■新刊メモ ジェイムズ・ティプトリー・Jr. 『輝くもの天より堕ち』 Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr.
翼をもつ美しい妖精のような種族が住む銀河辺境の惑星ダミエム。連邦行政官のコーリーとその夫で副行政官のキップ、医師バラムの三人は、ダミエム人を保護するため、その星に駐在していた。そこへ〈殺された星〉のもたらす壮麗な光を見物しようと観光客がやってくるが……オーロラのような光の到来とともに起こる思いもよらぬ事件とは?
ティプトリーの長編が初めて翻訳出版された。
あの超絶技巧を駆使した短編群に対して、ティプトリーが長編でがどのような世界を読者に提示してくれるのか。
本書は、あの衝撃的な死からわずか2年前に発表された彼女の二作目にして最後の長編。日本語訳で578ページの大作である。
人類を透徹した思考で徹底的にクールに描き出した作家の、晩年の作品を心して読み進めたいと思う。
◆関連リンク
・ジェイムズ・ティプトリー・Jr.(wikipedia)
・【作家紹介】ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
2002年出版の研究本The Battle of the Sexes in Science Fictionのchapter 6を参考にした紹介記事
・Brightness Falls from the Air, James Tiptree Jr..
冬樹 蛉氏のレビュウ
・原書27ページ分がここで読めます。
・ジェイムズ・ティプトリー・Jr. 『輝くもの天より堕ち』(amazon)
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コメント
say*3さん、こんばんは。
>>あれは連作短編でしたっけ?
訳者あとがき「長篇の体裁はとっていますが、共通の背景を持った連作中篇集というほうが正しいでしょう」とありますね。
僕はSFマガジンで読んだので、まさに中篇と今の今まで思っていました。
ではでは、ダミエムで会いましょう(^^;)。
投稿: BP | 2007.07.31 00:14
頭のなかで「たったひとつのさえたやり方」が長編とばかり思ってました。
あれは連作短編でしたっけ?
投稿: say*3 | 2007.07.30 18:31