■感想 デヴィッド・クローネンバーグ監督『イースタン・プロミス』
デヴィッド・クローネンバーグ監督『イースタン・プロミス』
クローネンバーグ監督、ロシア・マフィアを描いた新作犯罪スリラーを語る
AFPBB News
「できるだけ見た人の気分がめいるような作品にしたかった。希望に満ち過ぎていると思えるような部分もあるがね」と監督は語った。
DVDで観た本作は、まさにクローネンバーグが語る通りの作品だった。
オープニングから画面にみなぎる緊張感。映像のすみずみに恐怖が宿っていて、かなりの緊張感をしいる。
ヴィゴ・モーテンセンの持つ刃物のような演技がこの緊張感の重要なキーとなっている。
ナオミ・ワッツもホッとさせる表情もあるが、やはり緊張感をはらんだ表情が素晴らしい。こういった演技は、『マルホランド・ドライブ』を思い出させる。
そしてラストで描かれる希望。
クローネンバーグの人間ドラマの完成度は前作の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に続き、完成度が高い。久しく超自然現象を描くSFものはとっていないが、この最強の人間描写で次はSFを撮ってほしい。
◆関連リンク
・Lisa Parker (IMDb)
本作は2007年に亡くなったUnit Production ManagerのLisa Parkerに捧げられている。
クローネンバーグとは初めての仕事だったようである。
当Blog記事
・デヴィッド・クローネンバーグ監督 新作『イースタン・プロミス:Eastern Promises』
・デヴィッド・クローネンバーグ監督 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
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コメント
英樹くん、こんにちは。コメント、ありがとうございます。
>>『イースタン・プロミス』は劇場で見ました。自分の評価もかなり高く、もはやクローネンバーグは昔の「作り物」めいた映画からは別の境地に達しているなあといった感想を持ちましたよ。
確かに。アカデミー賞、狙えますね(^^;)。
>>うーん、SFは撮らない方がいいかも。
今回の緊張感にあふれる描写力から、僕はシリアスな人間ドラマに裏打ちされた本格SFが見たいなー、と思った訳です。
ティプトリーの異星生命体ものとか、ディッシュのブラックな短編とか。この描写力で『スキャナーズ』のリメイクもいいかも、と思ったり(^^)。
投稿: BP(渡辺英樹さんへ) | 2009.03.15 13:06
『イースタン・プロミス』は劇場で見ました。自分の評価もかなり高く、もはやクローネンバーグは昔の「作り物」めいた映画からは別の境地に達しているなあといった感想を持ちましたよ。うーん、SFは撮らない方がいいかも。
投稿: 渡辺英樹 | 2009.03.15 05:37