■新刊メモ 『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』『機械仕掛けの歌姫』
『ビッチマグネット』『歪み真珠』
ひさびさの新刊メモ。最近、twitterで読書量がさらに落ちているので、いつ読めることか(^^;)。
押井守『ケルベロス 鋼鉄の猟犬』
ラジオドラマ ケルベロス鋼鉄の猟犬(公式HP)
舞台は、一九四二年、第二次大戦下のソ連。“独裁者”が暗殺され、ナチス政権が崩壊、生まれ変わったドイツは、凍てつく東部戦線で泥沼の戦いを続けてい た。女性将校マキ・シュタウフェンベルクは、甲冑を身に纏った異形の装甲猟兵大隊「ケルベロス」の姿を記録映画に収めるため、最激戦区のスターリングラードへ旅立つ。滅びゆくことを知りながらも、孤立無援の最前線で奮闘する兵士たち。その哀しき宿命を目にしたマキの胸に去来するものとは—。巨匠押井守が描く、もうひとつの第二次大戦。
ラジオドラマは聴けなかったので、これは読んでみたい。でも本当はラジオ版をなんらかの形で世に出してほしいのであった。
フェリシア・ミラー フランク
『機械仕掛けの歌姫―19世紀フランスにおける女性・声・人造性』
本書は人造美女/独身者の機械というきわめて今日的なテーマに対し、「声」の表象に光を当てた先駆的研究である。精神分析とフェミニズムの議論をふまえなが ら、プルーストやルソーをはじめ、ジョルジュ・サンド、バルザック、ネルヴァル、ボードレール、ホフマン、そしてヴィリエ・ド・リラダンらの作品を通して、歌声と女性とテクノロジーの関係を鮮やかな手さばきで検証していく。聴く者を虜にする、この世のものと思われない精妙な歌声の表象がもたらすものは何か。そこには近代を特徴づける「崇高」の美学的体験が息づいている。
これは面白そうなテーマの本。声の聴覚への影響って、確かに「崇高」の美学がありますよね。映像研だけど、五感が受け取るもの全般の秘密が知りたいので、音にも当然興味津々。
なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。そして、友徳のガールフレンド=ビッチビッチな三輪あかりちゃん登場。成長小説であり、家族をめぐるストーリーであり、物語をめぐる物語であり…。ネオ青春×家族小説。
最近、舞城王太郎もとんとご無沙汰。
この概要だけ見ると、いつもの舞城って気がするけれど、、、。
あの『ラピスラズリ』に続く山尾悠子待望の新作は、バロックなイメージが渦巻く15の幻想掌篇小説集。
ゴルゴンゾーラ大王あるいは草の冠
美神の通過
娼婦たち、人魚でいっぱいの海
美しい背中のアタランテ
マスクとベルガマスク
聖アントワーヌの憂鬱
水源地まで
向日性について
ドロテアの首と銀の皿
影盗みの話
火の発見
アンヌンツィアツィオーネ
夜の宮殿の観光、女王との謁見つき
夜の宮殿と輝くまひるの塔
紫禁城の後宮で、ひとりの女が
タイトルがまんまバロック。これは期待しないわけには行きませんね。
短編の表題を並べただけでイメージが拡大するこの感覚は気持ちいい!
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