■視覚/聴覚/触覚 19世紀と20世紀の夢
iPhoneに至るロードマップ (1/2)
iPhoneは人間がテクノロジーに夢みたもののうち、視覚/聴覚/触覚にかかわる機器を高密度に集積化したものである、とまずは大げさに本稿の趣旨をまとめてみる。
この視点を表現したくて、夕食後の3時間を費やしてまとめたのが上の画像である。横軸を時間として(かなりいいかげんだけど)iPhoneが持っている機能を各機器の歴史として表現すると、このようなテクノロジーのロードマップが出来上がる(まったく何やってんだか(^^;;))。そして頂点に位置するのが、これらの機能を統合集積化したiPhoneである。
人間の五感のうち視覚と聴覚は19世紀にテクノロジーによって、時間と距離を自由に飛び越えることが可能になった。
まずニセフォール・ニエプスによりヘリオグラフィが1824年に作られて、写真という形で視覚の拡張を実現した。
そして1860年フランス人発明家エドワードレオン・スコットが紙に記録する蓄音機を発明し音の記録により聴覚を拡張(最近、エジソンは蓄音機の発明者としてその席を譲ったとか)。続く1876年にベルによって電話が創造され、遠隔地との聴覚の交感が実現。
さらに視覚は、1893年エジソンのキネトスコープによって動画像を獲得することになる。
20世紀は映像の世紀と表されるように、19世紀末までに作られたこれらテクノロジーの種を育てて、視覚/聴覚の高細精化と機器の小型化を実現した世紀であると記述することができる。
ここで活躍したのが、もちろんデジタルテクノロジーによる高集積化技術である。
上の画像で表現されるのは、この高集積化によってiPhoneに取り入れられた各種の感覚拡張機器のロードマップである。本来はその大きさを画像の大小で表現し集積化度合いも示したかったのだけれど、恐ろしく時間のかかる作業になりそうだったので今回は割愛。
それでもこれら多くの機器を集約したことによる小型化の度合いは充分に表現できているのではないかと思う。直感的には機器として数百分の1くらいの高集積化。データの分まで含めるとおそらく、さらにそれより3~5桁上の規模になるのではないだろうか。
我々は恐ろしく集積化したテクノロジーの未来を今、入手できるわけである(まだ半月ほど先だけれど)。
ここまでで書いたのは視覚と聴覚の拡張についてである。
実はこれらの集積化だけだったら、我々は日本のお家芸である小型化技術の成果で、既に携帯電話としてテクノロジーの成果を得ている。
iPhoneの日本登場のニュースが出て以来、ネットを中心としてiPhoneが日本で売れるか売れないかという多くの予測が書かれている。その中で多くの評者が挙げていたのが、既に日本のケータイユーザはiPhoneより高機能なハードウェアを手にし、独自に進化した絵文字とかオサイフケータイといった機能に慣れているから売れないだろうという分析だった。
でも売れるか売れないかの議論は置いておくとしても、何かやはり先進的な感覚に溢れているのであるiPhoneは。そこで考えていたのが以下。ここでは触覚がキーとなる。
★長文になったので、続きは明日へ。
◆関連リンク (参考サイト)
今回の記事は下記を参考にさせていただきました。
・腕時計 - Wikipedia.First OMEGA wristwatch, 1900.
・やっぱりニッポン製 じっくりニッポン製「ニッポンはじめて物語」 1アストロン
・ゲーム機の歴史 携帯ゲーム機の系統樹 - Engadget Japanese
・SANYO|ポータブルナビゲーションシステム|ゴリラ|Gorilla History
・ラジオ・ラジカセ博物館
これを見て思い出したパナソニックのラジカセの名前が「MAC」。
僕の「MAC」初体験はこれでした。マイクが分離して使用できるのがかっこよかった。
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