■新刊メモ 小宮 正安 『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』
小宮 正安
『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』
(集英社新書 ビジュアル版)
ヴンダーカンマー
:Wunderkammerとは何か?
それは、直訳すれば“不思議の部屋”、博物館の元祖とも言うべき存在で、かつてヨーロッパで盛んに造られた。美術品、貴重品の他に、一角獣の角、人相の浮かび上がった石など珍奇で怪しげな品々が膨大に陳列されていた。
この現象の背景にあるのは、ヴンダーカンマー独特の「何でもあり」という価値観や、ジャンルにとらわれない大らかさへの再評価である。たしかに現実を振り返れば、学問にせよ芸術にせよ、あまりにも細分化、専門化されすぎた結果、一種の閉塞状態に陥っていることは否めない。だからこそ、この状況を打破するために、世界の多様な事物を総合的にとらえようとした一切智の空間、ヴンダーカンマーに立ち返る必要がある。そして、そこから再出発することで、新たな視座を獲得できるはずだ。
やっと本を入手。まだ150点以上に及ぶカラー図版を眺めただけなのですが、ワクワクします。
ヤン・シュヴァンクマイエルのファンなら、「愉悦」の本になることは間違いありません。
ヨーロッパのこんなコレクションの数々が、チェコのシュールレアリストのルーツとして存在していたわけです。
読後にまた記事書きますね。まずは本を開いた奇想な感動で取り上げてみました。怪しさ満点。
◆関連リンク
・小宮 正安『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』(amazon)
・Wunderkammer (Googleイメージ検索)
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