■DVD デイヴィッド・フィンチャー『ゾディアック:ZODIAC』
ZODIAC - ゾディアック - (公式HP)
ディヴィッド・リンチ『マルホランド・ドライブ』との差を考えながら観ていた。
記憶とその認識の結果として脳内に投影される人にとっての現実に対して、カメラが写す写実の映像。前者が『マルホランド・ドライブ』とするならば、この『ゾディアック』の映像は明らかに後者だ。
映画が映し出す最初のバーレーホーでの殺人は本来なら生き残りの男の記憶の映像として描かれていても良い。そこをフィンチャーはあくまでも写実的に描いている。だから人の経験している現実との乖離が大きい。
そこに映し出されるのは、なんらひずみのない現実。あのように強烈な経験をしたならば、それが記憶の映像ならば、もっと激しく歪みを持つのではないか。『マルホランド・ドライブ』のリンチならば、ここの描写は全く違うものになるだろう。
この映画が飛びぬけた傑作に成り得ていないのは、上に書いたような理由によるものと思う。『マルホランド・ドライブ』を21世紀の映画(ネクストレベル)と置くと、あきらかに『ゾディアック』は古い映画である。
この映画を一種邪道なとらえ方で観ていたのは、下記の理由による。
say*3さんのBlog日々是好日〜読書日記〜{Revised ed.}にて、「今年やりたいこと」を募集されていたので、つい下記のように書いてしまった(^^;)。
今年こそ、なんとかちょっと長文で『マルホランド・ドライブ』論をやってみたいです。 いつも頭の片隅でこの映画のことを考えていたりしますが、少し切り口が見つかりそうなので、、、。
切り口の断片の一つが上のような記述である。このようにして少しづつ『マルホランド・ドライブ』に切り込んでいきたいと思うので、リンチ映像ファンの方には、なんらかお楽しみいただければ幸い。僕の今年のテーマです(大げさな、、、、)。
- ◆関連リンク
・ゾディアック事件についてはzodiackiller.comが詳しい
当Blog記事
・デビッド・フィンチャー監督PV 『Only』&新作『ゾディアック』メイキング
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コメント
say*3さん、どうもです。
>>うちの記事ご紹介いただきありがとうでした。
またBlogへお邪魔したいと思ってます。
>>「ゾディアック」というと栗本薫の「天狼星」を思い出したり。
あー、そういえばありましたね。聞き覚えがあります。僕はグイン・サーガの10巻くらいは読みましたが、あとはさっぱりです。
ではでは。
投稿: BP | 2008.01.14 22:43
うちの記事ご紹介いただきありがとうでした。
「ゾディアック」というと栗本薫の「天狼星」を思い出したり。
あの頃はまだ読めたんですがねぇ。
投稿: say*3 | 2008.01.11 22:24