■神山健治監督『東のエデン』第1話「王子様を拾ったよ」
山崎浩司演出 近藤圭一作画監督
『ダ・ヴィンチ 2009年 05月号』 神山健治インタビュー
やっかいなことに私は、ウィル・スミス、ブルース・ウィルス、そして宮崎駿に続く、四番目に世界を救おうとしている男なんですよ。
やっとこの地方でも放映が始まったので、第一話のレビュウです。
丁寧な作画と、シャープなOP、凝ったペーパーアニメのED、そして以前も書いたけれどハイ・コントラストで斬新な背景。映像的にも高度な仕上がりだったけれど、さらにストーリーも謎の提示がワクワクさせるし、キャラクタのセリフの端々が人物の奥行を想定させて、期待させる初回。
当Blog記事 神山健治監督 『攻殻機動隊S.A.C.2nd GIG』 23-26話
茅葺総理のセリフ「一身独立して、一国独立す」。茅葺の連絡先は航空自衛隊の秘密部隊。で、米原潜への挑発。 つまり3rd GIGは日本と米帝の冷戦を描くわけですか? ということは現在のアメリカの行動を射るテーマ。難民問題から続いて、まさに今日的テーマを書いていこうとしているようです。すげえ。
残念ながら3rd GIGはなかったけれど、この『東のエデン』は画面の口当たりは違うが、2nd GIGのこのテーマを引き継いだある意味、続編。
セリフの端々に表れている主人公二人の「本気」に、2nd GIGから直結した神山監督の社会派視線を感じられた。なんといってもファーストシーンから「米帝」の本拠地が舞台だから(^^;)。
そして再演ではないはずで、昨今の状況は益々米国の存在が世界に大きな傷をつけているわけで、神山監督の2nd GIGの先を行く、米帝批判を期待。冒頭で引用した神山インタビューの言葉は、2nd GIGを知るファンには、やはりそうか、という感慨があるけれど、ついにもろに口に出してしまわれましたか、神山監督。よほど今回は本気なのでしょうね。近頃のテレビが失った本来のジャーナリズムの役割を、この番組がなんらかカバーするのかもしれない。
この時代にこのテーマ、視聴率良いみたいだし、今後の展開が本当に楽しみ。
アメリカと日本と、それから世界の関係がどう描かれるのか!?
◆『東のエデン』第1話 感想リンク
・shamonさんのひねもすのたりの日々
・青の零号さんのBiting Angle
出来たら、毎回クロスレビュウしてみたい。おふたり、いかがですか?
一番先にねを上げそうなのが私なのですが、、、(^^)。
◆関連リンク
・オリジナル・サウンド・トラック『東のエデン』
・竹田悠介美術『東のエデン』 予告篇 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像
・Washington D.C.探訪 - 「東のエデン」聖地巡礼の旅 (2009-05-03 - ものくろーむな日常)
・『ダ・ヴィンチ 2009年 05月号』
・エンド・クレジットで「協力」となっている羽海野チカ「3月のライオン」(ヤングアニマル)。第一話がウェブで見られる。
・羽海野 チカ『3月のライオン』
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コメント
青の零号さん、こんばんは。
今日、こちらは第二話です!
>>shamon姐さんのうしろをトコトコついていく感じでいこうかなと。
一週遅れのメリットは、いつも後だしジャンケンなことです(^^;)
ということで一週遅れでハーフマラソンしていきます。
(11話は通常のTVシリーズの約半分ですね)
>>並べたメンツに犬監督が入ってないのが胸を打ちますねー(^^;。
>>あの人は救うよりもかきまわすほうが好きだから。
学生運動の頃はどうだったのかは、想像の限りですが、あの時代を経ているがゆえに犬監督はメンツに入れないのかも。というかやはり元々そういう気質ではなさそうですね。
>>神山監督の腹のうちをブチまけるくらいのモノが見たいです。
>>でもホントにそれやっちゃうと、ノイタミナ枠本来のお得意さんたちには
>>けっこうキツいかも・・・。
そこはビジネスもわかった監督ですから、僕は外すことはないような予感がしてます。羽海野チカのキャラを選んで、抑えはしっかりしてそう。
"四番目の男"のお手並み拝見です。
投稿: BP(青の零号さんへ) | 2009.04.24 00:41
こんばんわー、青の零号です。
いま録画した2話を見ながらこのコメント書いてます。
>出来たら、毎回クロスレビュウしてみたい。おふたり、いかがですか?
BPさんのご期待に沿えるモノが書けるか、はなはだ怪しいところですが、
私も毎回追いかけていくつもりですので、今後ともよろしくお願いします。
shamon姐さんのうしろをトコトコついていく感じでいこうかなと。
>四番目に世界を救おうとしている男なんですよ。
これ、読みました。神山監督なりのセレソン宣言でしょうか(笑)。
並べたメンツに犬監督が入ってないのが胸を打ちますねー(^^;。
あの人は救うよりもかきまわすほうが好きだから。
>そして以前も書いたけれどハイ・コントラストで斬新な背景。
みっしり描きこまれた背景は「場の空気」まで伝えるようです。
光の使い方や広角アングルでの場面構成も映画的ですね。
TVレベルの水準を超える映像を作ろうという気概を感じました。
>2nd GIGのこのテーマを引き継いだある意味、続編。
>そして再演ではないはず
今回は借り物でないキャラで、オリジナルの物語を語れますからね。
神山監督の腹のうちをブチまけるくらいのモノが見たいです。
でもホントにそれやっちゃうと、ノイタミナ枠本来のお得意さんたちには
けっこうキツいかも・・・。
投稿: 青の零号 | 2009.04.23 00:17
shamonさん、コメントとトラバ、ありがとうございます。
>>高貴な色でメッセージをアピールしたOP、
>>これから始まる二人をイメージしたかのような真っ白なED、
>>さすが元美術出身、色の足し算引き算のバランスが絶妙です。
今回、映像にも力がみなぎっていてワクワクします。
一週遅れで、ついYoutubeで観てしまいたい誘惑にかられますが、我慢して放送の綺麗な映像でファーストコンタクトするようにします。
>>お二人ほどほどハイレベルなものは書けませんが、
>>よろしくお願いしま~す(^^ヾ。
何をおっしゃいます。
『精霊の守り人』全話レビュウの偉業をなし遂げた(^^)shamonさんの感想、僕も毎週楽しみにしてます。
11話なので僕もなんとか着いていこうと思ってます。
よろしく、です。
投稿: BP(shamonさんへ) | 2009.04.23 00:10
まいどです^^。
BPさんのレビュー楽しみにしてました^^。
東京では明後日未明に第3話です。
高貴な色でメッセージをアピールしたOP、
これから始まる二人をイメージしたかのような真っ白なED、
さすが元美術出身、色の足し算引き算のバランスが絶妙です。
>おふたり、いかがですか?
お二人ほどほどハイレベルなものは書けませんが、
よろしくお願いしま~す(^^ヾ。
投稿: shamon | 2009.04.22 08:39