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2007.12.10

■押井守、『ブレードランナー』を語る!
  リドリー・スコットとデヴィッド・リンチについて

Black_hork_down_2 押井守、『ブレードランナー』を語る!(TORNADO BASE)
                                                 (野良犬の塒経由)

 僕は今、世界中の監督の中で「この監督にはもしかしたらかなわないかもしれない」と思う監督はふたりしかいない、大法螺を吹くみたいだけどね。

 そのふたりというのは、リドリー・スコットとデビッド・リンチです。このふたりには、もしかしたら勝てないかもしれない。勝つというのは変な言い方だけど、どこかしら驚嘆するというか、圧倒される部分がある。

 映画はビジョンだとして、リドリー・スコットについて語っている。『ブレードランナー』を超える未来映像が何故出てこないかも詳細に分析。リドリー・スコットの映画に関して、『ブラックホーク・ダウン』を15~16回ぐらい観たというようなことも語られている。押井守にとってのリドリー・スコットという監督の大きさが読み取れる。

 そんな文脈で語られた上の文章。押井守がデヴィッド・リンチについて語るのをあまり聞いたことがなかったので、印象的。しかし残念ながらこれ以上の発言はなされていない。『ブレード・ランナー』に関しての講演なので、しかたないのだけれど。

 というわけで、他から押井守のデヴィッド・リンチ評。
 押井守ファンサイトとして有名な<野良犬の塒>の都々目さとし氏が04年8月に発行した『犬からの手紙 第6号 : Ein Brief von den Hunden 6』の押井守インタビューより。

 僕はリンチに関しては色んなものをもらったというか、非常にインスパイアされた。インパクトを与えられた人間だよ。(略)多分今、唯一評価する監督だよね。リンチは確かに凄い、もしかしたらちょっと適わないかもしれないっていうくらい凄い監督だと改めて思ったよ。つい先週だったかな。『マルホランド・ドライブ』観たからそう言うんだけどさ。「あれはすげぇ映画だ」ってさ。ここ数年で一番インパクトあったよね、参りました。

 この同人誌のインタビューは、通常の商業誌で読めないような深い話が聞き出せていて、さすが都々目さとし氏という出来。機会があれば押井守ファンは入手されることをお薦め。(僕は縁あって都々目さんからお贈りいただきました)

 押井守は『イノセンス』を観るとまさしく物語よりもヴィジュアルを優先する映像の作家という感じがする。これは年々深化しているように思う。映画というものに関する押井守の考え方が先鋭化してきているのを感じる。

 『マルホランド・ドライブ』は映画芸術が到達したひとつの究極の姿だと思う。

 押井守の『マルホランド・ドライブ』論を是非読んでみたい。監督では北野武(『TAKESHIS'』でまんま泣き女のパロディを美輪明宏にやらせていたのには吃驚)、作家では山田正紀(こちらも『サイコトパス』で『マルホランド・ドライブ』挑戦)。これらインスパイアされた作家たちの『マルホランド・ドライブ』評論集なんてのを編んだら面白そう。 

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