

■New iMac情報 新デザインと新コンセプト
  & Windows on APPLE BootCamp

Next_imac_concept
  "Future iMac Concept" by kromekat (Eye-freezing Future IMac Concept(Gizmowatch)経由)
  CGは下記リンク記事、iMAC新デザインとは無関係。でもこんなのが出たらいいですね。

Apple's iMac overhaul tracking for mid-to-late summer (AppleInsider原文)
 Apple Brothers Mac News:New iMac は7月後半から8月中旬頃に登場??

AppleInsiderから「7月後半から8月中旬頃」という情報が出てました。丁度、新学期に間に合うようにって感じみたい。

 Apple Brothers Mac News:今度出る新しい iMac は新デザインで登場???

新しいiMacは、現行のiMacよりも艶がありスリムになって、ラインナップは20インチ・24インチモデルで、17インチのモデルはないかもしれないそうです。

 iMACが新デザインを採用して新型として登場するらしい。

 今のデザインは非常にシンプルではあるけれども、もはや先端的デザインとは決して言えない、どちらかというと既に古い(<<失礼)と言った方がいいような状況なので、モデルチェンジはデザインで時代を先取りするAPPLEとしては当然なのでしょう。

 ではその時に商品コンセプトは、従来どおりMAC入門機なのか。そうではないという予測が下記に書かれています。

iMac は HDTV になる? (maclalalaweblog)

 アップルのホームエレクトロニクス分野への進出(侵略)は、ウォークマン/iPod、携帯電話/iPhoneに続き、ついにハイビジョンテレビへ、という予測。

 この記事では、Migliaという会社のTVMini HDというUSBポートにつなぐハイビジョンチューナーについて記し、 iTunesによるハイビジョンコンテンツの配信といったところまで話を展開。iMACが世界共通の製品であり、各国対応のTVMini HDのようなものとの組み合わせで、ハイビジョンテレビでもAPPLEの飛躍があるのではないかとまとめている。

 TVMini HDという製品は、レビュウによるとUSBハイビジョンチューナーのようだけど録画が可能かはわからない(公式HPはまだ詳細読んでません)。またMacで地デジ視聴できるPinnacle TV for Macという製品が欧米で発売とのことだけど、録画できるのはアナログだけ。

 国内メーカの地デジとBSハイビジョン対応の録画PCと比べると、MACは遅れている。著作権保護の関係で、ハイビジョン録画PCとハードディスクハイビジョンレコーダは、撮った録画データをそのマシンでしか観えないように限定している(データを外付けHDDへムーブはできても再生が不可になる)。そのPCまたはレコーダが壊れたら再生できないものをライブラリとして保存しておく意義は小さい。

 ブルーレイ等次世代光ディスクへのムーブだけが、現在ライブラリとして残せる唯一の手。この状況は、どう考えてもユーザのことを考えた処置とは考えにくい。

 次のiMACでAPPLEが、デザインとともにHDコンテンツのスキームに、革新的なコンセプトを打ち出してくれるのを期待したい(と言っても各国の著作権保護のルールの違いとかか障害になるのだろうな)。

◆蛇足とBootCampでのVista

 あまりAPPLEの記事は書いてないのに、何故に突然iMACの記事と思われるでしょう。
 実は現在使用のPC(NECデスクトップ)が少し古くなってきたのと、リビングでBlog書きをしたいので、ノートや一体型PCをWIN中心で物色中。

 某家電店でCore 2 Duoマシン中心に見てたのだけど、なんかVistaが重そうで最新のマシンのはずなのに、どれも遅いとしか思えない。

 で、既にOS8くらいで足を洗って、MACのつもりは全くなかったのだけど、展示コーナーのMacBookをみました。ここにはじめてみるBootCamp上で動くVistaのデモ。

 これがめっぽう早い。APPLEの説明員さんによると、たぶんWINノートに比べて、いろんなアプリが入っていないことによるらしいのだけど、それでも吃驚。あまり興味なくBootCampなんてどうせ大したことない、くらいにしか思ってなかったので、認識を新たにしました。結構使えそう。(その説明員さんによると、マイクロソフトの人が見に来て、その動きに驚愕。プライベート用にMAC BOOKを買ったとか)

 で、MACも視野に入れて調べなおし始めて、上のニュースでちょっと待ったモードに入ったというわけ。新型iMACを見てから、次のマシンを決めても遅くないかと。

 冒頭のCGのようなクールなハイビジョンマシンだったら、絶対iMACにします(^^;)。

◆関連リンク
その他iMACの想像デザイン他 (The Apple collection)
Vista対応のBootCamp Ver1.2βを試す
 (PC Watch 元麻布春男の週刊PCホットライン)
ショック…Boot Campで分かった同一マシンでのOS対決
「Windows XP vs Mac OS X」対決の衝撃的な結末とは?
(ITmedia D PCUPdat)
MacにVistaをインストールしよう!(ASCII.jp) 詳細なインストール方法
『MacBookパーフェクトガイド』
・PC候補 iMac ・MacBook
dynabook TX/66A PATX66ALP dynabookQosmioF40/87CBL 
 Fujitsu FMV BIBLO FMVNF75U/V

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2007.06.21

■押井守 新作『スカイ・クロラ:The Sky Crawlers』公式発表

Skycrawlers
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』公式サイト
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』 制作発表!(Production I.G)

 うわさの通り、森 博嗣氏作品の映画化が正式発表されたようです。
 以下、記事のリンク集。

鬼才・押井守、次回作を熱く語る - コミミ口コミ(asahi.com)

「(略)恋愛は、反社会的で身を滅ぼすもの。肉体がきしむような愛を描きたい。だから、僕らしからぬ濡(ぬ)れ場も入れました」
「(略)ポニョも、宮さんの転機という気がする。縁があるんだと思う。僕の今度の作品には空中戦がありますが、はっきり言って(飛行機好きの)宮さんよりうまい自信がある」

アニメのイベントや講演会のレポート(アニメ!アニメ!)

押井監督は戦闘機の空中戦は3Dアニメーションで、今まで誰も観たことのない映像になると語った。

押井守監督に聞く 新作アニメ「スカイ・クロラ」(読売新聞)

(略)空手で体も鍛え始めた。やっぱり、他人と関わるためには、自分の腹が出ていることを許しちゃいけないんだよ。冗談に聞こえるかもしれないけど、腹を引っ込めるということは、生きる自信に繋がるんだ(笑)。

プレスリリース(News2u.net)

 私は、この永遠にも似た生を生きなければならない現代人のおかれた状況そのものが、若者を中心とした、様々な痛ましい事件の本質的な理由なのではないかと考えています。(略)
 物質的には豊かだけれど、今、この国に生きる人々の心の中には、荒涼とした精神的焦土が広がっているように思えてなりません。

NEWS(押井守公式サイト ガブリエルの憂鬱)
 こちらには別の実写作品の情報のみ掲載されている。

現在、押井守監督の実写映画作品を絶好調撮影中です!タイトルなど詳細はまだ明かせませんが、皆様のご期待以上の映画になることは間違いなさそうです!

押井守最新作『スカイ・クロラ』正式発表(野良犬の塒) 
押井守新作は「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」 (ひねもすのたりの日々) 
Googleニュース検索「押井守 スカイ・クロラ」

 記事を読むと今までの自分の手法を抑えたエンタテインメント作品であり、若者へのメッセージというところに力点が置かれているようだ。
 スタジオジブリというメジャーから、とことん私的で芸術へふった『イノセンス』を発表した後、それですっきりと気持ちの切り替えができたのか、今回は観客への奉仕の姿勢(ビッグヒットを狙いたい下心?)満点と読めます。
 I・Gの株価も上がるような予感。

 にしてももしこれが大ヒットしたら、あおりを喰うのは同時期公開される『崖の上のポニョ』になるわけで、宮崎駿との激突というよりも、今回きっちりと売ることにも力を入れると言っている押井守と鈴木Pとの売り込みの死闘も見もの。(まあジブリ作品のほうが強いのはさすがに覆せないだろうけれど、若者票をどこまで取り込めるかがポイントでしょう)

 空中戦で他の追随を許さないと、確か宮崎駿は豪語していた。それにまっこうから挑むのも楽しみ。
 もし素晴らしいシーンが実現していたら、きっと宮崎駿の次回作は飛行機ものでしょう(^^;)。老体に鞭打って、かつてのギガントや紅の豚やロボット兵ラムダの飛行シーンを凌駕する大空中戦エンタテインメントを作ってくれたら、これはまたまた楽しみ。ここでは二人の大人気ない競争心(^^)を是非期待したいものです。

◆関連リンク

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2007.06.20

■『インランド・エンパイア:Inland empire』上映館情報
  & 滝本誠『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』

インランド・エンパイア -上映劇場- (角川映画)

北海道スガイシネプレックス札幌劇場011-221-3802 8月
青森県シネマディクト017-722-2068
宮城県チネ・ラヴィータ022-299-5555
東京都恵比寿ガーデンシネマ03-5420-6161 7/21
神奈川県チネチッタ044-223-3190 8月
石川県シネモンド076-220-5007
大阪府梅田ガーデンシネマ06-6440-5977 7/21
兵庫県シネカノン神戸078-367-3868 8月
京都府京都シネマ075-353-4723 8月
福岡県KBCシネマ092-751-4268 8月
熊本県シネパラダイス096-211-3360
大分県シネマ5097-536-4512

 ぎょえー、名古屋に上映館がない!
 シネマテークかシネマスコーレに期待するしかない!興行主の皆さん、よろしくお願いします。でないと、東海地方のファンは、一番近くても教徒じゃないや京都まで出向かなくちゃなんない!(いやリンチ教徒ですが(^^;)) リンチ過疎地 東海に愛の手を。

INLAND EMPIRE ... COLUMN (公式HP)

滝本誠(評論家)
ユー・チューブで昨年末から話題となっていたのが、デイヴィッド・リンチののどかな、原始的とも言える『インランド・エンパイア』の宣伝活動だ。自動車で通りかかった撮影者が、あれ、リンチじゃないの、何やってんだ? 行ってみよう。携帯カメラがブレながら近づくと、まちがいない! リンチが道端に座っている。ひなたぼっこか? 側には臨時で作ったか映画の看板があって、ローラ・ダーンの顔が大きく・・・・、それよりも驚かされるのはリンチの後ろに、牛が動かずにいたことである。牛!? 動いた!! 生きた牛だ。しかし、リンチの生まれ故郷ではなく、画面はロスだ(ろう)。なぜ、牛が?

 滝本氏のコラムが3本読めます。
 牛の謎、映画の発想法(例の瞑想)、リンチの初書き下ろし『Catching the Big Fish』について。

 牛については、こちらの当Blog記事もどうぞ。

Takiyan_coffee_brackデイヴィッド・リンチ本が発売!(公式HP)

・滝本誠
 『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』(amazon)
  『インランド・エンパイア』論50枚収録、
  いまだかってないリンチ本!!
  6月25日発売予定/1,700円+税/洋泉社

 ついに刊行!こちらのエッセイによると既に入稿済らしいので、確実に来週には手に入る!でも映画はまだ観えないから、しばらく『インランド・エンパイア』論は御預け状態。そんな酷な。
 『マルホランド・ドライブ』論は載っているのだろうか。

 でもこのタイトルって、リンチのコーヒー豆販売にちなんでいるのでしょうね。飲みたい、リンチコーヒー

◆関連リンク
あの「ツイン・ピークス」がついに日米初完全DVD化!
 これ、今のところレンタルだけみたいですね。07.6/8発売済とのこと。

◆当Blog関連記事

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  & 滝本誠『コーヒーブレイク、デイヴィッド・リンチをいかが』"

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2007.06.19

■ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  & ヤン・シュヴァンクマイエル氏と語ろう

 チェコ絵本のネットショップ クリチカさんから、ヤン・シュヴァンクマイエル氏の来日のイベント情報を教えていただきました。

ラフォーレミュージアム原宿 シュヴァンクマイエル展
  会期 2007年8月25日~9月12日(イベント情報は現在未掲載)

 チェコブログさん: シュヴァンクマイエル展

監督自ら、展示会場を構成するとか?!
"アリスの世界を中心に"らしいし、たまらないわ~o(≧∀≦)o

 mixi コミュの情報(フォーレのフリーペーパー情報とのこと)

ヤン&エヴァ展  ~アリス、あるいは快楽原則~
映画アリスの世界を中心に、絵画や立体作品など200点にも及ぶ作品を、シュヴァンクマイエル自らの会場構成により紹介する初めての試み

 自らの展示会場構成とアリスの世界、これは素晴らしい。
 あの独特の映像空間が東京に出現するわけですね。これは是非行きたいです。

シュヴァンクマイエル氏と語ろう (朝日カルチャーセンター) 詳細

映像作家  ヤン・シュヴァンクマイエル
チェコセンター所長 ペトル・ホリー

講座の内容:
 シュルレアリスム・アニメーション界の巨匠でありチェコ共和国を代表する芸術家、シュヴァンクマイエル氏。その作品の日本語訳も手がけるなど親交の深いホリー氏をまじえて、短編作品を見ながら受講生とディスカッションを行います。※短編作品のタイトルは当日のお楽しみとなります。

場    所  新宿住友ビル7階 朝日カルチャーセンター
期間・曜日・時間: 8/25 土 13:00~14:30
受講料(税込み): 1回 会員 3,360円、一般 3,990円(入会不要)

 シュヴァンクマイエル氏と語れる絶好のチャンス。
 ペトル・ホリー氏が、質問の翻訳をしていただけるのでしょうか。どの短編が出てくるかわかりませんが、僕は最近興味のある故エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんの絵について聞きたかったりします。
 うーん、この機会を逃すとシュヴァンクマイエル氏に会うことなど、今後チャンスはないだろうなー。申し込むか、、、、。

 ところで東京のカルチャースクールって、凄いですね。
 他にも「手塚治虫・天才の秘密 ヴィジュアリスト 手塚眞」「漫画の時間 いしかわじゅん」「「テヅカ・イズ・デッド」から「ゲーム的リアリズムの誕生」へ 東浩紀&伊藤剛」とか、面白そうな企画が目白押し。こういう時、都市に強く惹かれます。

◆当Blog記事 関連リンク
造形と映像の魔術師シュヴァンクマイエル展 
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー回顧展カタログ
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー関連図録
エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさん 逝去
『GAUDIA(ガウディア)造形と映像の魔術師 シュヴァンクマイエル』

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2007.06.18

■新刊メモ アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』
  & 刊行記念・柳下毅一郎さん、滝本誠さんトークショー
   「ゴーレム降臨!-アルフレッド・ベスターに学ぶSF史」

Golem100_2
『ゴーレム100(国書刊行会)』刊行記念
柳下毅一郎さん、滝本誠さんトークショー
ゴーレム降臨!-アルフレッド・ベスターに学ぶSF史
 
     (映画評論家緊張日記: ゴーレム降臨!経由)

アルフレッド・ベスター著 渡部佐智江訳『ゴーレム100』
出版社:国書刊行会 (発売日:2007/06/25)
三省堂書店神田本店8階特設会場
2007年7月6日(金)18:30~ (開場18:00~)
6月25日発売予定の対象書籍をご予約、お買い上げの方先着100名様に、参加整理券を差し上げます。

殊能将之氏のメモ

 ガラクタ以下で完全にぶっ壊れている。「唖然とするようなクズ小説」(若島正)以外の何物でもないけれど、唖然とするだけの価値はある。

 アルフレッド・ベスターの問題作が国書刊行会のシリーズ<未来の文学>の一冊として出版されます。これも数十年翻訳が待望されていた作品。今のところ、<未来の文学>って、自分的にはハズレがないんだよなー。大期待。

 どなたかこのイベントへ行かれたら、滝本氏の語るベスターをレポートください。トラックバック大歓迎!

◆関連リンク
国書刊行会  ・ゴーレム(wiki)

当Blog記事
『願い星、叶い星』アルフレッド・ベスター/中村 融訳
国書刊行会-<未来の文学>第Ⅱ期、開幕
ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』 
R・A・ラファティ 『宇宙舟歌』 
ジーン・ウルフ 『デス博士の島その他の物語』
イアン・ワトスン『エンベディング』

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2007.06.17

■『電脳コイル』探索<4> 第6話「赤いオートマトン」
  電脳コイル世界の電脳ナビによる自動走行

◆第6話「赤いオートマトン

 今回はサッチーと、ハラケンとそのおばちゃんの謎をめぐるヤサコとフミエの子供らしさ溢れる探索のお話。目線を小学生に下げて、いっしょにワクワクしながら大黒市を探検するのが楽しい見方でしょう。(でもちょっと中だるみを感じたのも確か。作画もギリギリ踏ん張っていたけれど、いつもの躍動感はなかったと思うのは僕だけか?)

 ということで、今回のテクノロジー探索は、コイル世界の電脳ナビによる自動走行運転について。

コイル電脳ワールドと自動運転技術の関係

  ハラケンの幼馴染カンナとの関係を中心に語られる、大黒市中津交差点での自動走行車両による事故。あやうく京子も事故にあいそうになるのだが、この世界で自動走行が実現しているメカニズムを推定してみる。

 コイル世界は、現実の街の物体データが(管理外ドメインを除いて)全てデータ化され位置情報とともにリアルタイムにサーバが更新されている。そのサーバから電波を使って電脳メガネ他の端末に、現実の物の位置と3D形状データが送られ、そしてメガネでは仮想の電脳物質と合わせてそれが映像化される。

 自動走行にとって非常に有効なのが、この現実の物の位置と3D形状データがサーバでリアルタイムに更新されている、という技術。
 現在の車で進んでいる自動走行技術の開発は、基本的に車のセンサで外部情報をとらえて車のコンピュータがそれらの形状と位置を認識して走行に利用しようとするもの。電脳コイルのようなオーグメンテッド・リアリティが実現している世界では、車はサーバからのデータを超高速に受け取ることができれば、外部情報のセンシングはいらない。サーバのデータを電脳ナビ自動走行コンピュータが受け取って、リアルタイムに外界を認識して、走行制御すればいいわけだ。

自動車産業がコイル電脳ワールドの推進剤??

 もしかすると、この自動走行が電脳コイルの電脳世界を実現する重要なニーズになったのかもしれない。ただ子供たちにメガネ遊びさせるだけのためにこんな凄い電脳による世界掌握技術が実現しているとは考えがたい。

 むしろ自動車産業のような国の基幹産業の要請があって、街と事物の電脳化が進んだと考える方が理にかなっているのではないだろうか。現在、カーナビは街の3Dデータを取り込んで、よりリアルに市街地を描画しようとしている。この延長で車が街を正確にデータとして把握したい要求が強まることは不自然ではない。そして子供たちの安全のために電脳データ化が促進される社会。その実証実験が行われている街が大黒市なのかもしれない。

Coil06_news

事故の謎

 第六話の新聞記事によると、「自動走行車両による事故は大黒市内、 特に中津中央道付近で最近ひんぱんに 起こっており、電脳ナビと電脳空間との間でなんらかの問題があるのではないか」と推測されている。

 中津交差点で電波状態が特に悪いことから、現実の事物のデータが更新されず、電脳ナビが人を認識できていないか、もしかするとイーリーガル他のバグのようなもの(サッチーの取り締まり対象)が邪魔をしているか。

 いずれにしてもこの中津交差点とはざま交差点(だっけ?)が今後の謎のひとつの鍵になることは間違いないはずである。

 それにしてもコイルの電脳ワールドって、素晴らしく技術的な波状効果が大きくって、想像力を刺激します。ガンダムのスペースコロニーとモビルスーツ世界もいろいろ派生した世界を産み出しているけれど、電脳コイルワールドの奥行きの深さは、少なくとも技術的にはそれ以上の広がりがありそう。そして物語の可能性も。(オモチャの展開力で負けるのが残念(^^;))

補足

・上の自動走行システムは極論で、本来自動走行を実現しようとしたら、サーバ情報と自車センサの合わせ技で外部認識するのが正しいやり方だろう。安全を考えたら、そうした二重系は必要なはず。
・どうやら電脳データは郵政局が管理しているようなので、自動車産業が本当にこの電脳ワールドの推進剤になったのかは疑問もある。それだったら運輸局(?現在なら経済産業省)が所轄官庁になるような気がする。実現に向けて、国の権利争いでドロドロがあったのでしょう。
・サッチーが執拗に違法データを消去しようとするのも、自動車事故を想定すると理解しやすい。人の命が危険にさらされているという背景があれば、多少法的にグレーでもガンガン消去できる言い訳が立つ。
・現実にこの電脳自動走行世界を実現しようとすると、通信データ量とか速度とか、信頼性の面でめちゃめちゃハードルは高そう。別技術がきっと現実的には有力でしょう。

◆関連リンク
・2ch 電脳コイル 27に新聞記事の書き起こし
 上記で参考にしましたが、引用の文は、一部写真を参考に修整。
特許検索「ナビゲーション×自動走行×位置情報」
 上記で述べたような技術はきっと特許が出ているだろうと思って調べてみました。ヒットしたのは4件と意外に少ない。下記2.はかなり近い感じ。

続きを読む "■『電脳コイル』探索<4> 第6話「赤いオートマトン」
  電脳コイル世界の電脳ナビによる自動走行"

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2007.06.15

■あのミニクーパーロボット フェイク事件のドキュメント
  Mini cooper robot Myth

Mini_cooper_document
Mini cooper robot Myth(Yourtube)

 昨日のフェイクネタに続き、以前シリーズで記事にしたイギリスのBMWミニクーパーのトランスフォーマーロボットのフェイク事件をドキュメント風にまとめたビデオを発見したので、ご紹介します。なかなかの出来です。
 Colin Mayhewの名は、インターネットフェイク史にしっかりと記されました。

 この件、僕は下記当Blog記事へのリンクで示したように、当時興奮して追っかけていたので、たとえフェイクとわかっても、感慨があったりします。

 結局はMINI USAのCMの一環だったわけですが、かなり凝ってました。フェイクによるネットキャンペーンを張る時に参考になる点を挙げます。

Bmw_mini_transformer_1 ・最初に紹介されたのが製作者個人の制作するHP。
 ここの作りがいかにも老エンジニアが手作りした稚拙なデザインだった。
・ロボット製作者コーリン・メイヒューPh.Dの経歴がまことしやかに設定。
・若かりし日の写真、奥さんとの写真等、実在感たっぷり。
・HPに掲載されたデザイン画がエンジニアらしいタッチ。
・技術をひとつづつ積み上げた記録とVTRが更新されていった。
・アメリカのキャンペーンなのに、イギリスが舞台。
・イギリスのCM制作会社がタッチしていた形跡がリークされていた。
 (サイトの過去の登録からネットワーカーが推定。こうした情報でネットの話題提供)
・ロボットの工房の手作り感。
 いかにも退職後に自分の倉庫で実験装置もひとつづつ手作りした感じが漂っている。
・最初ネットで話題になり始めてからネタが小出しにされ、最終的にBMWが自HPでキャンペーンをはじめたのが約3ヵ月後。(一瞬、逆にネットの話題をBMWが利用して、手作りロボットを真似たHPを後追いで作ったと思わせる)

 どうですか、貴方もネットの住人をワクワクさせるフェイクをひとつ仕掛けてみませんか。奇想があたかも現実に存在しているような、現実の領域を一瞬拡張してくれるような素晴らしいフェイクを期待します。

◆関連リンク
Mini Cooper Humanoid Robot(Yourtube)
 エキサイティングなロボットフェイク動画。これがきっかけで下記の記事スタート。
 長々と遊ばせてもらいました。

当Blog記事
 ・イギリス発のすごいロボット
 ・夫婦の愛が作った!ガソリンエンジン駆動ロボット
 ・あのイギリスのロボットはCG合成なのか?
 ・Dr. Colin Mayhew のメール
 ・Dr.Colin Mayhewのロボット続報
  ドキュメント本 Men of Metalについて
 ・ミニクーパーロボットついにMINI USAで公開! 

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2007.06.14

■Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの 正体判明

Drone_motion_study

 当Blog記事「Bizarre Thing in Sky 空の奇妙なもの」で紹介した謎の飛行物体の正体が判明したので、お知らせします。

 まずはYoutubeの動画(一番上がお薦め)をごらんあれ。

CG. Motion study cross UFO/Drone 2(Youtube)
CG UFO Cross above house(Youtube)
UFO-cross(Youtube)

 右の引用写真にあるように、CGのMotion studyということのようです。人騒がせというか、確信犯でやっているのか、、、。
 以前の記事で紹介したように、複数の人が別々のデジタルカメラで撮影したかのような記事の出し方とか、結構真剣にフェイクしてますね。敵ながらあっぱれ。(と笑っていていいのかなー(^^;;))

 CG映像としては、カメラワークとか一番上の動画が結構いいです。願わくば、電柱とかをさりげなく写しこませたらもっといいのに。

◆関連リンク
Earthfiles.com Environment
 ここに飛行原理(?)と思われるNASAのメカニズムの記事。
不気味な飛行物体四度現れる in カリフォルニア
 さらにデコレーションが派手になっているようです。

◆当Blog記事 フェイクに騙された軌跡
イギリス発のすごいMINIクーパーロボット その真相 
薄暗闇の街を徘徊する巨大な操り人形 ジャイアント・パペット
 私を騙すのはたやすい!かかってきなさい(投稿歓迎)

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2007.06.13

■BSアニメ夜話 第8弾
『母をたずねて三千里』、『時をかける少女』、『精霊の守り人』

Sanzen_ri_2BSアニメ夜話 第8弾 

6月25日(月) 母をたずねて三千里監督:高畑勲
6月26日(火) 装甲騎兵ボトムズ 監督:高橋良輔
6月27日(水) 時をかける少女  監督:細田守
6月28日(木) 精霊の守り人   監督:神山健治

◆Subject: アニドウからのお知らせ 2007.6.9(メール)

「BSアニメ夜話母をたずねて三千里」小田部羊一さんが出演します。

時をかける少女: BSアニメ夜話の収録がありました(時かけ公式ブログ)

 ゲストに渡邊P、筒井康隆先生がご出演!

 ということで、今回は高畑勲監督の最高傑作 『母をたずねて三千里』、『時をかける少女』、『精霊の守り人』の三本に注目。(『ボトムズ』はまともに観てないので、、、)

 小田部羊一さんの作画エピソード紹介が楽しみ。宮崎レイアウトの真髄が語られるのか!??小田部氏ご本人がどのような方かも興味深いです。

◆関連リンク
DVD『母をたずねて三千里』  
細田守『時をかける少女 絵コンテ』
DVD『時をかける少女』
◆当Blog記事
『時をかける少女』
・アニメ夜話 カリオストロの城 『嵐を呼ぶモー レツ!オトナ帝国の逆襲』
『未来少年コナン』  『機動警察パトレイバー』
『銀河鉄道999』 第6弾 第4弾 第3弾
その他 記事「アニメ夜話」検索

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2007.06.12

■『電脳コイル』 第5話「メタバグ争奪バスツアー」
  ロマンアルバム『電脳コイル アクセスガイドBOOK(仮)』
   & DVD発売予定

 第5話は、第4話「大黒市黒客クラブ」にて課金等で「お年玉」○年分を使いきった黒客クラブ面々が、イサコに誘導されてメタバグを探して、バスの廃墟へ出向く話。

 少年たちが自分たちが行ったことのないような街のはずれまで足を伸ばしてミニ冒険するのと、スクラップの車置き場というシチュエーションが妙に懐かしい。子供の頃に貴方はそんな経験がないですか?僕は小学生の頃、近所の仲間と近くの自動車工場の廃自動車置き場で冒険していた口なのでドンピシャ懐かしい。当時はちょっとした部品がかっこよくて発掘して大喜びで拾ってきたり、、、、メタバグはそうした子供たちの宝物発掘のまさにメタ化したものと考えられるのかも(??)

 さて今回技術的な突っ込みとしては、バス置き場の電波状態の悪さが黒客クラブの面々の体を不安定な状態にしたシーンについて。物理的には本物の体が不安定になっているわけではなくて、メガネに投影されている電脳空間上の体の映像のみがぼやけている現象なのだろう。メガネをはずすと、体は当然現実空間では消えているわけがない。

 この描写で(いままでもおおよそわかっていたが)、この世界ではメガネに投影されている電脳空間上の映像は、電脳ペットなどの電脳物質でできたものと、現実の物を電脳空間上に位置を合わせて投影しているものの両方であることが明確化した。ただシースルーで現実の物に投影された電脳物質が重なって見えているのでなく、メガネの映像は全て一度電脳空間上で計算されてメガネに投影。どうもシースルーで目の前の現実が重なって見えているのではないらしい。

 電波状態の悪化は、サーバから送られてくる電脳空間上の映像データを乱す、よってメガネを通してみているアニメの中の子供たちと(我々視聴者の)眼には、ダイチたちの体が消えてしまうようにみえる。

 電波体質のデンパくんが受信感度が高く、その近くに寄ると体の映像がはっきりするシーンがあったけれど、これがサーバからの映像データが電波で送られてきていることの直接の描写となっている。

 にしても今回の白眉は、なんといっても生物部(電脳生物部?)部長ハラケンのサッチーお手シーンでしょう。あの映像、サッチーの腰の曲げ方とか、最高。

◆関連リンク
『電脳コイル』MAD このMAD、コイルの持つ懐かしさを最大限活かしてます。
月刊アニメージュ【公式サイト】

■ロマンアルバム『電脳コイル アクセスガイドBOOK(仮)』発売のお知らせ 

6月30日発売決定!
キャラクター、放送エピソード&用語解説、設定資料に加えて磯光雄監督&メインキャストインタビューを収録予定。
(A5判/オールカラー80P/800円)


電脳コイル 第1巻 限定版 (バンダイビジュアル)

発売日 2007年09月25日
スペック カラー/(予)110分/ドルビーデジタル(5.1ch・ステレオ)/片面2層/16:9(スクィーズ)/ビスタサイズ
品番:BCBA-3028 税込価格 \6,510

初回封入特典 ブックレット 第1話、第2話絵コンテ
初回映像特典 電脳コイルができるまで
ノンクレジットOP&ED

電脳コイル 第1巻 通常版 (バンダイビジュアル)

品番:BCBA-3037 販売専用 税込価格 \2,940

初回封入特典 「コイルのおまけ」携帯ストラップつき
毎回封入特典 メタタグカード

 ブルーレイではなくDVDなのですね。絵コンテはほしいけれど、限定版は高い。
 のでコンテは、きっと発売されるだろう(??)コンテ本を楽しみに待ちます。是非このアニメだけは、コンテに各シーンの担当アニメータの名前を明記してほしい。

DVD『電脳コイル(1) 限定版』 『通常版』 (Amazon)

関連リンク 当Blogその他記事

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  ロマンアルバム『電脳コイル アクセスガイドBOOK(仮)』
   & DVD発売予定"

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2007.06.10

■デヴィット・リンチの美術展 カタログ感想
  『The air is on fire, David Lynch』

The_air_is_on_fire_david_lynch

デヴィット・リンチの美術展カタログ
  『The air is on fire, David Lynch』
(当Blog記事)

著者: David Lynch   ハードカバー  443ページ
  /Cartier Foundation for Contemporary Art
出版社: THAMES & HUDSON
付属品: CD (AUDIO) 2枚   (amazon.co.jp)

 待望の美術展カタログが、米amazonへ注文して約2週間たって、やっと届きました。
 思ったよりも版型が大きく、縦28cm×横23cm×厚さ3.5cmの堂々たる作品集。紙はかなり薄い部分と、厚い部分が混在。ざっくりカラー4割、モノクロと文章6割といった含有率。

CONTENTS紹介 本の頭から順に概略を紹介

01. マジックで描かれ紫色で印刷された文字と落書き 4枚
02. リンチのポートレート カラー1枚
03. カルティエ現代美術財団ディレクター Herve Chandes氏の言葉
04. 2006.12/15 ロサンゼルスで録音されたリンチとKristine McKennaの対談
  添付CDの対談の書き起こし 18ページ
05. 鉛筆のスケッチ1枚 無題(ゴッホ?)
06. 絵画2枚 無題(森, 静物)とスケッチ2枚 無題(葉巻の男, 大鎌の男)
07. 映画スチル Six Men Getting Sick 4枚
08. 映画スチル The Amputee 2枚
0David_lynch_the_air_is_on_fire_029. Drawings 54枚 (マジック画,ペン画,メモ等無題。
 展示会を紹介したテレビ番組で使用された右の絵等)
10. 映画スチル The Alphabet 6枚
11. 2006.11/20 リンチとBoris Groys, Andrei Ujica氏との会話 21ページ
12. Drawings 54枚 (ペン画等無題。奇妙な人間の顔等)
13. 映画スチル The Grandmother 6枚
14. Drawings 20枚 (ペン画等。奇妙な生物等(Eraserheadの胎児に似たもの))
15. 映画スチル Eraserhead 6枚
16. Drawings 19枚 (ペン画等。抽象画等(The Angriest Dog))
17. 映画スチル The Elephant Man 8枚
18. Paintings 7枚 (タイトル,年号付 2005年作品)
19. 映画スチル Dune 4枚
20. 映画スチル Blue Velvet 6枚
21. 映画スチル Wild at Heart 6枚
22. 映画スチル Premonitions Following an Evil Dead in Lumiere et Compagnie 3枚
23. Paintings 20枚 (タイトル,年号付 1988-2005年作品。黒を基調としたもの)
24. Paintings 13枚 (タイトル,年号付 1990-2005年作品。茶を基調としたもの。Bob)
25. 映画スチル Twin Peaks : Fire Walk with Me 6枚
26. 映画スチル Lost Highway 4枚
27. 映画スチル The Straight Story 3枚
28. Photographs 25枚 (モノクロ無題。廃工場等)
29. Photographs 24枚 (モノクロ無題。街等)
30. 映画スチル Mulholland Drive 8枚
Lynchdistorted_nudes31. Distorted Nudes 28枚 (モノクロ無題。右のような歪んだ裸体写真)
32. Photographs 21枚 (モノクロ無題。ヌード)
33. Photographs 14枚 (カラー無題。ヌード)
34. 映画スチル INLAND EMPIRE 8枚
35. Biographical Information 1枚 (モノクロ。1949年3才のリンチと父親@アイオワ)
36. Photographs 4枚 (モノクロ無題。スノーマン)

 ざっとこんな内容になってます。
 まだじっくりと眺めたわけでなく、ざっと一通り観たところ。

感想 

 特に素晴らしいのは、24.のBobを主題にした奇妙にねじくれたカラーの絵。特に2000-2005年に描かれた見開き5枚が圧巻。デヴィット・リンチの深層心理が画材の上に漏れ出したかのような映像が素晴らしい。
 Drawingsに掲載されているどちらかというと落書き的シュールレアリスティックな自動筆記的な垂れ流し画像(失礼)ではなく、まさしく芸術としての昇華が感じられる。この年代、リンチはMulholland Driveに取り組んでいる。映画としても超絶な完成度を獲得した頃、絵画イメージとしてもリンチのひとつの到達があったのかもしれない。

 もうひとつ、31のDistorted Nudesのモノクロ作品群も幻想的で凄く好き。
 かなり気持ち悪いと思う人も多いかもしれない。しかしこのたぶんPhotoshopか何か画像処理ソフトで写真を加工したイメージ群の雰囲気は狂気迫るものがある。

 と、イメージの極北を描いた後におかれた、父親とのモノクロ写真の3才のリンチくんと、雪だるまの写真。ほのぼのとした画像を眺めつつ、リンチの中に深層で育まれた狂気を想像すると、モノクロの黒い色が読者へと染み出してくる。

 パリの展覧会がこの本の順に配置されていたのかは僕は知らないが、頭のページから美術館の中をめぐっているように眺めていくと、雪だるまの写真すら、奥深いものに感じてしまうだろう。擬似The air is on fire, David Lynchを楽しむことができた。

◆関連リンク
タキヤンのよろめき日記 ちょっとラリックス リターンズ
The air is on fire, David Lynch - カタログ , BIEF

・当Blog記事 デヴィット・リンチの絵画展@パリ ジ・エアー・イズ・オン・ファイアー

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2007.06.07

■山田 正紀『イノセンス After the Long Goodbye』

山田 正紀『イノセンス After the Long Goodbye』(Amazon)

 バトーの一人称で、映画『イノセンス』の前日譚を語ったハードボイルド。
 主役は、バトーとその愛犬バセットハウンドのガブ。しかし主役は、僕たちが『攻殻機動隊』で知っているバトーではない。九課も出ない。トグサが一瞬出るだけ、新巻は名前だけ。
 まさにバトーを山田正紀が描いたらさもありなん、と想像できる小説。よって、アンチヒーロー的バトー。

 冒頭で、バトーが車の中でハッキングされ、無意識層に意識を移行させるような描写があるが、ここはなかなかエキサイティングだった。
 山田正紀はこの小説を書くにあたって、電脳と意識とゴーストの関係について、SF的にかなり突っ込んで考えているのではないか。ただ書きすぎてしまっていて、士郎正宗のサイバーパンクな描写には勝てない、という感じ。
 だけど意識と無意識の境界を描いているところは、面白かった。

 いないはずの息子の夢を観るくだりとか、ガブへ向かって一直線のところとか、ここにも切ないもう一人のバトーがいます。

◆関連リンク
・山田正紀『襲撃のメロディ
 車の中からのネットへのアクセスを30年前に描いた小説。僕はおそらくネットでの情報検索というのを初めて読んだのがこの小説だと思う。『イノセンス After the Long Goodbye』の車の中でハッキングにあうシーンで、この本を思い出した。
山田正紀(wikipedia)
山田正紀 - 書評Wiki『イノセンス』
山田 正紀『襲撃のメロディ』(Amazon)
『イノセンス』公開記念 押井守とバセットバウンド
押井 守, 桜 玉吉
 『犬の気持ちは、わからない―熱海バセット通信』
(Amazon)
押井作品のキーワードを探る@野良犬の塒 押井守と犬についてはここが詳しい。

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2007.06.06

■古川日出男 超大作『聖家族』シリーズ 朗読ムービーファイル

Furukawa_roudoku_seikazoku
『聖家族』シリーズの情報ページ (古川日出男公式サイト)

 『狗塚らいてうによる「おばあちゃんの歴史」』(「すばる」06.6月号)
 『地獄の図書館シリーズ』( 「小説すばる」06.4, 7, 10月号)
 『聖兄弟』(「青春と読書」06.6月号~現在)
 三本柱でスタートした古川日出男の超大作『聖家族』シリーズの情報ページ
 朗読のムービーファイルを掲載。『聖兄弟』と『ロックンロール七部作』より「ロックンロール十段」前半後半の3本。(撮影・編集 下田彦太氏)

 当Blog記事で紹介した、朗読ギグ 古川日出男×向井秀徳を聴かれた方なら、古川氏の小説のセンスを、まるで音楽のように、そして演劇のように演じてしまうこの作家本人の朗読の魅力はわかってもらえるでしょう。
 もっと聴きたいと思っていた方、残念ながら今回は向井秀徳氏の音楽はありませんが、古川氏独特の朗読が3本、聴けます。

◆関連リンク
古川日出男インフォメーション 

6月16日 短期集中連載『聖兄妹』スタート 【Date:2007.6.1】
「小説すばる」7月号より、三ヵ月間の短期集中連載『聖兄妹』がスタート
朗読ギグ「古川日出男×向井秀徳」(5月3日開催)のグラビア速報も併録

すばる 2006年 06月号
 『狗塚らいてうによる「おばあちゃんの歴史」』収録

・当Blog記事
『爆笑問題のススメ』 古川日出男の巻 『ロックンロール七部作』 『ボディ・アンド・ソウル』 『ベルカ吠えないのか』  『LOVE』 NHK週刊ブックレビュー 特集 古川日出男『LOVE』を語る

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2007.06.05

■非公式情報 押井守新作映画は『スカイ・クロラ』?
   THE SKY CRAWLERS

Sky_crawlers

Blog 野良犬の塒さんに、特ダネ(?)が掲載されてました。

押井守最新作は『スカイ・クロラ』?(野良犬の塒さん)

 情報筋によると、現在プロダクションI.Gで制作中の、2008年に公開予定となっている押井守最新作劇場アニメーション映画は、森博嗣の小説『スカイ・クロラ』を原作にしているという。(略)
 ただ強調しておくが、現段階で公式発表は一切行われていない。

 リンク先には、追加の情報もあります。詳細は是非、Blog 野良犬の塒を見てください。

 ググると、こんな情報もありますね。押井守総合スレ・その32
 ※07.6/20公式発表にもとづき赤字修正

もし巷で言われている小説が原作なら、その小説の最新刊(完結巻)の
発売日前の6月初旬くらいに正式発表かな?

もし言われている通りなら

監督 押井守
原作 森博嗣著「スカイ クロラシリーズのどれか)
脚本 伊藤ちひろ   演出 西久保利彦
キャラクターデザイン・作画監督 西尾鉄也
メカニックデザイン  竹内敦志
音楽 川井憲次    
制作 Production IG
製作プロデューサー 石川光久

 このうわさが本当なら、第5巻が発売される頃に公式発表があるのかも。浮遊工作室(予定表)によると、6/25「クレィドゥ・ザ・スカイ」(中央公論新社刊)の予定らしい。

 森 博嗣氏の本は、ミステリーの初期3冊ほどは読みましたが、どうも合わなくて、最近全く読んでいません。なので、表紙に惹かれはしましたが、この本も未読。

 鶴田謙二氏のキャラで、押井守とIGスタッフの稠密絵作りで爽快な空の映画になったら、とてもいいですね。しかし押井氏のことなので、ひとひねりもふたひねりもあるのかなーー。
 
(07.6/5追記) と思ったら、下記のような情報。完全なエンタテインメント!

アニメのニュースと情報 押井守に劇場映画の新企画進行中?

 「それと現在、企画段階ですが、『イノセンス』で組んだ押井守監督の新作を進めています。今度は押井守監督の意向もあって、完全なエンタテイメント作品を目指そうとしているんです。」

◆関連リンク
・当Blog記事 押井守 大学の講義で××× (次回作 伏字情報)
 ×××の一部は今回の情報で、「戦闘機」と確認できたわけです。
鶴田謙二氏の絵を予告編風にまとめたもの。(スカイ・クロラ公式HP)
森 博嗣『スカイ・クロラ』
『ナ・バ・テア―None But Air』
『ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven』
『フラッタ・リンツ・ライフ』

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■円城 塔『Self-Reference ENGINE』

円城 塔『Self-Reference ENGINE』(Amazon)
ハヤカワ・オンライン

〈ハヤカワSFシリーズ Jコレクション〉進化しすぎた人工知性体が自然と一体化したとき、僕と彼女の時空をめぐる冒険は始まった。イーガンの論理とヴォネガットの筆致をあわせもつ驚異のデビュー作。Jコレクション創刊5周年記念作品

 これは傑作。変態で不条理、雄大でユーモラスなハード(?)SF。
 特に奇想小説ファンは、是非読まれることをお薦め。素晴らしく脳がひっくり返る奇妙なイメージ世界を堪能できます。

 全体が二部構成、18編のそれぞれが独立して読めるバラエティに富んだ短編集(連作というよりこちらの表現が近いと思うがどうだろう)。しかし全体で、ひとつの大きな通常の人間の認識ではとらえきれないだろう世界が描かれている。素晴らしい。

★★★★★★★★以下、ネタばれ、注意★★★★★★★★

 僕が好きだったのは、下記の7編。

◆「A to Z Theory
 二十六人、ぴったりアルファベットAからZまでの名前の数学者が同時に単純にして美しい定理を発見する物語。何が起きているのかわからない不思議なダイナミズムにまず一撃。

◆「Event
 神父Cのテーゼというのがまず面白い。
 そしてそこから逃れるために巨大知性体が選択した自然現象そのもので演算する方法。これにより世界の時間律は解放され、人間が過去を改変されることに慣れてしまった世界。とにかくこれもわけがわからないが、自然現象そのもので知性体が計算を創める、というところのイマジネーションが凄い。

◆「Freud
 これぞハードSF版不条理日記。
 「床下から大量のフロイトが出てきた。」この一文のインパクトが凄い。フロイトとはもちろんジグムント・フロイトその人。二十畳の和室の畳の数と同じだけ、二十人のフロイトが亡くなった祖母の家で発見されたら、貴方はどうしますか?

◆「Contact
 人類と巨大知性体の、宇宙人とのファーストコンタクト。
 その宇宙人アルファ・ケンタウリ星人は、「Event」で描写された人類が想像すらできない巨大知性体に対して、さらに知性階梯を30段ほど登ったところにいるという。既にあまりに想像力の限界の果てのさらに彼岸まで行ってしまった存在の描写に、我々読者も巨大知性体とともにアタフタするのみ。

 この途方もないアルファ・ケンタウリ星人に言語中枢をのっとられてコミュニケーションのツールにされた巨大知性体ヒルデガルドが、その体験を詩篇として幻想的なレポートとしてまとめた25テラバイトの文章が興味深い。地球知性が途方もないものと出会った時、その表現ツールとして文学はまだ有効なようだ。しかし自然で演算する知性体の書いた詩篇、たぶん我々に理解はできません。これぞ究極映像じゃ。

◆「Japanese
 この一編、恐ろしく完成度の高い短編。
 発見された日本語文書は、その文字120億文字が全てが別々の文字で記されている。
 そして最初期に発見された14ページの一度は解読されたと思われた文書も実は、、、。人類と巨大知性体の知力を尽くした戦いの描写として、この設定とラストの落ちが素晴らしい。あー、なんて凄い短編なんだ。

◆「Yedo
 知性階梯を30段ほど登ったところにいる超越知性体アルファ・ケンタウリ星人とのコンタクトの手段として、地球巨大知性体のとった戦略は、喜劇専従の巨大知性体八丁堀とサブ知性体ハチによるお笑い駄法螺演算だった。
 超越したものとのコミュニケーションは、天才と馬鹿の紙一重を超えて、馬鹿の領域でコンタクトしようという、恐ろしくも馬鹿馬鹿しいハード数学SF(?複雑系SF?)。

◆「Disappear
 そして滅んだ巨大知性体。その理由は因果律を超えて、人間が想像した原因は全て否定されるところに存在する。決して手の届かないイマジネーションの世界を、群盲が撫でる、というのがこの本の巨大なテーマであるのかもしれない。まさにこの一編もそうした結構を持っている。

 とにかくこの不条理哲学超知性体SFに、ノックアウトされました。
 この作家の次が見逃せません。

◆関連リンク
Self-Reference ENGINE | Self-Reference ENGINE
 円城 塔氏本人のBlog。Profileによると、ここの社員さんらしい。凄まじい想像力を駆使したウェブサイト開発の仕事をしているのか!?
重力と恩寵: オブ・ザ・ベースボール―円城塔
『文学界 2007年 06月号』 文藝春秋
 第104回文學界新人賞発表-受賞作『オブ・ザ・ベースボール』円城塔(Amazon)
円城塔(wiki)
・菊池誠氏のkikulog
 Self-Reference Engine (円城塔、ハヤカワJコレクション)
nozomi Ohmori SF page (since Mar.31 1995)

(SFセミナー)合宿企画では、(略)Jコレの部屋では、「『Self-Reference ENGINE』を20分割したものを配る」というネタがそれなりにウケてめでたしめでたし。円城さんはすでにベテランの落ち着きで質問を次々に処理。新人らしい初々しさに欠けるのが問題と言えば問題か。

 ちなみに、「なにが書いてあるかわからない」と塩澤編集長から突き返された円城短篇「Boy's surface」は(予想通り)志村弘之に異様にウケていた。ちなみにBoy's surfaceとは、射影幾何の3次元空間への埋め込みのひとつで、日本語だとボーイ曲面(たぶん)。ボーイは、それを発見した人の名前なんですが(Werner Boy)、もしそれが男の子だったら……という駄洒落から生まれたボーイ・ミーツ・ガールの初恋物語(と推定)。(略)

Hash lab | Self-reference ENGINE

 ところで,円城氏は金子研のOBで,関数マップという超マニアック研究をヒトリコツコツやっている(た)人.関数が関数に作用して,関数自体が時間発展していく.要は,オペレータとオペランドの分離不可能性を真っ向から扱っている,複雑系ルール(ダイナミクス)派の仲間だと(勝手に)思っている.その彼が,「Self-reference ENGINE」と来たのだから,読むのがとても楽しみなわけである.

東大 総合文化研究科 広域科学専攻相関基礎科学系 金子邦彦研究室 関数マップ

円城塔とは - はてなダイアリー

ペンネームは金子邦彦『カオスの紡ぐ夢の中で』収録の短編「小説・進物史観―進化する物語群の歴史を観て」に登場する自動物語システムが名乗る筆名のひとつに由来する。

金子邦彦『カオスの紡ぐ夢の中で』

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2007.06.04

■『電脳コイル』 第4話「大黒市黒客クラブ」
  電脳戦闘スタート 作画、本領発揮!

◆『電脳コイル』 万能の映像世界 

Coil04_battle  いやー、第4話、素晴らしかった!
 もともとこのミックスド・リアリなコイル世界でなら、現実に覆いかぶさる仮想映像として、どんな奇想なイメージが大黒市に登場しても不思議でない。今回は202X年の小学校で、リアルにミサイル戦(直進くんと追跡くんの活躍)が繰り広げられるというエキサイティングな映像が楽しめた。

 このコイルの設定は、現実のちょっと先の科学技術でリアリティを確保し、どんな映像の自由度も獲得できる。まさにアニメーションにうってつけの素晴らしい設定。なにしろメガネに投影することで、どんな仮想映像でも街にリアリティを持って、登場できるのだ。
 特撮の「怪獣と街の破壊」だろうが、ファンタジーの「魔法合戦」だろうが、SFの「知性階層を超える異星人のオーバーテクノロジー」だろうが、およそ想像できる映像の全てが大黒市に登場してもリアルにOK。かつ現実空間は物理法則と人間の肉体の制限があるので、作画の腕のみせどころ。

 同じ電脳戦でも、『攻殻機動隊』との違いは、ミックスドリアリティが現実世界に適用されている点。現実の事物との相関関係で仮想世界が影響を受ける(例えば、現実空間にダンボールが置いてあると、ミサイルは貫通できない)ところ。これにより、あたかも仮想の電脳物質が現実に侵食しているような映像が手に入っているため、『攻殻機動隊』では描けなかった奇想でエキサイティングな世界が小学校に現出。

 磯監督、この設定を思いついた時は、きっと興奮したと思う。まさに世界を創造するアニメーターにうってつけの設定。

 第1話は、ポシェットから電脳釣竿を取り出す展開で、21世紀のドラえもんを目指すのかと微かに危惧の念を抱かせた(^^;)。だけどまさに今回でその危惧はきれいにぬぐい去られ、イマジネーションの飛躍する映像が校舎の廊下で炸裂。

◆第4話「大黒市 黒客クラブ」

Coil_under_water  今回の作画は、師匠とカリスマ-本田雄と井上俊一が作画監督をはなれ、筆頭原画。この自由な設定でいかんなく実力を発揮。(といっても僕にはどこが誰の作画か不明)
 普通の生活芝居と戦闘がみごとにひとつの画面にレイアウトされ、この取り合わせが素晴らしい異化作用でセンス・オブ・ワンダーを醸し出していた(いや、ただかっこよかったと表現するほうが正しい(^^))。

 今後、当然メカだろうが怪獣だろうが、小学生の小遣いが続けば(^^;)何でも可。派手なバトルを見せてくれるなら、全国のおじさんがダイチにお年玉を惜しまないだろう(なんのこっちゃ ^^;)。まずは以前に公式HPに掲載されていた左の不思議な生き物の暴れる姿がみたいもの(大黒市○○伝説??)。

◆イサコの過去

 物語の縦糸を構成する「優子と勇子」のコミュニケーションの話も、今回の二人の会話でスタート。特にヤサコの金沢での過去を鋭く指摘したイサコの言葉が重い。

 4話前半もいじめの描写があったが、こんなところから今の小学生たちのリアルな物語が徐々に立ち上がってくる。うちの娘をみていても(特にいじめられているわけでないが)、学校へ出かける時の雰囲気は、ちょっとした戦場へ向かうような表情をすることがある。
 現実の学校社会のもろもろを聞くと、人間関係は僕たちが子供のころよりか随分とシビアなものになっているように思える。ストーリーのこの部分が今後どう視聴者の子供たちへくいこむか、これもひとつの現代的なみどころである。

 ヤサコのアニメートで、背中を丸めて、手を前で合わせた独特の及び腰ポーズ。これもこの物語設定を作画で表現したものなのだろう。

◆磯監督の作画への関与

 凄く知りたいのがこのポイント。
 現在、磯光雄のクレジットは、原作・脚本・監督とデジタルエフェクトで、絵コンテ・作画は第1話のみ。つまりクレジットでは第2~4話はデジタルエフェクトを別にすると作画面の関与がないことになる(正確には第2話で美術設定も担当している)。

 『未来少年コナン』で宮崎駿は、クレジットと別に絵コンテ、レイアウトから果ては原画修正まで作画の全領域に関与したらしい(今の映画でもほとんどそこまで関与してるらしい)。

 アニメータとしたら、万能の映像設定を得た中で、存分に腕を振るいたいはず。少なくとも絵コンテは担当してもよさそうだけれど、、、、。監督としての修正等、どこまで関与しているか、今後、製作現場の様子を伝えるDVD特典とか特集本が望まれるところ。(まずはアニメスタイルでの小黒編集長のインタビューを待望)

◆関連リンク

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  電脳戦闘スタート 作画、本領発揮!"

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2007.06.03

■『電脳コイル』探索<3> 脳-電脳インタフェース
 ブレイン - コンピュータ/マシン インタフェースBCI, BMI

◆脳-電脳インタフェース BCI,BMI

 今回はミックスドリアリティとオーグメンテッド・リアリティ(MR,AR)に続き『電脳コイル』ワールドのキーテクノロジーとなっているブレイン-コンピュータインタフェース(BCI:Brain Computer Interface)、もしくはブレイン-マシンインタフェース(BMI:Brain Machine Interface)と呼ばれる技術について。

 「メガネ」がMR,ARを象徴してるとすれば、「コイル」がBCI,BMIを象徴する言葉であり(と思う)、ダイレクトにタイトルの『電脳コイル』に関係する。そんな重要キーワード。

 現在、研究されているBCI,BMI技術については、詳細は下の関連リンクを見てもらうとして、簡単に表1にまとめてみる(wikipediaが充実してないのでしかたなく整理してみます。素人の整理ですので、間違ってたら教えてください)。 

表1. BCI,BMI 脳とコンピュータの情報インタフェース
 脳 / 体内情報   センシング方法     体外への取り出し
  脳波(EEG)    侵襲的手法  電極他  プラグ(サイバーパンク作品),電波,
 電磁誘導 (
コイル?),
 光 (
イマーゴ?)
  脳内血流変化  

  筋電位

   非侵襲的手法  fMRI, EEG, MEG, NIRS,    不  要
  視 線    キーボード, カメラ他   (元々体外でセンシング)

 まず何から脳のコンピュータへの指示情報を読み取るか。脳神経の活動情報としては、EEG(脳波)と脳内血流変化の2種類が挙げられている。BCI,BMIは、このどちらかから脳内の指示を読み取ろうとする技術。加えて筋電位や視線といった脳の活動の結果をとらえる場合も表1に加える。
 次にそれをセンシングする方法は、大きく分けると侵襲的手法と非侵襲的手法に分けられる。これは文字通り、脳に機器(センサ)を直接潜入させるか/させないか、という分類。

 侵襲的手法は、電極を脳に埋め込む『ニューロマンサー』、『攻殻機動隊』、『マトリックス』等サイバーパンクSFが描いてきた方式が最も有名。この場合、体外へ情報をどう取り出すか、というところで、プラグを使ったり電波を使ったりという手段が別に必要。

 電極を埋め込む技術もかなり最近進んでいて、既に聴覚障害者への適用は医療として実現しているらしい(これはマシンから脳への情報伝達ですが)。

 非侵襲的手法は、頭の外側にセンサを置き、脳神経情報を読み取る方法。
 これには、EEG(脳波)を読み取る方法として、fMRI(functional Magenetic Resonance Imaging 機能的磁気共鳴画像)、EEG(Electoroencephalogram 脳波計)、MEG(Magnetoencephalograph 脳磁計)といったものがある。脳内血流変化をセンシングするのは、近赤外分光法(NIRS: Near Infra-Red Spectroscopy)というものが代表的。

 あと脳内情報をダイレクトに読むのではなく、その結果の体の動きから判断する方法。
 キーボードは指の動きで意識情報をとらえるインタフェースと言える。
 その他、視線の動きをカメラ等でセンシングして、マウスやキーボードの動きの代わりにする技術も有名で、こちらも障害者のコンピュータ操作デバイスとして、既に実用化されている。

Coil04_bci ◆『電脳コイル』におけるBCI,BMI

 第四話でかなり技術のヒントが示された。
 教室でのダイチによる黒客(ヘイクー:ハッキング)シーン。ダイチは手の入力でないと処置できないはずのメール爆弾攻撃をイサコに仕掛ける。しかしイサコの手と指(どころか体全体)が動かないのにダイチの攻撃は防御/反撃される。

 そこで語られるメガネの「イマーゴ」と呼ばれる隠し機能。
 どうやら脳からダイレクトに非接触でコンピュータへアクセスする方法があるらしい。

 イサコの眼が赤と青に点滅する後半の映像から考えると、この「イマーゴ」、光によるメガネへの非接触情報入力の可能性大。
 たぶん侵襲的手法で脳内から情報を読み取り、そして電気/光変換デバイスで眼を光らせてメガネに情報入力しているのだろう。

 ではイサコ以外は、どのように情報入力しているのか。
 こっからは完全な邪推だけど、たぶん仮想のキーボードを叩く指の動きを、体にながれる筋電位をとらえて伝えているのではないか。そしてキーになるのがたぶん「コイル」。(以前も少し書いたけれど、追記とちょっと修正。)
 
 「コイル」は、イサコの眼光の代わりに人の体からメガネへ情報入力する手段ではないか。
 イサコが脳の何らかの信号を眼の光に変えるデバイスを埋め込まれているのに対して、他の子供たちは、筋電位をとらえ、それをメガネのツルへ非接触で伝えるデバイスを埋め込んでいるのではないか。それが「コイル」。
 コイルというのは、技術用語では通常銅線を巻いたもののことである。銅線を巻いて磁界を発生させて、それをメガネのツル(ここにも銅線が巻いてある)がその磁界を電磁誘導でとらえているのではないか。

 おそらく、この筋電位とコイルによる情報量は、イサコの埋め込んでいる侵襲デバイスより、ビットレートと精度で劣る。しかもイサコが、第三話で電脳空間が破壊される時に衝撃を受けたことから、メガネから逆に感覚情報に近いものも脳内へ伝達されていることがうかがい知れる。

 ここの真相は、今後の展開が待たれる。何にしてもタイトルの「コイル」の意味がわからないのは気持ち悪い。「コイル電脳探偵局」は何故コイルという文字を使っているのか?「coil a circle of children」という英語タイトルの意味は?(燃える電脳戦の第四話の感想を書くはずが、長くなってしまったので、トピックを分けます。楽しい電脳戦の話は次回!)

 2chでも、「コイル」の謎についてはほとんど語られていない。
 どなたでも謎の推測があれば、コメント欄に書き込んでいただけると嬉しい。

◆関連リンク

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2007.06.02

■JST 空気アクチュエータロボット CB2(スクエア)
  Child-robot with Biomimetic Body

開発したロボット「Child-robot with Biomimetic Body (CB2)」 (写真)
柔軟な関節と柔らかい皮膚を持つヒューマノイドロボットを開発 (プレスリリース)

Cb2  JST(独立行政法人 科学技術振興機構)は、子供の体の大きさで、全身に柔軟な関節(51カ所の可動部分に空気アクチュエータを使用)と柔らかな皮膚(シリコン製皮膚の下にある約200個の高感度触覚センサで全身の触覚を実現)を持つという、これまでにない機能を備えたヒューマノイドロボット「Child-robot with Biomimetic Body (CB2)」を開発しました。

 浅田共創知能システムプロジェクトの一環として研究されたものとのこと。開発者の皆さんには誠に申し訳ないコメントになりますが、不気味の谷へまっさかさまってな雰囲気に思わず新聞で写真を観て、ひきまくり(^^;;)。Jyuonもう少し外観の色とかで、このイメージを和らげることはできなかったのか、残念な感じ。黄色かオレンジ色とかにしたら、よかったのかも。

 夜道でもっとも会いたくないロボットですね。
 (映画『呪怨』の子供みたいで)科学振興には逆効果かも(^^;)。

 、、という冗談は置いといて、この空気圧アクチュエータというところが興味が沸いたところ。今までも同様の駆動源で動かすロボットはあったけれど、ここまでヒューマノイドとして纏めた例は記憶にない。

 実際の動きが人間の感覚にどんなイメージを与えるか、是非動くところを見てみたいものだ。

◆関連リンク
ロボット:幼児の自然な動き再現 阪大グループが開発(毎日)

 ロボットは身長130センチ、体重33キロ。皮膚は、シリコン製で薄い灰色。骨格は主にアルミでできている。皮膚の下のセンサーなどの働きで、五感のうち視覚、聴覚、触覚を備えた。大きな音や光に反応し、体を触られると、口を開け、人工声帯で「エーッ」と声を出す。

人とロボットのコミュニケーションのかたち。(JST News)
 いやしロボットPAROもJSTなんだけど、今回のとえらい違い。
・当Blog記事 もうひとつ不気味の谷系
 大阪大学 石黒浩教授「アンドロイド・サイエンス:Android Science」

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2007.06.01

■りょーちも監督「トラボルタ」 (GyaO[a-i-r]アニメーター列伝)

Ryouchimo_trabolta
GyaO [ギャオ] [a-i-r]アニメーター列伝 りょーちも「トラボルタ」 動画

トップアニメーターの生の画=“原画”が動く「アニメーター列伝」。

何かにムッときた時、みんなきっと「トラボルタ」を投げるんだと思います…勢い良く飛ぶといいな。

スタッフ 
原作・作画;りょーちも・うっけ    アニメーション;りょーちも
音楽;洋奈「Flower on the cliff」   プロデューサー; 小林謙一

 07.5/25公開のホカホカの新作。
 動きの冴えがところどころ迸りますが、今回は全体的に抑えたトーン。

 音楽とアニメーションがとてもマッチして、静かでちょっと寂しい映像。2分、必見。

◆関連リンク
ちものと ご本人のHP。現在の扉絵が『トラボルタ』の元になった絵。
 動画もいろいろあります。
パソコンテレビ GyaO [ギャオ] 無料動画 |[a-i-r]PIX tiny picture label
 このインディーズ作品群もなかなかいい感じ。

・当Blog記事 作画の凄さはこちらから観て下さい。
 アニメータ りょうちも氏 の映像 (ノエイン原画より)

『ノエイン』 りょうちも氏、本のイラストも描かれている

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