■東京都現代美術館 宮崎駿他 スタジオジブリ・レイアウト展
スタジオジブリ・レイアウト展(NTV)
東京都現代美術館で開催(アニメ!アニメ!)
宮崎駿監督の直筆レイアウトを中心に、高畑勲・宮崎駿両監督がスタジオジブリ以前に手掛けた作品も加え、一挙に約1000点ものレイアウトを日本で初めて公開する。
shamonさんのコメントで教えてもらったこの展示会、レイアウト図1000点の展示というのは凄い。
凄いの意味は二つ。ひとつはその量。これだけのレイアウトの実物を一度に観られるのは凄い。
もうひとつはアニメの、ある意味ただの設計図であるレイアウトを美術館で展覧会にしてしまうということの凄さ。
前者は宮崎駿のレイアウトと原画のあの鉛筆タッチが好きなファンとしては大変嬉しい(観に行けないけど、、、、)。宮崎の原画の躍動感は、フィルムで観るのももちろんだけれど、その原画の鉛筆のタッチがコマ割りと別の動きの情報を持っており、これを生で観られるのは貴重な機会だろう。
にしても後者。美術館としてアニメータの原画の芸術的な価値として、その鉛筆のタッチに踏み込んで評価しようというスタンスなら非常に評価できると思うが、東京都現代美術館の今回のアプローチがどこまで踏み込んでいくのか期待したいところ。
今のところ、東京都現代美術館のHPにこの展覧会の告知はないので、よくわからないが、展示会のパンフレットでそこの分析が克明に分析記載されていたとしたら、画期的なことではないだろうか。時期から言って、『崖の上のポニョ』のヒットへすり寄った客寄せのためだけの企画だとしたら美術館としてあまりに寂しい。
アニメータというアーティストの正当な評価へ向けた美術界からの貴重なアプローチになっていることを期待したい。
◆関連リンク
・森山 朋絵 『絵コンテの宇宙―イメージの誕生』(amazon)
・森山 朋絵, 東京都写真美術館
『映像体験ミュージアム ― イマジネーションの未来へ』(amazon)
「映像」とは、単に動画だけを指すのではなく、光と影で構成され、人間の心に浮かぶイマジネーションを形にしたものである。この「映像」への探究が、各時代にさまざまな視覚的装置やスペクタクルを生みだし、すぐれた映像表現やテクノロジーによる現在の視覚文化の興隆を創りだしてきた。
当Blog記事
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・宮崎駿 初期原画 『ルパン3世』
第15話「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」
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・アニメータ磯光雄 と 監督作『電脳コイル』
・日本のアニメーターの賃金
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コメント
まいどです。
東京都現代美術館は聞くところによると
かなり経営が苦しいそうです。
ここの館長は日テレの幹部である氏家氏なので、
集客力のあるジブリに焦点を当てて
男鹿展に引き続いてこの企画が実現したと私は見てます。
正直ここってものすごーく行きにくいんですよ。
どの駅からもわかりにくい道を歩いて15分近くはかかるし。
館内の図書室はベクシンスキーの画集もあって充実してますが、如何せん立地が悪すぎる(^^;。
よっぽど魅力的な展示でない限り行きたくない場所です。
>アニメータというアーティストの正当な評価へ向けた美術
>界からの貴重なアプローチ
内情はともかくとしても私もこうあってほしいと願います。
もっとアニメーターの地位を上げていかなければ
日本のアニメ界の将来はない。
なんとかチケットを確保して観に行ってきます。
#しかしうちの近所にはローソンがない~。
投稿: shamon | 2008.03.23 09:41