■ハイビジョンレコーダーの素朴な疑問
BD:ブルーレイディスク vs HDD:ハードディスク比較
もともと前にこんな記事を書いてブルーレイレコーダーには否定的だったのだけれど、新春特売でかなり値段がこなれてきたので、最近の状況を確認してみました(でも結局、買わないという結論になりました)。
◆BDとHDDの価格比較
で、まずブルーレイディスクとハードディスクの値段比較。Blu-rayメディア価格調査とhdd1.pngというネット情報から右のグラフにまとめてみました。
ブルーレイは値段がこなれてきている4倍速のBD-R、ハードディスクは安値のものでWD:Western Digitalのものをピックアップした。
これをみてもわかるのは、以前メディアとしてのハードディスクの値段の安さ。
まだハードディスクが約1/2と圧倒的に安い。本来、ハイビジョン記録としてもメディアとしてはハードディスクの方が使い勝手もいいはずなのだけれど、何故ブルーレイにレコーダが傾いているのか、理解しにくい。(この2倍の値段差は、ハードディスクを2台並行に録画してバックアップを同時に取れるという値段差である)
やはり光ディスクへの投資回収のために、ハードディスクレコーダの芽がつぶれているのではないかと思ってしまう。
◆ハードディスクレコーダの現状
地デジチューナー・AV機器|レコーディングハードディスク|IODATA
僕が持っているハイビジョンレコーダーはIODATAのRecPOT M HVR-HD250Mである。ひさびさにIODATAのサイトを見ると、なんとすでにREC-POTは製品がなくなっている。IODATAが扱っている録画用ハードディスクは、東芝レグザ用の2TBハードディスクのみで、なんと10万円超え。
どうしてREC-POTとかハードディスクのみで録画できる機器は、なくなっちゃったんでしょうね。ユーザーがビデオテープ,DVDからの延長で、録画したものをディスクという形で手元に触れる形で残したい、というニーズはわかるけれど、明らかにハードディスクより容量が少なく、いちいちディスクを入れないと検索もできないブルーレイ、使いやすさでは圧倒的にハードディスクなのでしょうに。
もしかして各レコーダー会社が、ハードディスクメーカへ圧力をかけているとか勘ぐりたくなったり。
◆リムーバブル・ハードディスクレコーダ
僕がほしいのは安く出ている3.5インチハードディスクドライブをリムーバブルに取り替えて、容量を気にしないで使えるハイビジョン・ハードディスクレコーダである。
このREGZAにつないでHDDを使えるコンセプトはかなり近いのだけれど、ローカル暗号化されていて、録画したTVが壊れたら観られなくなる!というとんでもないもの。これじゃ機械と別に映像を残したいという録画媒体としてはありえないのでは。(閑話休題 最近のDVDでハイビジョンが録れる各レコーダも各社フォーマットがまちまちで、ほとんどレコーダが壊れたら観られなくなりそう。メディア記録としては致命傷なのにあんな宣伝しているのは、ユーザの便宜を考えていないほとんど詐欺。ちゃんと「他社の機種では観られません」と明記すべきと思う)
HITACHI : Wooo World ハイビジョンテレビ : デジタルチューナー IV-R1000.
iVポ ケット搭載 デジタルチューナー IV-R1000 iVDR-S録画・再生機能付き 地上・BS・110度CSデジタルチューナー誕生 ハイビジョン映像を、そのままの画質で録画 「IV-R1000」 出し入れ自由なHDD、iVDR-Sに対応した「iVポケット」がチューナーに搭載されて登場。お手持ちのテレビで デジタルハビジョン放送が見られるだけでなく、iVDR-Sにハイビジョン放送の録画・再生が簡単に楽しめ ます。IV-R1000で、ハイビジョン放送を「見る」「録る」「残す」がもっと便利に、ますます楽しく。
探してみたらこんなものがありました。まさにリムーバブルディスクを差し込んで使えるハイビジョンレコーダー(というかチューナー)。でも残念ながらiLinkが搭載されていないので、今までのREC POTのデータが移せない。
iVDRスロットを2つ持っているので、2台のiVDR間でのダビングは可能なようです。だけれど、これが使っているXCodeHD技術という仕様の標準化度合いは不明。
値段は、価格.com - 日立 IV-R100031400円ということでそれなりに安い。これと『カセットハードディスクIVDR 容量250GB』24070円(96円/GB)を足すと、かなりの値段になってしまう。
ここで使われているiVDRは、2.5インチハードディスク。
値段のこなれている3.5インチでないのが弱点。
iVDRについて.(iVDRコンソーシアム)
iVDRとは 『iVDR(アイブイディアール)』は、 Information Versatile Disk for Removable usage の略であり、持ち運びを第一に考慮したカートリッジタイプと機器内蔵を第一に考慮したビルトインタイプが規格として定められています。
上記と日立のWOOシリーズに使っているのは2.5inchだけれど、3.5inch規格もありますね。なんとか早く安くこうしたタイプが普及してくれることを祈ります。
iVDRはまだ日立が製品化しているだけだし、結論として、どこもハードディスクレコーダには積極的でない現状がわかった。
こんな状態だと、中国からでもどこからでもハードディスクハイビジョンレコーダが安値で使い勝手よく出てきたら、iPodの二の舞になるのではないか。MOとかメディアにこだわってオーディオ機器をハードディスクやメモリへ移行しないでiPodにやられたのと同じことが今度は映像機器でもおこる危険性があるのではないか。
もしかしたら、Appleが既にハードディスクハイビジョンレコーダコンセプトをiTuneストアとの連係で提案する用意があるのかもしれない。(今のところApple TVはハイビジョン録画はできないみたいだけれど、、、。)
本当にユーザーの利便性を家電メーカーは考えてくれているのだろうか。そうでないとしたら、いずれ二つ目のiPodにやられる危険性は大きいと言わざるを得ない。
いや、僕は単純に安く使い勝手の良いハイビジョンレコーダーがほしいだけなんですが、、、。
◆関連リンク
・iTunesのHD映画レンタル、Apple TVに限定?:ニュース - CNET Japan.
・eSATA リムーバブルケース SA-DK1ES[RATOC]
eSATA端子搭載HDD/DVDレコーダーでも使用可能
こういうイメージのものも以前はあったわけですが、今はこうして使えるハードディスクレコーダーは聞きませんね。
・iVDR - Wikipedia.
コンピュータのみならず、ビデオレコーダやオーディオ機器、カーナビなど、あらゆる情報機器でのデータ共有を実現することを目指している。
・「iVDRセミナー2007」メンバーに聞く“iVDRの今”~2010年に店頭価格1GBあたり50円を目指す!~ - デジタル - 日経トレンディネット.
価格は、2010年には店頭実販価格で1GBあたり50円程度を目指したいと考えています。
iVDRは、世界初のリムーバブルHDDの汎用規格です。DVDなどと比べるとロイヤリティを低くして、敷居の低いオープンな規格を目指してい ます。iVDRをさらに広い世界規格にするためにIEC(International Electrotechnical Commission 国際電気標準会議)に持って行こうという計画もあります。
50円/GBではブルーレイに勝てません。なんか市場が見えていないのでは。
・小寺信良の週刊「Electric Zooma!」.
第329回:リムーバブルHDD搭載レコーダ「日立 IV-R1000」 ~ iVDR-Secure応用製品第二弾登場 ~
当社は、「AV for e-Life」を合言葉に、音楽や映像をいつでも・どこでも・簡単に楽しんでいただけるアイテムを開発しています。アイ・オーはAVライフの可能性を広げるべく、「iVDR」を使ったコンセプトモデルを提案します。 ● ハードディスク・ビデオレコーダー 「Rec-On」+iVDR 「Rec-On」は、パソコンと連携できるハードディスク・ビデオレコーダーです。ハードディスクユニットを「iVDR」ディスクにすることで、カセット感覚でディスクを交換できるようにしたコンセプトモデルです。 (右写真)
2004年にIODATAでもRecPotの将来提案としてコンセプトモデルが作られているが、残念ながら今でも発売はされていない。
◆当Blog記事
・次世代DVD(Blu-ray,HD DVD) v.s. ハードディスク
・ハイビジョン対応HDDレコーダー RecPOT M HVR-HD250Mレポート
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コメント
ミのつく職人さん、こんばんは。
年末の飲み会のSクンの話が、このトピックの根っこです(^^;)。26TBの動画コレクションを持つSはこの記事、読んでくれてんのかなー。
>>売る側の論理ですな。あたしゃ二台目用にディジタルチューナー/大容量HDD/ネットワーク対応のレコーダーがほしいのに。マーケット志向はどこ行っちゃったんだか。
本当に同感。
マーケットインのコンセプトを考えると明らかにおかしいですよね、今の動き。
本当にiPodに続く黒舟で、もいっかい日本のAVメーカはショック受けないといけないのかなー??
投稿: BP(ミのつく職人さんへ) | 2009.01.14 00:28
市場の飽和ってやつが必要なんでしょうか。ブラウン管テレビの時代、大型化が一巡したら改めて小型機が売れるようになって、個電って言葉が作られました。いまFPDは大型化の方向にあり、かつての個電のポジションに相当する製品がほとんどありません。あたしゃ小さくて高解像度のモニタがほしいのに。
利益率の大きいBDを普及させたいんでしょう。でそれが頭打ちになって、はじめて低価格志向製品に眼を向けると。売る側の論理ですな。あたしゃ二台目用にディジタルチューナー/大容量HDD/ネットワーク対応のレコーダーがほしいのに。マーケット志向はどこ行っちゃったんだか。
投稿: ミのつく職人 | 2009.01.12 08:17