■IVRC 2008 Armella LEUNG, Olivier OSWALD
"l'Oreiller Rêveur (the Dreaming Pillow)"
第16回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト
IVRC 2008 Official Website
岐阜本選結果速報!
・総合優勝: YOTARO (筑波大学 チーム:おたまじゃくし)
・岐阜VR大賞: The Dreaming Pillow
(ATI - Universtite Paris 8 : Armella Leung, Olivier Oswald)
・各務原市長賞 : La flèche de l'odeur
(金沢工業高等専門学校 小坂研究室 チーム:TOM-KIT’s)
・審査員特別賞 :
アソブレラ (大阪大学大学院 情報科学研究科 チーム:アトム)
かおさがし (北陸先端科学技術大学院大学 チーム:くろびかり)
人間椅子 (東京大学 チーム:変隊)
・Laval Virtual Award
YOTARO (筑波大学 チーム:おたまじゃくし)
ヴァーチャルリアリティ産業の勃興を狙う岐阜県各務原市で開催されたイベントへ、今年も行ってきた。
素晴らしかったのが、フランスからの招待作品である"The Dreaming Pillow"。
パリから来た男女の学生ペアArmella LeungさんとOlivier Oswaldくんによるデモンストレーションにとにかく感動。作品がOswald氏によりYouTubeにアップされているので、まずは百聞は一見にしかず、ムービーを観て下さい。
YouTube - l'Oreiller Rêveur (the Dreaming Pillow)
作品は写真に示すように、白い枕に上からプロジェクタでCG映像が投影されている。
枕にはiPhoneのタッチスクリーンと同じ静電容量センサと、圧力を感知するセンサが仕組まれている。静電容量センサなので枕表面を触る手の動きをマルチセンシングで検出可能。手の動きにより映像が操作できる。
コンセプトが「夢」なので、手の動きと映像はiPhoneのように直接リンクしているわけではなく、ぼんやりと同期している。このたゆたう感じが枕の触感のぽんよりした感覚と妙にマッチして、触りながら眠くなる。眠りとともに幻想的な映像世界に没入して行くような錯覚があり、ヴァーチャルリアリティの仮想感たっぷり。
東洋系女性アーティストArmella Leung氏の作品であるCG映像がとにかく素晴らしい。
モノトーン、時々カラーの混じる薄く淡いCG。精神の内奥へ進んでいくようなファンタジックな映像。
途中で枕の白い布に浮き出す人の手や顔にドキッとさせられる。ほんわかした映像に混入する悪夢。こんな工夫によっても観客は夢の実相に近づいていく。
そして枕による触覚の芸術。
睡眠を誘う枕の触感が映像とミックスした独特の味わいが素晴らしい。
今回は、他の日本の作品に対して、圧倒的に芸術を体現したこの作品が僕の中ではグランプリ。他もアイディア勝負で面白い作品は幾つかあったのだけれど、アート作品としてはこれが抜群だった。
その他作品の写真(マイフォト)
「人間椅子」というのが奇抜でぶっとんでいた。
二つの椅子で片方の座面の力を、もう一方の椅子に座った人の腿に装着した加重パッドへ伝えるというもの。つまり椅子の中に入ることなく、人間椅子の触感を再現しようとしたもの。これをヴァーチャルリアリティで作ろうとした着想が凄い(写真はわかりにくいけれど、加重パッドの装着風景)。
僕も体験してみたが、触感はいまいち。
これは一方向通信だけれど、双方向にして遠距離で試験できるようにしたら、なかなか江戸川乱歩の妖艶な魅力を再現できていたかも。
◆関連リンク
・Armella Leung(公式HP)
・Olivier Oswald(公式HP)
・過去記事
IVRC2006 国際学生バーチャルリアリティコンテスト
IVRC2004 第12回国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト
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