■新刊メモ『外套』『SFM 09.05』『モーフィー時計の午前零時』他
最近、ご無沙汰していた新刊メモ。古いのも溜ってたので、まとめて行きます!ニコライ・ワシーリェヴィチ・ゴーゴリ/ユーリ・ノルシュテイン/フランチェスカ・ヤールブソヴァ 『外套』(未知谷)
今回、ゴーゴリの文章と映画の動きの元(絵コンテ)がはからずも結びつけられることになった。別の目的で作られた一連の絵が、古拙な趣の挿絵として鑑賞されることになったのだ。これは、正に当を得ていることなのかもしれない。(ノルシュテイン)
山村浩二氏に「アニメーションのサグラダ・ファミリア」と呼ばれる『外套』の映画と小説のコラボ。
こうやってノルシュテイン氏は制作費を稼いで映画を一歩づつ進めているのだろうか。みんなで本を買って応援せねば。
特集 バリントン・J・ベイリー追悼
2008年10月14日に逝去した奇想SF天才作家を悼む、本邦初訳短篇3作・作家による追悼エッセイ・邦訳著作解題などで構成する特集 トマス・M・ディッシュ追悼
2008年7月4日に逝去したSF界きっての知性派作家を悼む、本邦初訳短篇3作・追悼評論・邦訳著作解題などで構成する
これは即買い!でした。
ふたりの奇才を同時に失い、そしてまたバラードまで。世代的には、こうした作家たちが鬼籍に入ってしまうのですね。人は誰も残らずいずれは死を迎えるわけですが、残念でなりません。
チェスプロブレム作家でもある若島正セレクトによる本邦初のチェス小説アンソロジー。
・モーフィー時計の午前零時
フリッツ・ライバー/若島正訳[単行本初収録]
・シャム猫 フレドリック・ブラウン/谷崎由依訳[初訳]
・素晴らしき真鍮自動チェス機械
ジーン・ウルフ/柳下毅一郎訳[初訳]
・ユニコーン・ヴァリエーション
ロジャー・ゼラズニイ/若島正訳[新訳]
ほか
国書刊行会からは、いまだディレイニー『ダルグレン』の刊行期日はあきらかにされていませんが、こうした作家たちのラインアップで短編集が組まれていて、なかなか素敵なチョイス。
神話、ここに誕生す。「ウルトラマン」(S41年)の生まれた、その“瞬間”にタイムスリップ!企画、クランクイン~放送終了までを、貴重なメイキング写真&資料でつぶさに再現。(略)完成直後に撮影されたヒーロー、怪獣などの各種造型物写真、迫力の特撮シーン・メイキング写真、撮影の合間をとらえたスナップ写真、企画関係の第一級資料、画コンテほか、新発掘もまじえた貴重&秘蔵写真を満載。
こういうのいまだにワクワクするのだけど、やはり刷り込みの効果は絶大。
あの客観的に見たらへたれなデザインのジェット・ビートルが最高に格好良く見えるのは、既にDNAレベルに転写されている感(^^;)。
ナンシー クレス『ベガーズ・イン・スペイン』(ハヤカワ・オンライン)
〈ヒューゴー賞、ネビュラ賞、スタージョン賞、アシモフ誌読者賞受賞!〉ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞の表題作など、7中短篇を収録する日本オリジナル短篇集
SF画アーティスト ステファン・マルティニエア:Stephan Martiniereという記事で紹介したイラストレータ氏の手になる表紙がかっこいい。ごめん、ナンシー・クレスは一冊も読んでないや。
トマス・D・ カウフマン『綺想の帝国―ルドルフ二世をめぐる美術と科学』(青土社)
一六世紀プラハ―ルドルフ二世の宮廷に集った画家、彫刻家、詩人、天文学者、数学者、魔術師たち。彼らはその庇護者に奇怪で謎に満ちた多くの作品を捧げた。(略)これまでマニエリズムの名のもとに見過ごされてきたルネサンスの魔術的想像力の真意が、気鋭のワールブルク派美術史家の手によって、はじめて解き明かされる。
ハプスブルク家のプラハ奇想芸術はゴシックSFファンの心のふるさとです。なんちゃって。
ロバート・ウェストール, 宮崎 駿画『水深五尋』(岩波書店)
宮崎駿は矛盾している。本当は戦闘シーンを映像でバリバリ描きたいのに、反戦思想が強く思う存分にはやれない屈折、なのに小説の挿絵はそうしたものを描いている(それともこれも反戦小説なのだろうか?)。
◆関連リンク
・ジェネオン エンタテインメント
「プロジェクト ウルトラセブン」
「ウルトラヒロイン伝説 アンヌからセブンへ」
「ウルトラマン怪獣伝説-40年目の真実-DVDプレミアムセット」
「ウルトラQ怪獣伝説-万白目淳の告白-DVDプレミアムセット」
こういうのも実は全部観てみたいのだけれど、、、。
・TSUBURAYA公式オンラインSHOP
ヒーロー、怪獣、メカなどの造型制作の現場や、特撮・ドラマの撮影風景をとらえた臨場感あふれるメイキング写真を、時系列に そってダイナミックにレイアウト。企画ノートや絵コンテなどの第一級資料も掲載した、充実のビジュアルブック。さらに、付属DVDには、怪獣ブームの「空 気」をリアルに伝える「中日ニュース/連休怪獣繁盛記」、伝説のイベントを記録した「会津博」などのニュース映像をソフト初収録し、新事実発見をふくむ関係者インタビューも収録。
上の本紹介記事。こういうのって、どっかのマニアの所有物が公開されるのか、円谷の倉庫に埋もれていたものか。でも微に入り細に入り、全ての関連物を見たいのって、マニアの性ですね。
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