■天願大介監督 『暗いところで待ち合わせ』
『暗いところで待ち合わせ』 (公式HP)
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天願大介ファンとして今までこの映画を観てなかったのを恥じなければ、、、。(正直『AIKI』に乗りきれなかったので、、、)
これ、傑作です。天願作品の中でも一二を争う出色の出来。この映画、あまり評判にならなかったと思うけれど、広く観てもらいたい作品。
先入観なしに観ていただくのが一番だけれど、淡々とした静かな乾いた描写が素晴らしい。
日本映画はハーラン・エリスン原作(作家への嫌味です。為念)・行定勲監督の『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒットに触発されたベタベタの恋愛ものが流行ったけれど、この映画の乾いた描写は胸に迫る。
ネットで感想を読むと、押井守の義理の息子である乙一氏の原作が傑作らしい。
ネタばれの以下の文で詳しくは書くけれど、天願大介がずっと描き続けているテーマに、ベストマッチした原作。
★★★★★★ ネタばれ あり ★★★★★★
観た人にはわかってもらえると思うけれど、この映画で一番泣けるのは土鍋のシーンである。
土鍋で泣ける恋愛映画の登場に拍手!!ずっとサイレントで進むシーンの後、動的に画面が動くこのシーンでも効果音は最低限に絞られている。そして土鍋の音がしない。
ここで二人の感情が交差する。
『妹と油揚』 (90)、『アジアン・ビート(日本編)アイ・ラブ・ニッポン』 (91)、『無敵のハンディキャップ 』(93)、『AIKI 』(02)、『暗いところで待ち合わせ』(06)、この映画を観るまで意識していなかったけれど、天願作品はいつも居場所のない存在がその場所を見つけていく映画だった。
乙一の原作のセリフなのか、天願の脚本で追加された言葉なのかはわからないけれど、こうした彼の作品に通底した部分が今回、ダイレクトに述べられている。
原作では日本人であるアキヒロをこの映画は中国から来たハーフに設定している。
ここも過去の監督作品から考えると、監督にとっては必然的な変更だったのかもしれない。
◆関連リンク
・天願大介 - Wikipedia
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コメント
幻灯機さん、はじめまして。
>>私も"アレ"のエリスンの題名を乗っ取ったようなやりかた(しかも大ヒット)には憤慨したクチです。
エリスンもきっと憤慨してますよね。
映画があれじゃあね。
>>まあその前にもう一つ経由していてそれが今頃になってパチンコの連中が喫茶店で話題にのぼらせていたりするのももっとアレなんですが。
パチンコのおかげ(噂)で、新作映画の緻密な画面が楽しめたので、まあよしとしましょうか(^^)。
投稿: BP | 2008.04.20 20:46
こんにちは。私も"アレ"のエリスンの題名を乗っ取ったようなやりかた(しかも大ヒット)には憤慨したクチです。まあその前にもう一つ経由していてそれが今頃になってパチンコの連中が喫茶店で話題にのぼらせていたりするのももっとアレなんですが。
投稿: 幻灯機 | 2008.04.20 07:35