■ヒューマノイドロボットHRPの遠隔操縦者インタビュー
操作者が意識して行う動作を遠隔操作で指示して、バランスをとるような無意識動作を自律制御で行う自律・遠隔ハイブリッド型全身操作技術により操作機能が向上しています。また、操作に適した遠隔操作コックピットを開発しました。(川崎重工担当)
人間型ロボットの操縦とは?
~等身大ヒト型ロボットを操縦し続けてきた
川崎重工業・蓮沼仁志氏インタビュー(RobotWatch)
(略)机の奥にあって手が届きにくかったら机の上に手をついてバランスを取りながら手を伸ばしたりします。そういう無意識にやっている部分をロボットの自律機能として付け加えてやろうと考えました。そうすることによって、遠隔操作で足らない部分を自律機能で補えば、ロボットの全身動作が生成できるだろうと。
(略)「何を」「どうする」ということを選択することで、選べる意図をある程度限定してやって、あとはどういう動かし方をするかをメニューで選ぶわけです。
我々はロボットの操縦というものをテレビや映画を通して、子供の頃からドップリと観て育った世代である。
最初は『鉄人28号』。あの素朴極まりない2本の操縦桿が、子供の頃にどんなに輝いてみえたか(^^;)。操縦装置は、♪敵に渡すな、大事なリモコン♪敵も味方もリモコン次第♪と主題歌にも歌われるほど重要なアイテムだった。
時を経て、いまや我々はリアルな二足歩行ロボットが多数存在する世界に生きている。
が、ロボット本体はマスコミで取り上げられても、本来ロボットの「敵/味方を決定する」その操縦装置と操縦者について触れられることはほとんどない。
科学ジャーナリストの森山和道氏によるこのインタビューは、そんなロボットの心臓部を握るキーマンに迫った貴重な証言である、必読(なんちゃって)。(でも少なくともテレイグジスタンスに眼がない僕は、こんなレポートを待ち望んでた。)
上の引用部分を読むと、自律制御と操縦の切り分けがエンジニアリング上は最大の工夫点のようである。いままでロボットアニメを観ていても、そんな風なところに触れられることがなかったので、刺激的。次にリアルロボットものを描くアニメ監督はそんなところをガチガチに描くのも新鮮かも。
インタヴューで、初期のアールキューブプロジェクトだったころのHRPの遠隔操作プラットフォームについても、その臨場感について語られている。
あれは実際に「歩いているなあ」という感じがありました。目をつぶっていると、お尻が上下に突き上げられているだけなんですが、目を開けて絵が動きながらだと、つまり加速感があると「歩いているな」という感覚がありました。
いわゆるジャンボーグA型で、「スーパーコックピット」と呼ばれたまさしくマッドサイエンスティックなあのアイテム。もしかしてロボットへ搭乗して操縦している感覚があるとしたら、この方は史上初のアニメチックなロボット搭乗を体感した人類になるのかも。(全くうらやましい)
是非ロボットアニメを見たのと、実際の操縦の違いについて、尋ねてみたいものだ。
ありえないけれど、もしここを読まれていたら、コメントいただけると幸いです。
◆関連リンク
・HRP 遠隔操作プラットフォーム(コクピット) (pdf)
・次世代人工現実感研究会 平成14年7月4日
遠隔操作ヒューマノイドロボットによるフォークリフト運転の実現
蓮沼 仁志 氏 (川崎重工業株式会社システム技術開発センター)
NEDO委託の人間協調・共存型ロボットシステムの開発(通称:ヒューマノイド ・ロボティクス・プロジェクト,HRP)において,力感覚提示機能をもつ7自由度 双腕マスタアームと2自由度把持感覚提示装置,移動感覚を提示する体感提示装置,包囲型ディスプレイを使って高臨場感が得られる遠隔操作システムを開発した.
・「人間協調・共存型ロボットシステム研究開発」 事後評価報告書(pdf)
初期のHRPに関する詳細報告書
<当Blog記事>
・相互テレイグジスタンスの第二世代 テレサ2とツイスター4
・SFと科学技術におけるテレイグジスタンス型ロボット操縦システムの歴史
-ジャンボーグAとその後の発展-
アールキューブの映像有
・産総研認定ベンチャー「HRP-2m Choromet」(チョロメテ)
・走る人間サイズロボット HRP-2LR
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