■サム・スコギンズ監督 J・G・バラード原作『夢幻会社』
Sam Scoggins: 'Unlimited Dream Company' Film
Ballardian » Sam Scoggins: 'Unlimited Dream Company' Film.
Cast:J.G. Ballard, Tom Pollock.
Camera, Ian Duncan; Assistant Camera, Bryan Morgan;
Art Director, Charlotte Humpston;
Sound, Tom Pollock..
16mm, 24 mins, color, 1983.
SFマガジンのJ・G・バラード追悼特集で知って、『夢幻会社』の映画化作品があるということで、調べてみました。Balladianというバラードファンのマニアックなページにその短編映画がアップされていました。見つけたのは下記のサイト経由。
夢幻会社 - Flying to Wake Island
(岡和田 晃氏のBlog)
1983年、 Sam Scogginsによって撮られた"Unlimited Dream Company Film"では、バラード自身の語りと、最小限の技術補正によって表現されたイメージ画像によって、小説とはまた異なる観点から、『夢幻会社』の成立して いる物語論的な位相が、見るも鮮やかに浮かび上がってくる。もとは16mmで撮影したという映像そのものも、味があっていい。
23分という時間が短いくらいだ。
SFマガジンP269で掲載されているのは、この映画のバラードによる脚本の一部。
イメージシーンは、右の引用のようななかなか鮮烈な画像で構成されている。
僕はずっとバラードって理解できずにいたのだけれど(『結晶世界』も『クラッシュ』も、、、。さすがに『ヴァーミリオン・サンズ』の詩情はよかったけれど、、、)、でも4年ほど前に読んだ『夢幻会社』は最高に良かった。
ので、この映画、楽しみに観てみた。
小説とは違った形での表現だった。短編では惜しいなー。
『夢幻会社』ってもっともっとイマジネーションに溢れた作品なので、いつか本格的なシュールレアリステックな映画として誰か長編映画化して欲しいものである。CGを駆使すれば、サイキックで凄い傑作ができると思うのだけれど、、、。『太陽の帝国』が傑作だったスピルバーグが、老齢になりエンターテインメントを離れてメチャクチャにイメージに走って作る、ってぇのはどうでしょうか(^^)。
◆関連リンク
・YouTube - ballardiandotcom さんのチャンネル
BALLARDIAN: "(adj) 1. of James Graham Ballard (J.G. Ballard; born 1930), the British novelist, or his works (2) resembling or suggestive of the conditions described in Ballard's novels & stories, esp. dystopian modernity, bleak man-made landscapes & the psychological effects of technological, social or environmental developments". (Collins English Dictionary.) The Net's only dedicated Ballard TV channel, where 'history is just a first-draft screenplay' (JGB, The Greatest TV Show On Earth). Note that 'premium subscribers can experience transexualism, paedophilia, terminal syphilis, gang-rape, and bestiality (choice: German Shepherd or Golden Retriever)' as decreed by JGB in A Guide to Virtual Death.
・S-Fマガジン 2009/11 (柳下氏の映画評論家緊張日記)
リストを見ていただくとわかりますが、ぼくもだいぶ宿題を抱えているので、できるだけ早くに返せるように頑張っていきたい。
J・G・バラード追悼特集
[特集内容]
○「太陽からの知らせ」 J・G・バラード/柳下毅一郎訳
○「メイ・ウエストの乳房縮小手術」 J・G・バラード/増田まもる訳
○「コーラルDの雲の彫刻師」 J・G・バラード/浅倉久志訳
○「ZODIAC2000」 J・G・バラード/増田まもる訳
○追悼評論「真珠湾攻撃の内宇宙―バラードまたはSF史の変容―」 巽孝之
○読書ガイド「やさしいバラード」 牧眞司
○追悼エッセイ マイクル・ムアコック/荒巻義雄/伊藤典夫
○J・G・バラード著作リスト&自作コメント[改訂版] 柳下毅一郎=編訳
空を飛ぶ夢にとりつかれたおれは、ある日空港からセスナを盗んで飛びたった。だがセスナは郊外の閑静な町シェパトンに火だるまとなって墜落する。住民たち の救助で一命をとりとめるが、なぜかこの町から脱出できずに過ごすうち、身のまわりには奇妙な出来事が起こり始め…。やがて町は熱帯のジャングルと鳥たち の楽園へと変貌してゆくのだった。鬼才バラードの到達点を示す傑作。
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