■チェコのアーティストグループ:ZTOHOVEN
核爆発フェイクビデオとそのドキュメンタリー
YouTube - Fiktivní výbuch atomové bomby v Krkonoších (Zprávy ČT24)
(放映された映像)
Exclusive trailer: How to stage a mock nuke blast on live TV (Aktuálně.cz)
(ハッキングを記録したドキュメンタリービデオ)
チェコのアーティストグループZTOHOVENが、チェコの公共放送局:Czech Televisionのウェブ天気カメラにハッキングして放映された核爆発のフェイク映像。
07年6/17(日)の事件。ZTOHOVENによる声明文は下記に要約されている。
お天気カメラが核爆発の瞬間を捉えて生放送 - GIGAZINE
発表された声明によると、(略)社会を脅迫したり操作したりするためではなく、毎日の生活の根本が「メディア」によって成り立っていることを証明するためだったそうです。
今回の活動によって、実際の我々が現実と思っている世界は単純にメディアが作った世界を見ているだけであり、我々がテレビで毎日見ているものが「現実」であるかどうかはわからない、としています。
これを読んだ時は、凄いアートだ、と思ったわけです。
チェコと言えばヤン・シュヴァンクマイエルを思い出すのだけれど、彼のコンセプトに「マニピュレート(不正操作)」というものがある。それを思い出して、まさにマスコミによる操作へのアンチテーゼとしてのハッキングアートだ、凄いと。
しかし、ZTOHOVENが自作した上記リンクのドキュメントビデオを観て、その感想は脆くも崩れ去った。
ドキュメントには、放映の瞬間の「大喜びする姿」が歓声とともに映っている。その歓声の音声が彼らの真の意図をしっかり示しているように思う。この卑しい感じの笑いを聴いたほとんどの人は、こいつらは面白半分にやっている、と思うだろう。作品と作者は切り離して考えるという考えもあるけれど、、、。
テレビを使うことにより生々しいアートをある意味見事に表現したつもりでも、このドキュメントを映像として公開したことで、これも生々しくリアルに彼らの卑しい本質(たぶん)をさらけ出してしまった。
映像の持つ怖さがここにある、と思う。そして顛末としては以下。
テレビで「キノコ雲」放送の6人を起訴、チェコ 国際ニュース : AFPBB News.
【08年1月4日 AFP】
チェコ・プラハ(Prague)在住の6人が2日、2007年6月、チェコ・テレビ(Czech Television)の番組放送中に、映し出されていた田園風景の映像を核爆発によるキノコ雲の映像にすり替え、虚偽の情報を流したとして起訴された。
起訴された6人は、チェコ国内の美しい風景をウェブカメラで中継する早朝番組の電波に、何らかの方法で侵入。核爆発に続き、キノコ雲の映像を放送した。 チェコ・テレビによると、虚偽の情報を放送した6人には3年以下の禁固刑か高額の罰金が科せられるという。(略)
◆関連リンク
・彼らの過去のアート(右)。
あまり大したことないなーと。
・CzechTek
WebLog: Statement made by art group ZTOHOVEN regarding their attack at
the public service broadcaster in the Czech Republic. (English)
・CzechTek WebLog: Ztohoven vs. Czech Television (English). 受賞に対するTV局の批判
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