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2008.11.24

■豊田市美術館 『ミシャ・クバル | 都市のポートレート』
  『不協和音―日本のアーティスト6人』

Mischa_kuball ミシャ・クバル|都市のポートレート
MISCHAKUBALL.COM
 (アーティストの公式HP)

 ドイツ・デュッセルドルフを拠点に活躍しているらしいメディア・アーティストの日本での初の大規模な個展、とのこと。

 加えて不協和音─日本のアーティスト6人 DISSONANCES-Japanese Six Artistという女性アーティストの展示があわせて開催されている。

 どちらもメディアアートに分類されるような作品展で、結構期待して行った、、、、のもだけれど、期待はずれでかなりがっかり。

■まずミシャ・クバル。
 プロジェクタとスクリーンを用いた光のアートということであるが、展示された作品で観る限り、はっきり言って全く刺激のない凡庸な作品。プロジェクタから映し出される映像は、コップを二つ並べてその底を通して見える街の光景。あれ?
 静かにいろいろな位置から眺めて、なんとか作家のイメージをつかみ取ろうと考えたのだけれど、、、。

 もともと光を用いたアートを街で展開する手法をとられている作家なので、こうした展示会場での作品に慣れていない?。街のビルを使ったりした作品は迫力があるのかも。

■美術館のこころ
 おまけに美術館側の対応の悪さが際立っていた。
 朝一番で行ったのだけれど、ある作品はプロジェクタが初期画面になっていて作品が成立していない。加えて何故か大きなクレーンのような重機が朝一番の会場でうるさい騒音をたてて作業。さらに美術館員たちが会場でおしゃべりしている!

 ここって美術館だよね。こんな酷い展示は初めてみました。作品自体の力もなかったけれど、この美術館の対応は、なんかおかしい。猛省をお願いしたい。

Photo不協和音─日本のアーティスト6人
 「戦後日本を代表する6人のアーティスト、オノ・ヨーコ、草間彌生、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子、田中敦子」の作品展。うちオノ・ヨーコ、久保田成子、斉藤陽子、塩見允枝子の3氏は1960年代のニューヨークの前衛芸術運動「フルクサス」に参加したとのこと。

 面白かったのは斉藤陽子氏の作品で、無数の白い紙でできた立方体が糸で釣られている空間。大中小、いろんな大きさの立体が浮かぶ場所を、いろんなルートでくぐりぬけると、なかなか楽しい。立体をとらえる眼と、よける体の運動が気持ちいい。

 その他はまさに「前衛」。これらを受け止めて理解するのは、僕には少し辛かった。
 もしかすると、60,70年代の空気とかなりシンクロしている作品なのかもしれないけれど、残念ながら現在とのシンクロ率は低い。

◆関連リンク
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コメント

 gwaterznkさん、はじめまして。
 いつも読んでいただいて、ありがとうございます。

>>私の場合はたまたま、時間がボランティアによるギャラリーツァーの時間とタイミングが合いまして、無料という事もあって同行しての説明をお願いしましたが、なかなか親切な対応と、ツァー客に合わせて(?)難易度を決めて話ている様にもみえ、好感もてました。

 以前、僕も別の企画でボランティアの方の話を聞きました。確かに熱心に工夫されていて、僕も感心しました。

>>現代とのシンクロ率は少ないものの、当時としては、作品の表現力(特にパフォーマンス)、方法など、大変なパワーが必要だったのかな、と感じました。

 あ、解説聞かれると随分印象が違うのですね。
 どういうアートとしての当時の受容をされたか、は僕も聞きたかったです。

 今後とも、コメントいただければ幸いです。

投稿: BP(gwaterznkさんへ) | 2008.11.30 21:22

ほぼ日々拝見させてもらってます。
為になる情報が多く、有難いブログです。
さて、私も本日、豊田へ行ってきました。たしかに、スタッフの仲の良さは(?)は伺い知る事はできました。私の場合はたまたま、時間がボランティアによるギャラリーツァーの時間とタイミングが合いまして、無料という事もあって同行しての説明をお願いしましたが、なかなか親切な対応と、ツァー客に合わせて(?)難易度を決めて話ている様にもみえ、好感もてました。現代とのシンクロ率は少ないものの、当時としては、作品の表現力(特にパフォーマンス)、方法など、大変なパワーが必要だったのかな、と感じました。
以上感想でした。今後もブログ拝見させて下さいね。よろしく。

投稿: gwaterznk | 2008.11.30 16:11

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