■神山健治監督『東のエデン』 第3話「レイトショーの夜に」
絵コンテ:吉原正行 演出:柿本広大 作監:豆塚隆/伊藤秀樹
滝沢と咲が辿り着いたパスポートの住所にはシネコンに併設されたショッピングモールがあった。滝沢は施設のオーナーなのか!?
脚本:神山健治/佐藤大 絵コンテ:吉原正行
演出:柿本広大 作画監督:豆塚隆/伊藤秀樹
滝沢の記憶喪失前のセレソンとしての活動の一端があきらかになりつつある。
どうやらニート2万人をショッピングモールに集めて(まるでロメロ『ドーン・オブ・ザ・デッド』との発言有(^^))、ミサイルで殲滅しようとした(??)。
滝沢がどう日本の空気を変えようとしたのかが、垣間見える。(でもまだ当然、裏があるんだろう。)
ミサイルが落ちても日常生活の変わらない日本人。これってもしかして、押井守『パトレーバー2』へのアンチなのか。東京に戦場が出現しても日本人の持つ強固な幻想/「空気」は変わらない、と言っているのかも。
さらにそこから突っ込んでどう改革の種を蒔くのか。
近藤刑事が自分も最初は違った、と言っているシーンは、まるで漫画『風の谷のナウシカ』で墓所を前に救世主たらんと改革を夢見た若者が志を亡くして悪に落ちていく様を思い起こさせる。
100億円使えたら「空気」を変えるのにどう使うか?と視聴者に問うているのかも。貴方ならどう使いますか?
◆関連リンク
・当Blog記事
第2話「憂鬱な月曜日」 演出:河野利幸 作監:永島明子
第1話「王子様を拾ったよ」感想
竹田悠介美術 HDR(High Dynamic Range)写真タッチの映像
・東のエデン(アニメ)まとめWiki - トップページ
・[舞台探訪]東のエデン 聖地巡礼 やっぱりここ豊洲だよ(Blog ローリング廻し蹴り)
・『東のエデン 第1巻』Blu-ray DVD
| 固定リンク
« ■デヴィッド デュビレ『魚の顔図鑑』
David Doubilet "FISH FACE" |
トップページ
| ■感想 ミシェル・ゴンドリー監督『Be Kind Rewind 僕らのミライへ逆回転』
& スウェーデッドフィルム »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
青の零号さん、こんばんは。引き続き、TB、ありがとうございます。
shamonさんのと青の零号さんの一回分先行する感想を、毎回先に読んでしまいたい誘惑にかられつつ、なんとかYoutubeで映像を見てしまわないよう我慢する日々を続けています。
第三話は、マスコミのインフルエンザ騒動で放送時間がずれて録画10分ほど失敗、結局Youtubeのお世話に(^^)
>>これって記憶の中で虚構が虚構を上書きしてるということになるのでしょうか?
>>いまの滝沢が持つ現実感覚というのも、案外こんな感じに裏づけのないものなのかも。
青の零号さんの第三話感想で書かれていた記憶の描写が今回も重視されていますね。ここは「究極映像研」のテーマそのものなので(^^;)、たいへん興味深く読ませていただいて、TVも注視しています。
>>近藤も「100億ぽっちじゃこの国は救えない」と言ってましたが
>>では15兆円バラまけば救えるのか?と考えると、それもまた
>>かなり心もとないような気が。
>>手元に来るのは小額とはいえ、受け取る側もその重さについて
>>きちんと受け止めるべきなんでしょうね。
15兆円バラまきは、神山監督の方策とはまさに逆方向、水を低きへ流す効果しかなく助長するだけでしょう。
しかし100億円の命題は、実は我々視聴者にも投げかけられているとみるべきで、最近感想を軽く書けなくて(いいかげんに書いてるけど(^^;))、自分ならどう使うかという問いを神山監督に付きつけられている感覚。
仮にもネットという公の場で、このドラマの感想を毎週書いている身としては、自分なりの解答を一回は書きこまないといけないんじゃないかという、強迫観念じみたものを持ちつつあります。
僕の標的は100億円で効率よく、ということなら、やはりターゲットはマスコミでしょう。現在の水を低きに流しているかなりの部分の責任が、マスコミにあると確信に近い感覚を持っているので、ターゲットは自然に決定。
あとはそれをどう攻めるか、ですねー。
あと8回のTVシリーズが進んでいくうちに何か一回は書かなきゃって、思います。たかがBlog、されどBlogって。
投稿: BP(青の零号さんへ) | 2009.05.08 00:26
こんばんわー。
この回はロマンチックな展開から一転して、いきなり暴力の怖さを
まざまざと見せつける話になりました。
『ウォッチメン』を見たあとなので、冒頭の取っ組み合いシーンが
脳内でフラッシュバック状態に。
これって記憶の中で虚構が虚構を上書きしてるということになるのでしょうか?
いまの滝沢が持つ現実感覚というのも、案外こんな感じに裏づけのないものなのかも。
>滝沢の記憶喪失前のセレソンとしての活動の一端があきらかになりつつある。
前回の近藤による暴挙を受けてのミサイル疑惑ですから、それなりに説得力のある話です。
でもやっぱり、それ以上の裏はあるのでしょうね。
>100億円使えたら「空気」を変えるのにどう使うか?
近藤も「100億ぽっちじゃこの国は救えない」と言ってましたが
では15兆円バラまけば救えるのか?と考えると、それもまた
かなり心もとないような気が。
手元に来るのは小額とはいえ、受け取る側もその重さについて
きちんと受け止めるべきなんでしょうね。
投稿: 青の零号 | 2009.05.07 23:13